JAZZを聴きながら ふたたび

恥も顧みないで再々開、よろしければお付き合いを

十分の一でいいから

2008年05月23日 | g-i

いやいや暑い一日でした。って「夏日にもなっていないところのヤツが言うな!」と言われそうですけど、それでも日差しが強く、特に車の中はひどい暑さだったんですよ。

今日もまた、昼休みの雑談からのお話ですが・・・・

何日か前にテレビでアニメ『パプリカ』が放映されていたのだそうで(私はアニメに特別な興味を持っていないもので、当然見てもおりませんが)
「『パプリカ』の原作って筒井康隆だったんですね」とは、そのTVを見たというN君であります。
原作は1993年といいますから、私がもうすでに筒井康隆の作品をあまり読まなくなってからですので、当然未読、全く話について行けずに終わってしまいました。(笑)

私が筒井康隆を始めて読んだのは、NHK少年ドラマシリーズ『タイムトラベラー』を見た後だったと思います。(このドラマを懐かしいなぁ~~って思ったアナタ、歳がわかりますよ...笑)
ですから、最初に読んだのはドラマの原作『時をかける少女』だったのでしょう。(はっきりは覚えてないんですよ、でも『七瀬シリーズ』は全て読んだのは間違いありません。)
私と同年代の方は、あのドラマをきっかけに筒井康隆を読み始めたって方はずいぶんいたんじゃないかなぁ・・・・

筒井康隆といえば、執筆活動だけでなく、役者をやってみたり、山下洋輔と組んで「筒井康隆断筆祭」なんてイベントもやったりしましたよね。筒井康隆、山下洋輔、相倉久人、この三人は大の仲良し、山下洋輔によれば筒井康隆の楽器の腕前もそうとうなものだそうですよ。そんなつながりで『ジャズ小説』なんてぇのも書いたんでしょう。

そうそう、彼はマンガも書いてたんですよ。知ってました?
けして上手いとは言えませんが、夏目房之介なんか著書『あの頃マンガは青春期だった』の中で、「絵も構成も素人だが、ヘンに面白い。筒井だから許される、といえばたしかにそうだが」なんて筒井康隆のマンガについて評しておられました。
(夏目房之介は同書の「恋の威力とジャズ修行」てな項で、樋口太郎の『脱出』について書いていらっしゃいますが、この話もなかなか面白いので、明日にでも紹介しましょう。)

ともかく
才に闌けた方というのはじつにうらやましいかぎりですね、私にその十分の一でも良いから才があれば・・・・・・・
昼休みの話について行けなかった私は、この土日で古い筒井康隆の本でも読み直してみようか、なんて思ったのでありました。(ついでに『パプリカ』も読んでみましょうか)

さて、今日の一枚は、活かしきったかどうかは別として、こちらも才は人一倍あったアンドリュー・ヒルです。
5年ぶりにレコード復帰したヒルの第二弾アルバムです。
以前も何度か紹介したとおり、ヒルという人はどうにも大衆受けしないピアニストでありまして、たしかにブルーノートに残る彼のアルバムなど聴くと、納得いく部分もあるのですけどね。
え~~でも、これも何度も言うようですが、私はヒルを全く嫌っておりません、いやむしろ好きなピアニストです。

ここでは、リー・コニッツ、テッド・カーソンらの参加もあって、じつに意欲的な演奏を聴かせてくれていると思います。
特に「INVITATION」じつに神秘的で知的で、このコニッツとのディオは「一聴の価値有り」だと私は確信しています。

SPIRAL / ANDREW HILL
1974年12月20日, 1975年1月20日録音
ANDREW HILL(p)
LEE KONITZ(as,ss)[2,3,4,6] TED CURSON(tp,flh) CECIL McBEE(b) ART LEWIS(ds)[2,3,4]
ROBIN KENYATTA(as) STAFFORD JAMES(b) BARRY ALTSCHCUL(ds)[1,5,7]

1.TOMORROW
2.LAVERNE
3.MESSAGE
4.INVITATION
5.TODAY
6.SPIRAL
7.QUIET DAWN

おまけ、
NHK少年ドラマシリーズの話が出ましたが、同シリーズで私が最も印象に残っているのは『つぶやき岩の秘密』ですかねぇ。
原作は新田次郎、出演、佐藤陽一、厳金四郎、西口紀代子という・・・・・・
ところが、内容は良く覚えてないんですよね。
きっと石川セリの歌った主題歌「遠い海の記憶」が、あまりに印象的で覚えているってだけなのかもしれません。

 ♪ いつか思い出すだろう
   おとなになった時に
   あの輝く青い海と
     通り過ぎた冷たい風を ♪


ってね。(笑)