嘘の吐き方(うそのつきかた)

人はみんな嘘をついていると思います。僕もそうです。このページが嘘を吐き突き続ける人達のヒントになれば幸いです。

BLOG FRIENDSについて考えたこと

2006年11月27日 19時17分20秒 | Weblog
結局僕はあの低俗な同人誌の存在を許すことができないし、
あの本のために何かを頑張ろうという気はもう全然湧いてこなくなった。

ゲンさんが言ってくれた
>自分が不幸な理由を人のせいにして、人生をフイにするのも簡単な話で、心痛は察するけど前向きに行こう!!
>人生っていうやつぁ、人生を自分の手に取り戻す旅のことをいうんだぜ?(よくわかんねぇなw
という声のかけかたや

jumpさんの言ってくれた
>現状のBF4は頒布すべきではないという考えは変わっていません。
>残った本は関係者それぞれが物理的にも精神的にも「重み」として
>分担して保管すればいいのではないかと思います。
>そしてそれは決して世に出さないという事ではなく
>完全版として必ず再出版をするというモチベーションに繋げていかねばならず
>そのためにもBF5であったりその他のアイデアを出し合って
>痛みを抱えつつ前に進むという道もあったのではないかと考えるからです。

という冷静(?)で(?)個人的な意見については
なかなか有難いと思った。

僕は誰かにブレーキをかけられる事を嫌う。
たぶん、頒布を強行した人たちのそれにも、何か通じるものはあるだろう。
だけど僕はあの複雑な事情について、しっかりとした答えを出すことはできなかった。
また、成功へ向けて舵をきることもできなかった。

僕は僕自身がBF4開始当初からあまり前向きで無かった事を憶えています。
それゆえに、自分の書いた作品に対して、あまり熱を注ぐことができなかった。
それに対して、魔女さんの下書きを読んで泣いたという話には
半分煮えた怒りのようなものが沸き立ってきます。
「冗談じゃない、やめてくれ!」と。

そして編集サイドが確認を怠ったと同時に、
僕自身も確認を怠っているという事実は消せません。

それは元々は責任の話ではないんです。
BLOG FRIENDSに対する熱意の問題だったんです。
だから僕はみんなに対して、複雑な問いを投げかけました。
ずっと心を押し殺すように、意味不明でどん底のような意見を言い続けました。

それに対するみんなの反応はじつに様々でした。
反省して次の一歩を踏み出した人も居れば、
誤解を抱えて立ち往生した人もいるでしょう。
その事自体は、僕がかけた迷惑に対する情動として、理解できる部分ももちろんあります。

けれど僕がなによりも許せないのは、作品の完成度に対するみんなの意識の低さです。
もはや危機的状況だと言ってもいい。
本を作品だと思う人間には、印刷ミスを許容して欲しくない。
利益が作品だと思う人間には、赤字を許容して欲しくない。
文章が作品だと思う人間には、誤字脱字を許容して欲しくない。

君達になんらかのプロ意識があるのなら、
僕の作品としての完成度の低さをまず指摘すべきだったと思う。
掲載された下書き作品も、締め切り寸前に提出された縦書きの文章も、
どちらも完成された作品ではなかった。
それは校正作業を繰り返すたびに洗練されるという意味ではなく、
想いの全てを書き込んだものではなかった。
そしてまた、それらの品質を上げていこうという、僕らの気概が何よりも足りていなかった。
その事に対する怒りを、僕はまだ君達に伝えきっていません。

僕がBF4をもっとも嫌う理由のひとつは、
それが妥協によって作られた連続性の欠片であることを、
僕が知りすぎていることです。

あなたたちにとって、本はどこまでが本で、
そして自分の仕事はどこまでが仕事で、
自分の思いをどこまで反映すれば、
本を作ったと言えるのですか?

僕はこのことに対する、明確な答えをまだ持ち合わせていません。
ハッキリと断言できますが、
僕は文芸や著作権の類で食っていこうという生ぬるい業が、
決意の形で硬質化されていません。

それが読者に対する礼を欠いたことに繋がっているならば、
僕は本を出すべきではない。

また、僕が僕の拘りを徹底して作品を作り上げていくならば、
僕は話し合いなどすべきではない。
一人で、黙々と、自分の世界に没頭して一冊の本を完成させていくべきだと思う。

それゆえに、あの本はやはり君達との共同作業だったと思っています。
あの本は、君達の力が無ければ作られなかった。

僕は君達と歯車を合わせることはできなかった。
それゆえに、自分の力を出し切ることもできなかった。
また、思っている意見の全てを言うことすらできなかった。
それは残念でなりません。
たったひとりの時間でさえ、思ったことの全てを書き留める事ができないのに、
誰かと協力して言葉を紡いでいこうなんて、
もともとおかしな試みだったのかもしれない。

けどまぁ、あの本は理由はどうあれ作られてしまった。
僕がそれを焼かれる事を望もうが祈ろうが、
既に僕の手を離れてしまった本でもある。
なんという無責任さだと批判する考え方もあるだろう。
そして、根本的におかしいと、理解できない人もいるだろう。

けれど、ぼくは、
あのとき読者へ向けて書いた手紙はゴミ箱へ捨てられたと感じた。
僕は何度でも汚い活字の死体を組み立てて、
昔はこれが生きていたんだと説得して回る詐欺師のような事をしていた。
なにひとつ、あそこから新しい言葉は生まれなかった。

もうおしまいなんだよ。
君達は信用できない。
君たちは、言霊を伝える糸にはならない。
僕の怒りに震える握った爪の音も、君たちには聞こえていないだろう。

恨み言?呪いごと?まよいごと?

どんな罵りで蔑んだっていい。
どんな美辞麗句で飾り立ててもいい。
けれど刻んだ心は消えない。
痛みの記憶は、ぬぐってもぬぐっても透明にならない。
どんなに瞳に水をかけても濁った土が沈んでいく。

涙で洗うことはできないんだよ。
僕の汚い嘆きは。

弱さを隠さずに書いたけど、
気持ちはすっきりしないね。

次に僕が君に会ったとき、僕は瞳の奥に何を見るんだろう。
僕は君の前で、どんなことを言うんだろう