© コーヒー,睡眠 午後1時を過ぎてコーヒーを飲んだら眠れなくなるって本当?(画像=THE21オンライン)
■コーヒーはいつ飲むのが効果的!?
忙しい現代人にとって、コーヒーは気分をシャキッとさせてくれる大切な存在だ。朝起きて1杯、食後に1杯、など頻繁に飲んでいる人も多いだろう。シャキッとするのはコーヒーに含まれるカフェインに覚醒作用があるためなのだが、飲み方を間違えれば「夜なのに目が冴えて眠れない!」ということにもなりかねない。
そこで「いい睡眠」から見たコーヒーとの付き合い方について考えてみよう。
睡眠の質を上げるためのコーヒーの飲み方
その1)朝~昼はコーヒータイムにおすすめ。飲み過ぎに注意
その2)2時までの昼寝の直前にコーヒーを飲むのがおすすめ
その3)夕方~夜は、体と相談してコーヒーを飲まない時間を決める
■睡眠にとっては敵?カフェインの2つの作用
コーヒーの飲み方について考える前に、まずは基本的なカフェインの作用について知っておこう。
カフェインには覚醒・興奮作用や利尿作用があることはよく知られている。そのため睡眠前に摂取すると目が冴えて寝つけないだけでなく、睡眠中に尿意をもよおして目が覚める可能性がある。だからこそ、誰しも睡眠前にコーヒーを飲まないように気をつけているはずだ。
では「何時まで」なら飲んでも良いのだろう。カフェインの興奮作用は摂取してから30分頃から現れ始めて1~3時間でピーク、3~6時間で影響が消えるという報告がある。となれば、就寝時間の5~6時間前にはコーヒーを避けた方が良いようだ。タイトルのような昼過ぎというのは極端かもしれないが、夕食後のコーヒーはNGということになる。
ただし、作用が現れ始めるタイミングはほぼ同じというものの、それ以降のカーブについては個人差が大きく、カフェインの作用を受けやすい人とそうでない人で、注意するべき摂取時間が全く異なる。人によっては、午後1時に濃い目のコーヒーを飲んだら、いつもより寝つきにくいということも、可能性としてはありうるのだ。
まずは自分がどのくらいカフェインの影響を受けやすいか、体と相談してみると良いだろう。
なお「自分はカフェインが効きにくい」という人も気をつけたい。カフェインが効きにくいという人ほど、コーヒーをがぶ飲みしている可能性がある。いわば「カフェイン耐性」にあるわけだが、その延長で依存症一歩手前ともなれば、カフェインが切れた時には頭痛や眠気、不安などの症状が出ることがある。あくまでコーヒーはほどほどに。朝~午後のうちに2~3杯までが限度と言えるだろう。
■昼寝前のコーヒーで午後のパフォーマンスがアップ
起床時や食事の後にコーヒーを飲む人が多いと思われるが、覚醒効果を利用するなら、昼寝の“前”に飲むことをおすすめする。
「目覚まし効果のあるコーヒーを寝る前に?」と不思議に思うかもしれないが、カフェインを摂取してから効き始めるまでの約30分という時間差を利用するのだ。
コーヒーの香り自体には心を落ち着かせる効果があると言われている。そこで、まずはゆったりと香りを楽しみながらコーヒーを飲み、リラックスしたところで30分後にアラームをセットして昼寝をしよう。
昼寝をすると起きてもまだ頭がぼうっとしていることが多いが、コーヒーを飲んでおけばアラームが鳴る頃にカフェインの効果が現れ、気持ちよく目が覚めるはず。しっかりリフレッシュできれば、午後のパフォーマンスが上がること間違いなしだ。
■カフェイン効果は緑茶やチョコレートなどでも
覚醒効果のあるカフェインを含む食品は、コーヒー以外にも意外に多い。紅茶や緑茶、烏龍茶といったお茶類のほか、カカオにも含まれ、チョコレートやココアなども該当する。つまり、夕食後にコーヒーを控えても、デザートにチョコレートケーキを選ベばカフェインを避けられないのだ。
また、ほうじ茶や玉露、ジャスミン茶など、苦味が少ないお茶にも意外に多く含まれているので注意が必要だ。特に口当たりの良い玉露では100mlあたり約160mgと、コーヒー(約60mg)の倍以上になる。
そして近年、カフェインが多い食品として目立つのがエナジードリンクなどの清涼飲料水だ。もともとコーラに含まれることは知られており、「子どもはダメ」と禁止されていた人も多いだろう。しかし、コーラはせん茶や烏龍茶とさほど変わらないが(100mlあたり約10mg)、エナジードリンクは多いもので100mlあたり約30~50mg。さらに355mlの缶も多く、一度に飲む量が多くなりがちだ。常飲すればカフェインの摂りすぎとなりかねない。
ちなみにコーヒーを含め、カフェインの安全量は体重60kgの人で1日200~400mgとされている (欧州食品安全機構:EFSA)。それと照らし合わせても、やはりコーヒーで2~3杯が限度。
他の食品も含めて、摂り過ぎに注意しながら上手に活用し、メリハリある1日を過ごすことが「いい睡眠」につながるだろう。