11月17日(日)戸塚で赤ちゃんポスト「こうのとりのゆりかご」に取り組んでいる熊本県慈恵病院の蓮田大二先生の講演会へ、「はなはなひろば」から4人が参加して、お話をお聞きしました。
「『こうのとりのゆりかご』6年の取り組みから」と題したお話は、蓮田先生がドイツで赤ちゃんが捨てられている実態を調べに行かれ,母子を守る取り組みを学び日本でも"赤ちゃんポスト"が必要だと、実践されました。
虐待が報道され、なぜ救えなかったのかを考える中で、日本で初めての"赤ちゃんポスト"を熊本に設置。
設置後は、賛否両論が渦巻く中で、たくさんの相談が全国から寄せられるようになり(相談窓口は24時間体制)、相談件数は6年間で3,767件、養子縁組相談は1,018件に登りました。
子どもにとっての一番の幸せを最優先に考えながら6年間を運営され、さまざまなつらい相談を一つ一つ真剣に受け止めてこられました。
その中で特別養子縁組(実子として養育する)が173人できたそうです。
"こどもは家庭で育ってこそ将来自分の家庭を作ることができる"という熱い思いがあって、この病院では赤ちゃんポストに預けられるこどもたちを。あたらしい家庭で愛情いっぱいに育てられる夫婦と親子関係を作れることが分かるまで心のケアの努力をされるとのことです。
養子縁組できないこどもたちは乳児院、そして児童養護施設で18歳まで育てられます。
また、いったんは「こうのとりのゆりかご」に置いてきても、後で母親のもとに戻っていったこどももあるようです。
預ける親は、いろいろな気持ちを持っているのでしょうが、共通するのは自分では育てられないが是非命をたすけてほしいという切実な願いでやってこられるのでしょう。
蓮田先生は、愛は教育によってそれを学ぶのではなく、愛されることによってのみ愛することを学ぶことができる」とおっしゃっています。
特別養子縁組でふたりのこどもと生活している男性の話もありました。「子育てとは、子を育てることよりも、子によって育てられ、さらに自分を育てることにより子も育っていくのだと痛切に感じました」といわれていました。
休日の午前中、ひさしぶりに感動をおぼえた講演を聞くことができました。胸が熱くなるような内容でした。
蓮田先生の温厚な人格のあふれる語り口は、きっと熊本の病院で、愛情あふれる看護士さんたちと一緒になって一人のこどもも見捨てない覚悟で取り組まれているのであろうという思いがうしろいっぱいに溢れていました。
11月25日(月)夜TBSテレビでドラマ化されて、「こうのとりのゆりかご」として放映されました。薬師丸ひろ子主演。ご覧になった方もおいででしょうが、もし再放送されるようでしたら、ぜひご覧になってください。
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