
珍しく自宅マンションの正面玄関を通った。
いつもは裏側の階段を降りていくのだが。
霧雨の夜、足早に階段を降りようとしたらどこからかいい匂い。
金木犀のようだが少し淡い匂いだ。
辺りを見回すと小さな花をたくさんつけた植物が垣根となって生い茂っていた。
花が白い。
白い金木犀など見たことがない。
でも同じ匂いにも感じる。
雨の日はキンモクセイも控えめに匂うものだ。
調べてみるとどうやら匂いの主は銀木犀というらしい。
そんなものがあったのだ。
しかも20年も住んでいるマンションの植え込みに。
金木犀よりも淡く匂うらしい。

10月にしては肌寒い今日の記憶に織り込まれて
ギンモクセイは俺的にデビューした。
キンモクセイよりも好きかもしれない。
嗚呼、ボタニカル