日本を創った12人(前編、後編)PHP新書
PHPとはPeace and Happiness through prosperity(繁栄による平和と幸福)の略である。このPHPが本を出し始めたとき、私の周りでは「右翼が本を出し始めた、気をつけろ」という声がしきりと聞こえた。しかし、読むとなかなか含蓄がある。確かに中には、かなり我田引水であり、他の国から見たら唯我独尊的と思われるなというなものもある。
この堺屋太一氏の本は、ちょっと違う。彼が通産省の若い官僚として日本を背負っていた時に、どうあがいて自らの生き様を探っていたかをかいま見る事ができる。その様な視点で見た時に、面白い。万博を成功させたとの自慢部分も見えて面白い。小泉内閣の早いうちに彼は消えたのであるが。この本はその前に書かれたものである。多分、このような全日本史、全人物歴史が俯瞰できているとして評価され、最高の参謀として大いに期待されたのであろうが、早々と消え、竹中氏にとって変わった。
歴史に名を残したい、人は思う。しかし、名を残す事を目的とすると残せない、というパラドックスがあると私は思うが。
今日の新聞に出ていた、小泉首相の後継者騒動、阿部か福田か、というところにもそのようなことがちらちらする。
科学の世界も似ている。科学の歴史の中で名を残したい、と思うと本末が転倒する。決して残らないというパラドックスがある。すなわち、名が残る人はそのようなことを考えないのである。
PHPとはPeace and Happiness through prosperity(繁栄による平和と幸福)の略である。このPHPが本を出し始めたとき、私の周りでは「右翼が本を出し始めた、気をつけろ」という声がしきりと聞こえた。しかし、読むとなかなか含蓄がある。確かに中には、かなり我田引水であり、他の国から見たら唯我独尊的と思われるなというなものもある。
この堺屋太一氏の本は、ちょっと違う。彼が通産省の若い官僚として日本を背負っていた時に、どうあがいて自らの生き様を探っていたかをかいま見る事ができる。その様な視点で見た時に、面白い。万博を成功させたとの自慢部分も見えて面白い。小泉内閣の早いうちに彼は消えたのであるが。この本はその前に書かれたものである。多分、このような全日本史、全人物歴史が俯瞰できているとして評価され、最高の参謀として大いに期待されたのであろうが、早々と消え、竹中氏にとって変わった。
歴史に名を残したい、人は思う。しかし、名を残す事を目的とすると残せない、というパラドックスがあると私は思うが。
今日の新聞に出ていた、小泉首相の後継者騒動、阿部か福田か、というところにもそのようなことがちらちらする。
科学の世界も似ている。科学の歴史の中で名を残したい、と思うと本末が転倒する。決して残らないというパラドックスがある。すなわち、名が残る人はそのようなことを考えないのである。