現在放送中のNHK朝の連続テレビ小説マッサン」で、初の外国人ヒロインを演じているシャーロット・ケイト・フォックスさん(29)。キュートな笑顔で朝を明るい気分にしてくれる。

 「人生そのものが変わった」。朝ドラのヒロインに選ばれてから、めまぐるしく過ぎていく日々を、そう表現した。初来日したのはオーディションのとき。ゼロから日本語を学んだ。

 劇中では流暢(りゅうちょう)な関西弁も披露している。お気に入りは「ぼちぼちでんな」「おはようさーん」。イントネーションも完璧だ。「標準語は意外と平坦(へいたん)。関西弁は上がり下がりがあって、英語に近い」という

 休日も日本語の特訓に充て、膨大なセリフ量に限界を感じながらも乗り越えてきた。「今は、思っていた以上に、自分には能力があると感じています」と胸を張る。

 来日後は大阪で暮らしているが、まだ日本をじっくり楽しめる時間はとれていない。行きたい場所は京都。家族を連れて寺を案内したいと思いをはせる。「お寺は好き。静かで平和。母にも見てほしいと思う」

 「マッサン」はニッカウヰスキー創業者の竹鶴政孝と妻リタがモデル。玉山鉄二さん演じる亀山政春の妻エリーを演じている。スコットランドで政春と出会い、結婚。異国で夫のウイスキー造りを支える。

 昔ながらの日本の生活を劇中で体験した。かまどでご飯を炊き、洗濯板で服を洗う。「とっても大変な作業だったんですね」

 撮影で広島や北海道など、日本各地を巡った。けれど、まだ知らない土地がたくさんある。「1週間でも時間があれば、行ってない場所に電車で旅をしてみたい」。好奇心いっぱいの笑顔がはじけた。(山下奈緒子)