若が小さい頃 寝る時間になると
「夢見るのやだぁ~ 寝たくない~
」とぐずることがあった
ある夜のこと
「恐い!恐い!」と泣きながら起きて来た
どうやら恐い夢を見たらしい
困ったな~と思いながら 画用紙にバクの絵を大きく描いた
「恐い夢はね このバクさんが ぜ~んぶ食べてくれるんだよ」
と言って枕の下に入れてあげると
泣きじゃくりながらも眠ってくれた
翌朝 起きて来て
「ぼく 夢見なかったよ!」とバクの絵をピラピラさせた
「じゃあ バクさんが食べてくれたんだね!夢のウンチをするんじゃない?」と言うと
「そうだね!」と言って バクのお尻の下に茶色の色鉛筆で
「ぼくのユメのウンチ」を描いていた
紙に描いたバクは毎日枕の下でこすられてボロボロになった
そこで フェルトで作り直した
これが若の「守り神」のバクくん
夢を食べたバクくんなので チョッピリお腹が膨らんでいる
(シーツに紛れて洗ってしまったことがあり フェルトが やや うねうね している)
裏には「ぼくのこわいゆめも やさしいゆめも ダブルでたべてください」と書いた
(「どんな夢も見たくない!」と言うので)
寝る時は必ず枕の下に入れる
旅行に行く時も… 入院した時も…
姫も欲しがったので作ってあげた
ちょっと キュートなバクちゃん
今はもう 二人とも
バクが居なくても眠れるようになった
2匹のバクさんは箪笥の引き出しの隅っこで隠居している
でも きっと 今でも 密かに
二人を守ってくれているのだろうなぁと思っている