様子見? Android 5.0へのバージョンアップで“不具合”続出か!?
NTTドコモとauは6月4日、Android 5.0へのバージョンアップを予定している製品をそれぞれ公開した。Android 5.0は、グーグルによるスマートフォン向けOSで、昨年11月に発表された。すでに、一部のSIMフリーのスマートフォンには搭載されているが、携帯キャリア各社が販売を手掛ける「SIMロック機」を対象としたバージョンアップは初めてとなる。
NTTドコモの15製品、auの10製品がバージョンアップの対象となる。対象製品の多くが2014年以降に発売されたもので、最近の機種に限られる。バージョンアップをすれば、強化したセキュリティー機能や通知機能、省電力機能など利用できる。
ただ、性急にバージョンアップを行わないほうがいいかもしれない。Android 5.0をめぐる評判は、必ずしもよくないからだ。ネット上を中心に、5.0を利用するユーザーからは「動作が重い」「マナーモードにできない」「Wi-Fiにつながらない」「電話ができない」といった不具合が報告されている。今回のアップデートについて、「しばらくは様子を見る」というユーザーの声もある。
OSを開発するグーグルがまとめたデータによると、Android 5.0の普及率(5月4日時点)は、全世界のAndroidユーザーのうち9%に留まる。一方、ひとつ前のバージョンである「4.4」は39.8%の人が依然として使用しており、公開から約半年たっても、あまり普及していない。
実際、バージョンアップを巡って、こんな問題も発生している。今年5月、Zenfone5(ASUS製)を対象とした5.0へのバージョンアップを予定していたが、問題が発覚したため、直前に延期された。
かりに、不具合が起こった場合、NTTドコモとauはどう対応するのか。
NTTドコモは、「不具合が起きた場合、その原因は個別に異なると考えられる。Android上で使用する各アプリをアップデートするよう、ユーザーに促すなど対応を講じていきたい」と説明。一方、auは「不具合の原因はOSであれば、グーグルに修正アップデートを要求する。端末側に原因があれば、弊社やメーカー側が対応する」と話している。