親日家の多い、台湾がトップは納得(@_@)
訪日客、消費2兆円超え 過去最多1341万人、アジア押し上げ
2015年1月21日05時00分
江戸時代の風情が残る商店街。アジアからの観光客も目立つ=埼玉県川越市
2014年に日本を訪れた外国人は、過去最多の1341万4千人に達した。日本で使ったお金も2兆305億円と過去最高になり、ホテルや小売業には好影響だ。やはり東京や関西に人気が集まるが、いかに地方に呼び込むかが今後のカギになる。
「2020年に2千万人という目標達成が現実味を帯びてきた」。太田昭宏国土交通相は20日の閣議後会見で、訪日客の増加に自信を見せた。
12年までの10年間、毎年500万~800万人台で推移していた訪日客は、この2年で1・6倍に増加。買い物に熱心な中国からの客が増えたことで、外国人が日本で使った旅行消費額は初めて2兆円を超えた。
急激な伸びは、三つの追い風に支えられた面が大きい。最大の風は、円安だ。12年末に1ドル=86円台だった為替レートは、14年末には119円台に。日本での買い物代や宿泊費は、ドルベースで約3割も安くなった計算だ。
二つ目はリーマン・ショック後の中国や東南アジアの経済成長だ。海外旅行を楽しむ富裕層や中間層が増えた。東京五輪・パラリンピックの開催決定や世界遺産、ユネスコ無形文化遺産の登録が相次いだことで、日本への関心が高まったことが三つ目の追い風だ。
これらの風を、訪日客の拡大を成長戦略の一つに位置づける安倍内閣の取り組みが捉えた。
外国人へのビザについては、「犯罪が増える」と消極的だった法務省などを押し切ってタイ、マレーシアなどからのビザなし訪問を認め、フィリピンやベトナムについても大幅に緩和した。その結果、14年はこれらの国々からの訪日が40~70%増えた。
昨年3月には羽田空港の国際線の発着枠を1・5倍に増やし、10月には免税対象を全ての品目に広げた。国は海外での積極的な広告にも年34億円を投じた。今後は、為替の変動などで追い風が弱まっても右肩上がりを維持できるかが注目される。
■都市集中、地方への誘客課題
旅行大手のJTBは、15年の訪日客は1500万人で、前年比の伸び率は14年の29%から13%に落ちると予想する。都内のホテルが足りず、予約が取りにくいことが原因という。
訪日客の人気が高い東京~大阪間は、旅行業界で「ゴールデンルート」と呼ばれる。引き続き訪日客を増やすには、東京や関西への集中を避けて地方に導くことが不可欠だ。
そのため政府が4月に始めるのが、地方の商店街などが丸ごと免税店になれる新制度だ。専用カウンターを1カ所置き、専門業者などに免税手続きを委託できる仕組みで、外国人の目を様々な地方の名産品に向けてもらう狙いがある。
「どうぞ、おいしいですよ」。江戸時代の蔵づくりの街並みが残る埼玉県川越市の一番街商店街は、平日にもかかわらず、名物のまんじゅう「いも恋」をほおばる外国人観光客らで混雑していた。ただ、約100店が加盟するこの商店街に消費税の免税店はない。
免税で物を売れるようになれば、外国人の買い物を増やせると地元の期待は大きい。一番街商店街の落合康信理事長(45)は「高齢の店主も多く店ごとでは難しいが、商店街全体で取り組める制度なら前向きに検討したい」と話す。沖縄県も、那覇市の国際通りなどで活用を検討している。
新たな観光ルートづくりも進む。国は、4月から複数の都道府県にまたがる経路を順次設定し、海外でのPR費用などを一部肩代わりする。愛知県と石川県を南北に結ぶルートなど、全国で数カ所を検討しているとい
■2014年の国・地域別訪日客数
国・地域 訪日客数 伸び率
1(2) 台湾 282万9800 28.0%
2(1) 韓国 275万5300 12.2%
3(3) 中国 240万9200 83.3%
4(5) 香港 92万5900 24.1%
5(4) 米国 89万1600 11.6%
6(6) タイ 65万7600 45.0%
7(7) 豪州 30万2700 23.8%
8(10)マレーシア 24万9500 41.3%
9(9) シンガポール 22万7900 20.4%
10(8) 英国 22万0100 14.8%
〈単位は人。日本政府観光局まとめ、かっこ内は昨年の順位。伸び率は前年比〉