昨日今日とちょっとした夏の呼び戻しか、いやいや、その前の数日間より少しだけ気温が上がっただけですから、やっぱり夏は旅立ってしまったのでしょう。
そんな夏に未練を残しつつ、明日はいよいよ総選挙ですねぇ
「いずれ教科書に載るかもしれない」とか、「歴史的一日になるかもしれない」とか、いろいろ言われておりますが、最も大切なことは日本の主権が国民である事を、ほぼ唯一実感できるであろう日、それが投票日だということでしょう。
方や投票に国民が命をかけなければいけない国もあれば、方や国民の意思など全く無関係に形だけの選挙を行う国もある、それに比べれば、自由に安全に投票を行える私達は幸せ者です。みなさん、権利はなんとしても行使しましょうね。って、お前は何者だい!(笑)
いずれにしても、自分の一票がこれほど大きな意味を持つであろう選挙は、そうそうあるもんじゃないと私は思うわけで、明日はしっかり自分の意志を票に託してきたいと思っています。
今日の朝日新聞土曜版beの『サザエさんをさがして』は、1054年2月に刊行された伊藤整著『女性に関する十二章』を題材に取ったものでした。
「へぇ~~、『女性に関する十二章』は、チャタレー裁判の只中で発刊されたんだぁ・・・・」
と、『女性に関する十二章』も伊藤氏が翻訳された『チャタレー夫人の恋人』も読破をしたかのようにつぶやいた私ですが、『女性に関する十二章』は読んでおりません。(笑)
記事内でエッセイスト、池内紀さんが「この本の衝撃は、タイトルや花森安治デザインの酒脱な新書判の外観にこそあった」との前置きで、こんなことを語られています。
「戦後、真っ黒になって働いて生きてきた女たちが、やっと、しとやかに着飾ってもいい、という時代になったのですね。働く『女』が美しい『女性』として扱われる転換期。内容はともかく、ページを繰って十二章まで読んでいくとレディーになっている、という幻想を与える章立てがうまい。女たちは競って本を手に取ったはずです。」
なるほど、タイトルや表紙のデザインが幻想を生み、ついついその本を手に取ってしまう、レコードでいえば『ジャケ買い』ですか(笑)、これはおおいにありますよね。
でも、それだけで四、五十万部のロングセラーを保つとは思えません。内容もそれに準ずるものであったのでしょう。(読んでないからなんともいえない。笑)
そんなことで、話を戻しましょうか。
人間誰しも外観や雰囲気で何かを選ぶ、これって責められることでもありませんし、しごく当然なことです。だけど、その選択が後悔につながることもまたありがちなわけで。
すでに明日の投票を誰に、どの党にするかは決定している私ですが、「外観や雰囲気に惑わされていはないか?もう一度考慮してみようか」なんて、この記事を読んで思ったのでありました。だって、前回の郵政選挙は、これでやられた人が相当数いたんじゃないか、なんてね。
さて、今日の一枚は・・・・
という前に、前回とんでもない嘘をついてしまったことをまずはお詫びしたいと思います。え~~、ジム・ホールのアランフェスをA面のごとく紹介してしまったことです。私が世間に背を向けよく聴いていたのは、A面「YOU'D BE SO NICE TO COME HOME TO」「TWO'S BLUES」「THE ANSWER IS YES」であって、ジャズ喫茶『E』でかかっていた、アランフェス(「CONCIERTO DE ARANJUEZ」)は、B面収録曲です。(まっ、皆さんご存じでしょうが)
ということで、あらためて今日の一枚は、リチャード・エイブラムスです。
またまた、ジム・ホールからは大幅にすっ飛んでしまいましたが、正直に言いますと、前回紹介した「COMMITMENT」より、私的には数段好きなアルバムです。(変態ですから、笑)
ただ、このアルバム、レコードが何処かに消えて無くなってしまいまして、現在はCDのみの所有となっています。
AACM(Association for the Advancement of Creative Musicians)、いわゆる「シカゴ前衛派」のドン、エイブラムスが、反ヨーロッパを掲げ、ブラックミュージックの原点に立ち、呪詛的な集団即興演奏を・・・・・・・
そんなこたぁどうでもいいんです。
なんていうかなぁ、聴いているうちにドーっと風景が拡がっていくというか、自分自身のパワーも解放されていくというか、そんな気持ちにさせてくれる演奏だと、私は思っています。(笑)
参考までに1965年5月に設立されたAACMの目的を紹介すると(AACMは、法的にも認められたNPOでした。初代会長は、もちろんエイブラムス)
一、創造的音楽の重要さを広めるためにつくられたプログラムの実演によって、一般大衆のために芸術的水準の高い音楽を創造するように若いミュージシャンを啓発すること。
一、共に有能なミュージシャンになろうという明確な目的を持ったワークショップを持続させることで、芸術的なものが感じられ、芸術的努力を促すような雰囲気をつくること。
一、若いミュージシャン志望者のための無料講習プログラムを行うこと。
一、すぐれた創造的ミュージシャンのための仕事を確保すること。
一、慈善団体に寄付すること。
一、ミュージシャンとして高い水準のモラルを示すことで、一般大衆の創造的ミュージシャンに対するイメージを高めるように務めること。
一、ミュージシャンと音楽関係者(ブッキング・エージェント、マネージャー、プロモーター、楽器メーカーなど)との相互信頼を築くようにすること。
一、過去から伝えられたミュージシャンたちの文化、その気高さと伝統を維持すること。
LEVELS AND DEGREES OF LIGHT / MUHAL RICHARD ABRAMS
1967年録音
MUHAL RICHARD ABRAMS(cl,p) ANTHONY BRAXTON(as) LEROY JONES(violin) MAURICE McINTYRE(ts) GORDON EMMANUEL(vib) CHARLES CLARK, LEONARD JONES(b) THURMAN BAKER(ds) PENELOPE TAYLOR(vo) DAVID MOORE(poet)
1.LEVELS AND DEGREES OF LIGHT
2.BIRD SONG
3.MY THOUGHTS ARE MY FUTURE - NOW AND FOREVER
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