長い旅が終わった。北海道の樹海から、一飛びヘリコプターで大海原へ。船の中で1週間過ごし、現実の世界へ帰ってきた。全て研究に関係することではあるが、その中に没入することが大学というストレス社会の現実から最も離れた至福の時である。とくに船はいつもながらいい。陸との通信も限られ、このようなブログなどを見たり書いたりすることもできない。それは一瞬パニックではあるが、ゆったりとした時間を与えてくれる。昨今のようにどこでも無線LANがあり、飛行機の中でさえインターネットがつながる社会はある意味、逃避する場所も時間も奪っていく。そういえば昔、「蒸発」なんてことばのはやったことがあったな、高度成長の時代。またそんな時代の到来を予感させる、いやもう来ている。交通事故は7千人、一方自殺者3万人だからね、この社会は。
全ての情報から自分を遮断し、自然の懐の中へ。そうすると余裕を持って考える時間ができる。自然の香りもたっぷりすえる。花や木は人間のように忙しく生きてはいない。読書もたっぷりできる。そして、また生きていく力が湧いてくる。
陸からの逃避:360度水平線の大海原
読書感想
美しい国へ:安倍晋三/文芸春秋新書
政治家とはなんと単純であることか。日々めまぐるしく、マイクロ事件が頻発する政治の世界の大局とはこんなもんかね。文字などいらない。漫画にすればよい。
企画書は一行:野地秋嘉/光文社新書
これも単純な本。最近は皆、キャッチーに流れる。情報氾濫社会の生き残り術。研究申請発表、論文タイトル設定などに少し役に立つかな?人間そんなに多くのことは分からない。
潜行・米ソ情報戦と道産子農学者/小坂洋佑/道新選書
北海道の本屋には北海道コーナーというのがある。東京ではなかなか手に入らない。時に流されつつ、精一杯生きた無名の博士。しかし、取材テーマが最後に失速した感がある。後半の旧社会主義国取材苦労記がそれを増幅させる。一冊にするにはネタ不足であったか?
破戒:島崎藤村/岩波文庫
夏休みのための読書コーナーで思わず買う。ちょうど100年前、藤村34歳の時、どの出版社も渋ったためか?自費出版。
テーマは出身の教師がその出自で思い悩みつつ、最後にはそれを宣言することによりその呪縛から解放される道を予感させる。そしてアメリカという自由の天地をかいま見せる。現代へつながる重いテーマである。100年前には恐らく完全にタブー化されていたテーマであろう。
明治維新後と北海道のフロンティアとを重ねてしまう。封建江戸時代の差別呪縛からの解放、貧しさからの脱却などを求めて本当に多くの人が北海道へ渡った。そこでは誰も出自などを深く問わない。そこで如何に精一杯生きている人間であるのかだけが問題であった。当時のアメリカのように。
ゴシック
全ての情報から自分を遮断し、自然の懐の中へ。そうすると余裕を持って考える時間ができる。自然の香りもたっぷりすえる。花や木は人間のように忙しく生きてはいない。読書もたっぷりできる。そして、また生きていく力が湧いてくる。
陸からの逃避:360度水平線の大海原
読書感想
美しい国へ:安倍晋三/文芸春秋新書
政治家とはなんと単純であることか。日々めまぐるしく、マイクロ事件が頻発する政治の世界の大局とはこんなもんかね。文字などいらない。漫画にすればよい。
企画書は一行:野地秋嘉/光文社新書
これも単純な本。最近は皆、キャッチーに流れる。情報氾濫社会の生き残り術。研究申請発表、論文タイトル設定などに少し役に立つかな?人間そんなに多くのことは分からない。
潜行・米ソ情報戦と道産子農学者/小坂洋佑/道新選書
北海道の本屋には北海道コーナーというのがある。東京ではなかなか手に入らない。時に流されつつ、精一杯生きた無名の博士。しかし、取材テーマが最後に失速した感がある。後半の旧社会主義国取材苦労記がそれを増幅させる。一冊にするにはネタ不足であったか?
破戒:島崎藤村/岩波文庫
夏休みのための読書コーナーで思わず買う。ちょうど100年前、藤村34歳の時、どの出版社も渋ったためか?自費出版。
テーマは出身の教師がその出自で思い悩みつつ、最後にはそれを宣言することによりその呪縛から解放される道を予感させる。そしてアメリカという自由の天地をかいま見せる。現代へつながる重いテーマである。100年前には恐らく完全にタブー化されていたテーマであろう。
明治維新後と北海道のフロンティアとを重ねてしまう。封建江戸時代の差別呪縛からの解放、貧しさからの脱却などを求めて本当に多くの人が北海道へ渡った。そこでは誰も出自などを深く問わない。そこで如何に精一杯生きている人間であるのかだけが問題であった。当時のアメリカのように。
ゴシック