2025年の万博 大阪に決定 55年ぶり開催へ(18/11/24)
大阪万博決定:「おーっ」松井知事ら興奮抑えきれず
【パリ津久井達】現地時間の午後5時前。決選投票での日本の勝利が別室のモニターに映し出されると、世耕弘成経済産業相や大阪府の松井一郎知事らは「おーっ」と叫んで一斉に立ち上がり、抱き合って喜んだ。
松井知事は「世界がびっくりするような万博にしたい。大阪はこれからもっとよくなる」と興奮を抑えきれない様子で語った。大阪市の吉村洋文市長は「最後までどうなるか分からなかったが、大阪はこれから盛り上がりますよ」と笑顔。1回目の投票で敗れたアゼルバイジャンの関係者からも、日本の勝利を祝福された世耕経産相も「サンキュー」と満面の笑みをみせた。
これに先立って行われた、2025年国際博覧会(万博)の開催地を決める、23日の博覧会国際事務局(BIE)総会における最終プレゼンテーションで日本は、パナソニック執行役員とジャズピアニストの“二刀流”で世界的に活躍する小川理子(みちこ)さんらを起用。小川さんは「大阪を誇りに思っている」と英語でスピーチした後、名曲「ワンダフル・ワールド」の弾き語りを披露し、大阪・関西の魅力を存分にアピールした。
世耕経産相や松井知事ら、誘致委員会幹部は現地時間の午前11時すぎに緊張した表情で会場入り。議事の合間のわずかな時間も使って各国の政府代表者に声を掛け、日本への支持を求め、「最後のお願い」を続けたことが功を奏した。
日本のプレゼンは2番目で、同午後0時45分に始まった。投票権を持つ各国の大使らが壇上を見つめる中、最初に登壇したのは赤いネクタイを締めた世耕経産相。「両手を広げてみなさんをご招待します。自分の国のためではなく私たちみんなのためという一点のために」と述べた。万博に参加する途上国に向けた約2億1800万ドルの支援策も改めて約束した。
続いて小川さんが登壇。今年創業100周年を迎えたパナソニックが社会貢献として、ソーラーランタン10万個をインドなど約30カ国の電気が通じていない地域に無償配布する活動をしていることを紹介。「これまで成し遂げたことで最も誇りに思っていること。ホームタウンの大阪が私に扉を開いてくれた」と笑顔で訴えた。
その後、大阪在住のスペイン人男性、ビーニヤス・アメストイ・イバイさんが、大阪に移り住んだばかりの頃、ことあるごとに周囲の人から「It’s gonna be OK」(大丈夫やで、兄ちゃん)と励まされたエピソードを披露し、大阪人の温かさを強調した。
終盤には、小川さんが再び登壇して弾き語りを始めると、6月のBIE総会での演出と同じく、誘致委員会会長の榊原定征・経団連名誉会長や松井知事、誘致委員会の関係者が全員登壇した。安倍晋三首相もビデオでメッセージを寄せ、30分のプレゼンを締めくくり勝利につなげた。