JAZZを聴きながら ふたたび

恥も顧みないで再々開、よろしければお付き合いを

らしい心意気

2006年07月20日 | a-c

「おごる平家は久しからず」、人間おごりは禁物ですね。
ホリエモンにしても、村上さんにしても、そして、今回の極楽とんぼの山本氏も、畑は違っても、この部類でしょうか。
『山本軍団』なるものも作り、それなりに仲間内では信頼もあったでしょうに、調子に乗りすぎてしまいましたね。被害者の少女にも幾分かの反省はしてもらわなくてはいけませんが、少女の行動を戒めてこその大人というものです、彼はあまりに愚かでありました。

えっ?こんな出だし珍しいって?
いやね、山本氏のことはどうでもいいというと怒られてしまいますが、『茨城ゴールデンゴールズ』の件が気になりまして、
以前にも記事にしたことがあったかと思いますが、大将こと萩本欽一氏とは、何度か面識がありまして、いっしょに食事をさせていただいたこともあります。今回の解散発表も、真っ直ぐな大将の性格であればこそ理解もできますし、さもあらんと感心もしました。
彼が主催する『欽ちゃん劇団』という劇団をご存じでしょうか、かつては『はしのえみ』も、『TAKE2』も所属していた劇団ですが、この劇団の旅行(といっても、毎日公演があるので近場の日帰りでしたが)に、大将はお忍びで必ず同行されておりました。
「何かあっても困るし、私の劇団だから、私に監督責任がある。」というのが理由だときいたことがあります。
『茨城ゴールデンゴールズ』にも、同じ想いをお持ちだったのでしょうね。
でもね、
「大将、大将の心意気は、十二分に理解します。だから、みんなのためにも、野球のためにも、止めないでくださいよ」と、私は言いたい。皆さんはいかがですか?

さて、今日の本題はここからなんですよ。先日の「陶酔の一日」の記事に、ブログ仲間のcocoa teaさんより、「コルトレーンのCRESCENTをどう思うか?」とのコメントをいただきました。
私は、レコードの解説やら感想というのは、文才もないのでじつに苦手であります。それでもこういったコメントをいただいたからには、ましてコルトレーンの話となれば答えなければいけないでしょう。

私が始めて買ったジャズのレコード、これが「CRESCENT」でありました。
ブラス・ロックのトランペットに端を発した私のブラス好きは、ジャズ喫茶に行って、コルトレーンを耳にしたときから、大きくジャズに斜行していきました。
当時、何枚ものコルトレーンを聴きましたが、私はこの「CRESCENT」が大のお気に入り、それで最初に買ったのがこのレコードということになったのです。

この「CRESCENT」というアルバムは、「狭間の一枚」とか、「異質のアルバム」とか呼ばれ、評価もけして高くはないアルバムだと思います。
でも、私の評価は違います。もっとも好きなアルバムと言ってもいいくらい。
コルトレーン、マッコイ、エルビン、ギャリソン、黄金のカルテットは、まさに成熟のピークを迎えていました。
その成熟度を確かめるがごとく、力強いテナーで始まる「CRESCENT」、目を閉じて聴くと、出だしで「おまえら感じるだろう?」ってメンバーにメロディーで問いかけ、「やっぱり感じてるんだ、俺もさ!」と、ソロに入っていく、そんなふうに聴こえてなりません。
「WISE ONE」がまたいい、マッコイのソロを受けて、メランコリックとも言えるほど優しさがあふれ出るコルトレーンのソロ、エルビンのシンバルの音が・・・
一転、スインギーな「BESSIE'S BLUES」での、マッコイのソロ、なんとも歯切れのよいこと。
もう、私のレコードのA面は、聴き過ぎですり切れそうです。(笑)

「LONNIE'S LAMENT」、マッコイのピアノの後に続く、ギャリソンのベースソロ、「やっぱりこのカルテットは、ギャリソンじゃなくちゃダメなんだ」と実感させられます。
「THE DRUM THING」、エルビンは凄い、コルトレーンの世界をドラムで表現できる人、それは彼以外にいないのです。まちがいない!

ざっと、これが各曲ごとの私の評です。ははははは、評なんてものになってませんけどね。

ともかく、「LIVE AT BIRDLAND」が、対外的にこのカルテットの成熟度を示すアルバムだったとすれば、「CRESCENT」は、カルテット自体が内にそれを確かめたアルバムではなかったのかと私は思っています。
確かめ合った上で、このカルテットは「A LOVE SUPREME」へと歩を進めていったのではないか、しかるに、この「CRESCENT」というアルバムは、このカルテットの内面をかいま見られる唯一の傑作であると私は考えています。

あー、疲れました。慣れないレコード評なんてのをするからですよね。(笑)
ということで、以前にも紹介したアルバムですが、今日の一枚は「CRESCENT」です。

CRESCENT / JOHN COLTRANE
1964年4-7月録音
JOHN COLTRANE(ts) McCOY TYNER(p) JIMMY GARRISON(b) ELVIN JONES(ds)
1.CRESCENT
2.WISE ONE
3.BESSIE'S BLUES
4.LONNIE'S LAMENT
5.THE DRUM THING