ふしぎなキリスト教 (講談社現代新書) | |
橋爪 大三郎,大澤 真幸 | |
講談社 |
随分と売れているという。著者のスキャンダルも聞こえていたが、精力的執筆活動と切り口の面白さに引かれて手にした。
要は、宗教も無宗教もある種の無条件のことを(神が一つなど、あるいは共産主義は正しいなど)を前提とすると教条的となり、宗教と同じだという事。一神教社会も共産社会も良く似ているという、当たり前と言えば、当たり前のこと。最近の若者はそのようなことも知らないから、意味のある本かもしれない。ちょっと常識的過ぎることが繰り返し語らなければならないということか。
それにしてもルネサンス、宗教革命以降の現代文明はキリスト教社会、プロテスタント社会が作ったということは、過去の歴史の解釈として、教科書的常識だと思うが、その確認に終始している。今後文明は、どのように展開していくのか、日本文明はどうして行くのか位はキリスト教の関係でもっと語られてよかったような気がする。そこにややフラストレーションの残る一冊であった。
それにしても台風でどこもかしこも雨だらけだね。(台風15号の嵐の中での読書メモでした)