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新型 CIVIC e:HEV インプレッション(BOSE プレミアムサウンドシステム編)

新型 CIVIC e:HEV の素晴らしさは、車の基本的な走行性能だけではありません。
EX および e:HEV グレードの2モデルに標準装備の、BOSE プレミアムサウンドシステム。
これも大きなセールスポイントとなっています。

ですが、新型 CIVIC のレビュー動画で、BOSE プレミアムサウンドシステムについて語られたものは、非常に数が少ないのが現状です。
そこで今日は、「BOSE プレミアムサウンドシステム編」と題して、以前の記事「新型 CIVIC e:HEV 一ヵ月インプレッション」で書いた感想の続編というかたちでお話したいと思います。



(目次)
・BOSE プレミアムサウンドシステム概要
・設定項目は非常に少ない
・聴感上、最も影響が大きい設定項目は?
・その他の設定項目
・再生可能な音源の種類
・ぶっちゃけ、どうなのか?


BOSE プレミアムサウンドシステム概要

80年代洋楽を筆頭に、音楽を聴くことの多い自分は、旧愛車である 4代目フィット e:HEV に乗っていた頃から、Walkman をギャザズナビに Bluetooth 接続して、それを聴きながらドライブするのが無上の喜びの1つでした。

4代目フィット e:HEV のギャザズナビは 「匠の音」などハイグレードタイプのオプションを後付け出来たのですが、自分はそこまではせず、通常装備のシステムで音楽を聞いていました。
それでも音は十分に満足出来るものでした。

対して、新型 CIVIC e:HEV のナビおよびオーディオシステムは、オプションの選択の余地がなく、最初から最上級の「BOSE プレミアムサウンドシステム」が標準装備となっています。
「細かい話は抜きにして、お前ら、金を払ってこのプレミアムなサウンドシステムの音を聴け」
ホンダとしてはそう言いたいということなのでしょうか(笑)

本気でそう言われたとしても、BOSE のオーディオシステムなので、そこは説得力あります。
BOSE といえば、独自のアクースティマス(acoustic mass)理論による重低音スピーカを武器に、1980年代のバブルオーディオ全盛の頃から世界に名を轟かせた、老舗の音響メーカーです。
高校時代、先輩の家で聴いた BOSE スピーカーの重低音サウンドは衝撃的でした。



そんな BOSE がホンダと共同開発したという「BOSE プレミアムサウンドシステム」は、ホンダ公式サイトでも大々的に宣伝アピールされています。
運転席助手席の両サイド、ナビの裏側中央、リアシートの両サイド、さらにはリアの頭上位置の両サイドにまで、車内空間に12個のスピーカーを配置し、臨場感溢れるサウンドを実現。
リアハッチ内の右サイドには、BOSE スピーカーの象徴、20cm サブウーハーが息を潜める。

これでいい音が聴けないわけがないだろうと。
何か文句あるのかと(笑)

そんなことで、納車前から大いに期待が膨らんだ BOSE プレミアムサウンドシステムについて、「新型 CIVIC e:HEV 一ヵ月インプレッション」の記事では、期待外れだったと書きました。
が、その後乗っていく中でかなり印象が変わりましたので、それについてお話していきます。




設定項目は非常に少ない

鳴り物入りで装備された BOSE プレミアムサウンドシステムにつき、音質調整などの設定項目もさぞかし多岐に及び、レコーディングスタジオの機械のようにボタンやスライダーが数多く並ぶ、そんな設定画面を想像していたのですが、実際はそうではありません。

音楽の再生画面の右上にある「音質調整」ボタンを押すと、音質調整の画面に飛びます。
表示された画面には、4つのサブ項目があります。

① Bass / Treble
② オーディオゾーン、Balance / Fader
③ Bose Centerpoint
④ Bose Dynamic Speed Compensation



4つのサブ項目を選択すると、さらに別画面に飛び、各々の調整が行なえるようになっています。
例えば、最初の ① をタップすると、基本的な音質の設定が行なえる別画面に飛び、

・Treble
・Midrange
・Bass

の3つの音域ごとに -6~+6 の範囲で調整が出来るようになっています。
新型 CIVIC e:HEV に装備されている BOSE プレミアムサウンドシステムにおいて、狭義の意味の「音質の調整」として行なえるのは、実質これだけです。



4代目フィット e:HEV のギャザズナビの場合は、もっと細かな帯域ごとにレベル調整ができるイコライザー機能があったり、「Vocal/Rock/Jazz/詳細設定」のようにプリセットされたイコライザー設定の中から選べたりとか、もっと多彩な音質調整を行なうことができたのですが、
BOSE プレミアムサウンドシステムでは、高音/中音/低音 を±6でレベル調整できるだけです。

「お前ら素人に変にいじられるよりは、この方がいいんだよ」
「金を払って、このプレミアムなサウンドを聴け」

BOSE およびホンダとしては、いよいよもってそう言いたいのでしょうか(笑)


聴感上、最も影響が大きい設定項目は?

続く「② オーディオゾーン、Balance / Fader」は、音像のポジションを調整する設定項目で、純粋な意味での音質調整ではありませんが、結論から言いますと、この ② をいじることで、聴感上の音の良し悪しが大きく変わります。
「新型 CIVIC e:HEV 一ヵ月インプレッション」の記事で「期待外れだった」と書いたのは、
② の設定が適切でなかった(自分に合っていなかった)のが原因だったということです。

「② オーディオゾーン、Balance / Fader」をタップすると、別画面に飛びます。

・運転席
・前席
・全体
・後席

の4つから選択し、さらに前後左右にボタンで微調整できるようになっています。
↓の画像では、「全体」を選んでいるので、現在の音像ポジションを示すオレンジ色の●が、車内の前席と後席のちょうど真ん中あたりに位置する状態となっています。
(今現在は、② はこの設定で使用しています)



というかですね。。。。
こんな画面を出されたら、「運転席」を選べば一番いい音がすると、普通思うじゃないですか?
ドライバーの座ってる位置に音を集中させれば、いい音がすると思うじゃないですか?

② のデフォルト設定は「全体」なので、そのまま使っていれば良かったのですが、納車してからウキウキしつついろいろいじっているうちに、② の設定画面が出てきて、そこで「運転席」に変えてしまったのだろうと思われます。
「新型 CIVIC e:HEV 一ヵ月インプレッション」の記事で、BOSE プレミアムサウンドシステムの音が期待していたほどではなかったと書いたのは、おそらくこれが原因です。

② を「運転席」にした場合、確かに音像は運転席の位置に来ますが、音の広がりがなくなるのと、BOSE 自慢の重低音が弱まって、いい音だと感じる度合が下がります(自分の感想です)。
「前席」または「全体」にすれば、それが解消され、いい音だと感じるようになります。


その他の設定項目

残りの設定項目、「③ Bose Centerpoint」は、オン/オフのどちらかから選べて、オンにするとサラウンド音声への変換が行なわれて音の広がりが増す、というものです。
これについては、お好みでという感じでしょうか(わたしはオフで使用しています)。



「④ Bose Dynamic Speed Compensation」は、走行速度に応じて音量を自動調整できます。
BOSE 自慢の重低音をガンガンに響かせてノリノリだぜ、でも信号待ちで周囲に車がいるときは恥ずかしいのでボリュームを下げたい、そんな人には ④ の設定が重宝します。
車速に応じて音量を自動調整するレベルを設定できます(自動調整をオフにもできる)。
信号待ちで停車したら音量を自動で下げてくれ、発進するとまた自動で音量を上げてくれます。




再生可能な音源の種類

新型 CIVIC e:HEV の HONDA CONNECT ナビで再生可能な音源の種類は、以下です。
これらの音源を BOSE プレミアムサウンドシステムのプレミアムな音で聴くことができるわけですが、音源によっては若干の注意事項があります。

iPod/iPhone

USBケーブルで接続した iPod/iPhone の音楽を聴くことができます。ちなみに、iPhone は Bluetooth 接続および Apple CarPlay で繋いで音楽を聴くことも出来る筈だと思います。
わたしは iPhone を使っていないので、すいません、レビュー不可能です。

Android Auto

Android スマートフォンを繋いで、スマートフォンのアプリをナビ画面で使えるようにできる機能なので、スマートフォン側に入っている音楽再生アプリで音楽を聴ける筈と思います。
なお、取説には USB ケーブルで繋ぐ方法しか書かれていませんが、ナビの特殊操作で診断モードに入って Bluetooth 接続で使えるようにする裏技があるようです。
Android Auto は使ったことないので、すいませんがこれもレビュー不能です。

Apple CarPlay

Android Auto と同様に、Apple CarPlay で iPhone を繋ぐと iPhone 側のアプリがナビ画面で使えるようになるので、これで音楽も聴ける筈と思います。
こちらは USB 接続とワイヤレス接続の両方が可能なようです。
どのみち、わたしは iPhone 自体持っていないので、レビュー不能です。

Bluetooth

Walkman、Android スマートフォン、iPhone 等の機器を Bluetooth で繋いで、音楽を聴けます。
わたしは以前は専らこの方式で Walkman を繋いで音楽を聴いていたのですが、最近は MP3/FLAC の音源を入れた USB メモリを接続して聴く場合もあります。

(良い点)
  • Bluetooth 接続した機器の仕様によっては、ギャップレス再生が可能(例えば Walkman の場合、FLAC=ギャップレス再生可、MP3=ギャップレス再生不可)。ライブの音源を聴く場合にギャップレス再生は重宝します。
  • 選曲を Bluetooth 接続機器側の UI で行なえるので、ユーザビリティに優れる。

    (悪い点)
  • Bluetooth 接続した機器側のバッテリー残量を気にしないといけない。
  • アルバムカバーアートが表示されない。
  • USB メモリに比べて、音質が何となく劣る気がする(個人の感想)
  • Bose Dynamic Speed Compensation が効かない。 ←訂正します、効きます

  • USB デバイス

    USB メモリを接続し、その中に保存されている音源を聴くことが出来ます。
    再生可能な音源の種類としては、MP3/FLAC/WMA/AAC/PCM/WAVE と取説に記載があります。
    音源の他に、MP4 や AVI 等の動画を再生することも出来るようです。

    (良い点)
  • アルバムカバーアートが表示される(但し表示画質はジャギーで違和感ありですが。。。)
  • Bluetooth 接続に比べて、音質が何となく勝っている気がする(個人の感想)

    (悪い点)
  • MP3/FLAC しか確認していないですが、ギャップレス再生は不可です。ちなみにギャップ時間は MP3 の方が FLAC よりも若干短くなっているようです。
  • ユーザービリティはお世辞にも良いとは言えません(ナビ画面を操作し、テキストベースのリストをスクロールして選曲しないといけない)

  • 以上書きましたように、新型 CIVIC e:HEV に乗るようになってからは、Bluetooth Walkman または USB メモリで音楽を聴いています。
    旧愛車の 4代目フィット e:HEV の頃は Bluetooth Walkman 一択だったのですが、新型 CIVIC e:HEV の BOSE プレミアムサウンドシステムで聴くと、USB メモリに入れた音源の方が何となく良い音で聴ける気がするので、ギャップレス再生が出来ないことには目を瞑って最近は USB メモリで音楽を聴くことの方が多い状況です。


    ぶっちゃけ、どうなのか?

    以上、書いてきましたように、当初は何かいまいちだなと感じていた BOSE プレミアムサウンドシステムですが、② の設定を「運転席」から「全体」に変えたことで、期待通りの良い音を聴かせてくれるようになりました。

    ぶっちゃけ、音は素晴らしいの一言です。
    重低音のよく効いたサウンドは、やっぱりいいですよね。

    馴染みのアルバムや曲を、思いがけず素晴らしい音で聴けるので、飽きません。
    買ってはみたものの(その時は)あまり面白くなくて、埋もれてしまっていたCDが、素晴らしいプレミアムサウンドで再生・復刻されるのも、とても楽しいです。
    ライブの音源がとてもいい音で聴けることを発見したのも収穫です。

    iTunes で購入したり、CD からバックアップした音源が大量にたまっている人は、シビックに持ち込んで、ドライブしながら流し聞きすることをお薦めします。
    忘れていた懐かしい曲と、新鮮な再会をきっと果たすことができるでしょう。

    BOSE プレミアムサウンドシステムは、「爽快シビック」を強力にバックアップする、
    きわめて高付加価値な文字通りのプレミアムな装備である、そう思います。
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