キラキラと光輝く指輪をした手が店の扉をつかんでいる。その手だけを撮影していると、「何を撮っているの?」オバサマが顔を覗かせた。ファッションリングが光に輝いてきれいだと言うと「似合わない手でしょ?」と両手を差し出した。両手の薬指に3つのリングが嵌っていた。その手は働いた大きな手だった。「私ね昔から手がごつくてね、指輪は似合わないと思う手なんだ・・・もっときれいな高価な指輪をしていたの・・・でも私と縁が無くてね、それが最近出てきたのよ、草取りにきてくれたオバサンが見つけて「奥さんのやない?」と見つけて持ってきてくれた。それが最近、又どこかへ行ってしまったのよ。探したけど、無いものは無いのよ、縁がなかったのよ。そう思うよ。指輪は私と縁がないと、何処かへ行ってしまう。縁がないね」
左手の薬指にはビーズが編みこんだ指輪と結婚指輪、右手の薬指には金と白金の2色でダイヤモンドがちりばめられていた。
左手の薬指にはビーズが編みこんだ指輪と結婚指輪、右手の薬指には金と白金の2色でダイヤモンドがちりばめられていた。