牛小屋からラブラドール犬が吠えながらオイラに寄っていた。
鎖が外れている・・・・
尻尾は振っているから・・・威嚇の吠え方とは違う・・・だろうなぁ・・・・とは思うが、何せ大型犬なので怖い。
「お父さん!お父さん!あんた!ちょっと!しばらくここに居ってほしいけど」と声がかかった。
車の中でオジサンが窓を開けて叫んできた。
「ワシは2回も犬に噛まれた経験があるので犬は大の苦手なんや!」
牛の糞を肥料にするとて買いに来たのだが犬が出てきたので車の中に逃げ込んだらしい。
この犬の名前は聞いたことがあるのだが・・・忘れてしまった。
それで仕方がなくオジサンが牛糞を運び終わるまで犬の相手をしていた
この犬は最初、室内犬で飼われていたが、ウンチやオシッコを家のあちらこちらにするので、愛想をつかされて愛護センターに捨てられた。
それから別の飼い主に引き取られたが、「やっぱり・・・この犬は・・・駄目です」ということで戻された。
そして外で飼うよ!という条件で牛小屋の主人に拾われたのだ。
しばらくするとラブラドールはオイラに飽きたようで牛小屋へ入って行った。
オジサンは急いで車のエンジンをかけて逃げるように立ち去っていった。