いい方も、悪い方もあります。
いい方は…バーバラさんの恋愛関係の本。アメリカの心理学者だったと思いますが、結構日本では書かれないこともあって(いや、当たり前なのかもしれませんが)、目から鱗、でした。性関係を持つ前に、彼に似た子を産んでもよしと思えるか、とか、毎日愛の言葉を囁いても、愛情が目減りする訳ではない、美しい服を毎日見たからといって、美しくなくなる訳ではない、とか。
聖書もこちらですが、これは語り尽くせるようなものでなし、現在進行形ですのでパス。
悪い方…というか、自分にとっては読まなければよかった、と思っているのは、漫画ですが成田美名子『エイリアン通り』。
嫌いだったのではありません。当時、『日出処の天子』と共に、大好きでした。しかし…私の気性から言うと、私は読まない方がいい本だったと思います。
主人公のシャール君。「お前は今まで友達とすっぱり駄目になった経験がないのか?ほんのささいなできごとからだって、おこりうるんだぜ」という台詞、当時の私には衝撃的でした。
つまり、読者としてはふさわしからぬ、早い時期に読み過ぎたんですね。
が、このショックからは意外と立ち直りが悪く、びくびくとおびえる部分を抱えてしまう原因の一つになりました。
気性が内向きで、自己主張の下手な(やり方がよくわかっていない、下手したらそれすらわかってない)私には、より不安を増幅させるだけの作品でした。
なので、作品は最後はハッピーエンドなのですが、どうしてああなるのか、筋立ては分かるのに、感情的にはついていかないという、非常に訳の分からない状態になりました。つまり、読んだ私の方は、主人公と共に「救われた」気持ちにならなかった、のです。だから、彼の開き直りが「わからない」まま。
読まなきゃよかった、と後悔しだすのは、はまりまくってから十年以上も経ってからです。
ちょうど、その「お年頃」に読むならよかったんでしょうけどね。