たぶん、僕はきっと 最後まで このままずっと 傍観者なのだろう。
このまま生きて、このまま死ぬのだろう。
僕は自分の人生に対して無責任だし
まるで努力しようとしないし、
何が正しいのかもよくわからない。
たぶん、このままずっと
なにがなんなのかわからないまま、
ただひたすらに見つめ続けるだけなのだろう。
でも、だからこそ
こんな僕だからこそ
せめて、自分の意志で死にたいと思った。
例えそれが、誰かに仕組まれた、
死を誘発するような、甘い囁きに過ぎないとしても、
それでも僕は、こんな世界でぬるく生きるよりも
自分の力だけで、
死んでいきたいと思った。
思えばおかしな妄想だ。
生きている間じゅう、ただひたすらに、
じっと自分の死を見つめ続けているというのも。
じゃぁ、死んでから、幽霊になってから、
後悔しながらこの世界を現世として見下ろして眺めるというのか?
たぶん、そんなこともないだろう。
幽霊にもならない。
振り返りもしない。
見守ったりもしない。
生まれ変わったりもしない。
ただ、現実の中で、
君たちが現実と呼ぶ世界の中で、
僕は溶けて忘れられていく曖昧な思い出になっていく。
そのことを、もはや恥ずかしいとも、情けないとも思わない。
悔しいとすら、僕は思わない。
僕は精一杯生きることなどできない。
そんなこと、はじめから望んでいない。
生まれたときからずっと、不完全な命であることに怯えてきた。
そのことが、僕には決しておかしなことだと思えない。
生きることは、あまりにも僕の中で恐ろしすぎる。
何かを決めることよりも、
何かを迷うことよりも、
この場に在り続けてしまうということが、
その罪の意識が、僕を縛り、僕を殺し、僕を騙し続ける。
まるで僕が生きているかのように、
死体である僕に、
僕は生きているよ、と囁き続ける。
けれど。
けれど決して。
僕の意志は、この世界には、まるで反映されない。
僕の力では、僕の意識では、僕の起こそうとする波紋では、
決して誰にも、誰の心にも、誰の世界にも、
光は届かない。
そのことを。
僕はずっと、
誰よりも。
なによりも、
僕だけが、
僕のことを。
おもしろいほどに、
知り過ぎている。
僕はだめだ。
僕は君たちとは違う。
だめだよ。
もう、なにもできないよ。
もう会えないよ。
もう憶えられないよ。
もう感じられないよ。
この世界のことを、決して刻むことができないよ。
忘れられることが、
忘れることが、
痛がり続ける事が、
寂しいことだって、
僕も、少しだけ、知っているけれど。
でもだめだ。
僕にはもう、理由と同じ重さの、
未来が見つからない。
それはつまり、
僕にとって、
君たちはおもしろいほどに、
死んでいると、
そういうことなんだ。
君たちは僕の背景だ。
君たちは僕の過去だ。
君たちは僕の壁だ。
君たちがいる限り、僕は生きられない。
そして僕は、君たちを選ぶよ。
僕が死のう。
中心こそが、消失するべきだよ。
ブラックホールこそが、
無くなるべきなんだ。
すべからく遠い未来なんてない。
どんな未来も、僕の手の内にある。
どんな未来も、もう僕のまじかにある。
総てが黒い未来だから。
全てが死に絶える他者だから。
何もかもが無くなる世界だから。
だから僕は、この世界と共に消えよう。
なによりも深い、はてしなく広がる宇宙へ向けて、
無意識に身をゆだねるように。
このまま生きて、このまま死ぬのだろう。
僕は自分の人生に対して無責任だし
まるで努力しようとしないし、
何が正しいのかもよくわからない。
たぶん、このままずっと
なにがなんなのかわからないまま、
ただひたすらに見つめ続けるだけなのだろう。
でも、だからこそ
こんな僕だからこそ
せめて、自分の意志で死にたいと思った。
例えそれが、誰かに仕組まれた、
死を誘発するような、甘い囁きに過ぎないとしても、
それでも僕は、こんな世界でぬるく生きるよりも
自分の力だけで、
死んでいきたいと思った。
思えばおかしな妄想だ。
生きている間じゅう、ただひたすらに、
じっと自分の死を見つめ続けているというのも。
じゃぁ、死んでから、幽霊になってから、
後悔しながらこの世界を現世として見下ろして眺めるというのか?
たぶん、そんなこともないだろう。
幽霊にもならない。
振り返りもしない。
見守ったりもしない。
生まれ変わったりもしない。
ただ、現実の中で、
君たちが現実と呼ぶ世界の中で、
僕は溶けて忘れられていく曖昧な思い出になっていく。
そのことを、もはや恥ずかしいとも、情けないとも思わない。
悔しいとすら、僕は思わない。
僕は精一杯生きることなどできない。
そんなこと、はじめから望んでいない。
生まれたときからずっと、不完全な命であることに怯えてきた。
そのことが、僕には決しておかしなことだと思えない。
生きることは、あまりにも僕の中で恐ろしすぎる。
何かを決めることよりも、
何かを迷うことよりも、
この場に在り続けてしまうということが、
その罪の意識が、僕を縛り、僕を殺し、僕を騙し続ける。
まるで僕が生きているかのように、
死体である僕に、
僕は生きているよ、と囁き続ける。
けれど。
けれど決して。
僕の意志は、この世界には、まるで反映されない。
僕の力では、僕の意識では、僕の起こそうとする波紋では、
決して誰にも、誰の心にも、誰の世界にも、
光は届かない。
そのことを。
僕はずっと、
誰よりも。
なによりも、
僕だけが、
僕のことを。
おもしろいほどに、
知り過ぎている。
僕はだめだ。
僕は君たちとは違う。
だめだよ。
もう、なにもできないよ。
もう会えないよ。
もう憶えられないよ。
もう感じられないよ。
この世界のことを、決して刻むことができないよ。
忘れられることが、
忘れることが、
痛がり続ける事が、
寂しいことだって、
僕も、少しだけ、知っているけれど。
でもだめだ。
僕にはもう、理由と同じ重さの、
未来が見つからない。
それはつまり、
僕にとって、
君たちはおもしろいほどに、
死んでいると、
そういうことなんだ。
君たちは僕の背景だ。
君たちは僕の過去だ。
君たちは僕の壁だ。
君たちがいる限り、僕は生きられない。
そして僕は、君たちを選ぶよ。
僕が死のう。
中心こそが、消失するべきだよ。
ブラックホールこそが、
無くなるべきなんだ。
すべからく遠い未来なんてない。
どんな未来も、僕の手の内にある。
どんな未来も、もう僕のまじかにある。
総てが黒い未来だから。
全てが死に絶える他者だから。
何もかもが無くなる世界だから。
だから僕は、この世界と共に消えよう。
なによりも深い、はてしなく広がる宇宙へ向けて、
無意識に身をゆだねるように。