爪爪 2024-03-12 | 物語 (電車で読める程度) やけに伸びた親指の爪。そっと手につつんで隠していた。いつか父に切ってもらうその日まで異形の爪をさらしても、「忘れていました」となんとか守ろうとしていたのだった。約束のときをそのあと、整った爪をみせてくれた。「切りましたよ!せんせい!」笑顔のあなたにいった。「ごめんな。なにも知らなくて」はにかんだ笑顔で応えてくれた。【おわり】