せきやくしゃみをするときはマスクやティッシュなどで鼻や口をおさえる「せきエチケット」
インフル防ぐ「せきエチケット」
2015年1月29日
<iframe class="hatena-bookmark-button-frame" style="height: 20px; width: 50px;" title="このエントリーをはてなブックマークに追加" src="javascript:false" frameborder="0" scrolling="no" width="50" height="20"></iframe> インフルエンザが流行のピークを迎えようとしている。特に入試まっただ中の受験生にとっては大敵だろう。今シーズンは例年より早く、昨年11月に北日本から流行が始まり、全国に広がっていった。札幌市でも12月から大流行となり、年末の休日当番病院は大混雑した。
一言でインフルエンザと言っても、いろいろな種類がある。現在、日本で流行しているのは「A香港型(H3N2)」。「B型」も散見される。世界的には「Aソ連型(H5N1)」もはやっており、日本でも今後流行する可能性がある。
インフルエンザは、感染して症状が出るまでの潜伏期間が1~3日ある。突然38度を超える高熱が出て、頭痛や関節痛、筋肉痛や全身のけんたい感が現れる。その後、せきや鼻水などが出て、1週間程度で回復する。高齢者や、呼吸器や心臓の病気、糖尿病などの慢性的な病気がある人は重症化しやすく、肺炎などの合併症も起こしやすい。小児では、まれに突然のけいれんや意識障害をおこす急性脳症を発症して死亡する場合もある。
ただ、日本は世界で最もインフルエンザの診断と治療が進んでいる国である。感染が疑われると、鼻水にウイルスがいるかどうかを調べる診断キットですぐに検査できる。陽性と分かっても、抗インフルエンザ薬を使えば辛い症状もすぐに改善し、発熱も2日程度と短期間で終わる。こうした治療が整っているので、2009年に新型インフルエンザが流行したときも、日本は他の先進国より死亡率が低かった。
薬で熱は下がっても、ウイルスはまだ患者の体から外に放出されている。このため学校保健安全法施行規則では、発症後5日を経過し、なおかつ解熱後2日(幼稚園では3日)経つまでは出席停止にできるとしている。
感染予防のためにマスクの着用や手洗いなどが推奨されているが、その効果は限定的だ。感染拡大を防ぐには、患者が人との接触を避け、せきやくしゃみをするときはマスクやティッシュなどで鼻や口をおさえる「せきエチケット」を心がけることが重要だ。まだ感染していない人は、ワクチンの接種も勧めたい。
治療のために使う抗インフルエンザ薬は、感染予防にも効果があると言われている。健康保険は利かないが、高齢者や慢性疾患がある人ら予防が必要な人は、かかりつけ医に相談してみるといい。
|