嘘の吐き方(うそのつきかた)

人はみんな嘘をついていると思います。僕もそうです。このページが嘘を吐き突き続ける人達のヒントになれば幸いです。

新しい人、あたらしいことば、そして恐怖。

2006年11月09日 05時47分39秒 | 駄文(詩とは呼べない)
人が怖いと感じる事のひとつに、
書き言葉と話し言葉の強制的な一致圧力というのが浸透してるような気がする。
「その言葉の使い方は間違ってる」とか
「その字は違う」とか
「その言葉はそんな意味じゃない」とか
基本的には「正しい日本語を使え。」という大人、もしくは教育的圧力なのだけれども。

基本的に、話し言葉と書き言葉はルーツの違うものであったのだと思う。
もちろん、歴史的事実について調べれば色々と情報は出てくるのだが
僕はその頃のことをよくしらんので
「説得力を持った仮説」程度にしか捉えていない。

そもそも何が問題かと言うと
言葉によるコミュニケーションが図れないというのは
主に正確な同期をとることができず、
社会という巨大な集団の中で歯車が回らないという
いたって人類的な圧力の中にあって
それは正直さというものがある種の記号の中においては
必ず嘘として表出するということでもある。

もしも、全ての人間が全く違う言葉を話し、
全員が自閉症だったらどうかと考えると、
それはなかなかにおもしろおかしく、おそろしいせかいで
じつのところ、うまく想像ができない。

それは多分、「人間」というものの喪失であって
人が個性を取り戻すことにはならない。

今、人類にとって大事な事が平和だと説く人間が居ても、
僕はその人間を信用しない。
そしてまた、人類が存続するために戦争は必ず必要なんだと叫ぶ輩が居たとしても、
僕は傍観者のようにアホらしく眺めるだけだと思う。

問題はイメージにあって、
戦争は簡単に過去の映像データからイメージすることができるけれど、
平和は見たことがないのであまりにもバラバラな幻想でありすぎること。

そしてまた、自由という名の、恐怖によって提出されたバンガドームが
ある種のセンチメンタリズムの中でパラノイアとして、
プロパガンダとして、白旗として、
精気を失った人間を串刺しにするからである。

なぜなら。

ひとりのにんげんがこきゅうによってはっせいさせる音は
それぞれの異なる空間位置から共鳴的に発せられ、
ふたりのにんげんがこきゅうによっておどりくるう会話は
それぞれの異なる意味で生まれつきずっと誤解され続けてきたからである。

僕はこのことを、ずいぶんと長い間、孤独とか、精神性とか、心の問題と勘違いしてたような気がする。

動物の言葉をわかったふりして誤解し続けて怒る人間は見たことがない。
しかし何故か、人の言葉にだけ、反応し、怒る人間がいる。
そしてまた、僕もその中の一人。
そしてまた、独りぼっちのかけちがった電話。

もう一度、自分だけの幻聴に耳をすませたいと驚く。
振動する、波長が語る、幻覚が述べる。

もういちど、赤ん坊の言葉を取り戻す事ができたのなら、
そのとき僕等は、おどろくほど、あたらしい言葉を手にするだろう。

忘れそうな世界の匂いの中で。

2006年11月09日 02時33分43秒 | 駄文(詩とは呼べない)
言葉を受け取ってばかり、飲み込んでばかり、読んでばかり、
吐き出すことを知らず、書き込むことをできず、
そしてまた、ふるわせること、できず。

言霊を受け入れるばかり、聞くばかり、見るばかり、
言霊を伝えること叶わず、ゆらすことあたわず、見送ること、かしわず。

ほうえんの、遠くへゆく流れ雲が
ただ風の去りゆくがごとく
峠の向こうへ越えて
ゆらゆらと、
ひもといてゆく。

空気の叫びが、
僕の雷が、
絶望する心臓が、

未来へと、明日へと、他人へと、
受け渡されてゆく。

僕の心臓はもうない。
僕の心はもうない。

僕の言葉もまた、ここには居ない。


ふと、ひとかけらの世界が落ちてきて。
僕はふいっと世界をのぞき込む。
その落ちてゆく先に、煉獄のような、幸せな祈りが。

珍しいものを飲んで、
酒の書いたいびきのような雲が、
ひとかけらの世界から、
夕闇を作り始める。

「遠く」
とおくとおく

「とおく」
とーくと=く。

明日の太陽が、沈んでゆく夕日の中で、
黄昏という時を見て、
終わりについて考える。

今、僕の心は、まさにバラバラの体に宿る。
痛みを知らず、
感覚を知らず、
そしてまた、君をまだ、知らない。

終わりのような赤色がやってきて
夕日の言葉を赤く染める。

情景は、色鮮やかに、向こう側からやってくる。
君の側から、僕の元へ。

明日、遠い世界の中で、
永遠に近い、僕たちの夢を見るから、
今日は、現実のいろりの中で、
ただ寒そうな一瞬を夢見る。
僕等はもう、現実のゆりかごの中で、もう何年もこうして生まれずにいる。
そのことは、君と関係あるだろうか?
僕と関係あるだろうか?
世界と関係あるだろうか?

別々の、ことだろうか?

遠い世界も、
君の世界も、
夢の世界も、
僕の世界も、
現実の世界も、

すべて、うつつをぬかした、
神々の罠のような夕闇だろうか?

一滴の雫が落ちる「ポチャン」という響きの音で
ハッと目を覚ます。
現実の、
誰もいない現実の、
色濃い灰色が甦る。

鮮やかな喪失色の中で、
僕は痛みを思い出す。

そういえば、僕は生きている。
そういえば、僕は死んだ。

ただ、それだけのことを、いつもいつも、願うようにふるえている。