楽学天真のWrap Up


一語一句・一期一会
知的遺産のピラミッド作り

心に包帯を

2006-04-08 12:53:40 | 人間
 ウイーンへの往きとかえりの機内で天童荒太「包帯クラブ」(ちくま新書)と畑正憲「人という動物とわかり合う」(ソフトバンク新書)を読んだ。
天童の「永遠の仔」はとてつもないショッキングな小説でかつて一気に読んだ記憶がある。畑正憲はかの有名なムツゴロウ。今老息に達した彼がどのようなメッセージを発信しているのか興味があり、成田で手にした。

 「包帯クラブ」は血の滲む「こころの痛み」を、そしてそれを乗り越えた、さわやかな「大人のこころ」をかいまみせてくれる。後者は、生き物に共通の「人生」の乗り越えるべき壁、そして「大人として心の形成」を教えてくれる。

 私のいる大学の学生、いやいや大学に入学しているおよそ半数の若者たちはいわゆる「勝ち組」である。私自身も世間的にはそうであろう。しかし、本当に「こころの勝ち組」なのであろうか?人生を豊かに過ごしているのであろうか?そもそも最近はやりの「勝ち」だ「負け」とは何なのであろうか?お金?名声?地位?名誉?

 そうではなくもっと自由に、「人生万歳!生きていてよかった!今が幸せだ!」と他者との調和の中で、どれだけ自分の人生の中で感じ取ることができるかである、と思えてならない。自分の人生を人に任せて、人にあわせて、過ごすことほど苦しいことはないのである。

人生は一度しかない。穏やかなこころを持ち「人は言うに任せよ」

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2 コメント

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はじめまして (にこにこ)
2006-04-08 22:43:41
楽しく拝見させていただいております。

数年後、私の子供もたぶん大学を受験します。

勝ち?負け?…心豊かに暮らしたいですね。

水のようにしなやかに強く「上善の水の如し」もいいのかなぁ、と思いました。
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上善の水 (楽学天真)
2006-04-09 01:04:29
コメントありがとうございます。

「上善の水」いいですね。私のところの学生たちは皆、別の「水?」が大好き。時に畑正憲のエッセイの中の動物の雄のごとく、口に泡をとばし、ディベート。「おー、頼もしい!やれやれ!」「それが青春だ!」そして、私にも噛み付く。「お!いいぞ、こいつ」と心の中で思いつつ、実は私も必死。そして、やがてどの学生も「水?なし」の昼間のセミナーでも自己主張をきちんとするようになるのですね。 

新学期。一気飲み事故が心配です。おいしい「水?」の飲み方指導。今や、それも大学教授の仕事になってしまいました。いかん!

彼らは未成年でした。
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