嘘の吐き方(うそのつきかた)

人はみんな嘘をついていると思います。僕もそうです。このページが嘘を吐き突き続ける人達のヒントになれば幸いです。

額に押された罪の指紋、胸に押された不合格の烙印。

2007年04月13日 17時42分53秒 | 駄文(詩とは呼べない)
自分を、人を、見捨ててしまいたいと思ってるのは
常に自分だと思う。
もっと言えば、細胞社会で出来たフレームの中で
自意識が手に届くすべてのものを見捨てたいと思っている。
たぶん、自意識の中にも、標準語や国語を見捨てたいと思ってる何かがあって
もっと探っていけば、結局は知っているもの、
世界の輪郭を形作るもの、それらのすべてを見捨てて切り離してしまいたいと願う
堕落やものぐさの神が居るような感じ。

引力を、起こしたくないと思っている何か
塞ぎ込んでいる壁をすべて取っ払って、自分の原型を無くしてしまいたいと思う心
たぶん、普通は弱さと呼ぶんだと思うけど
僕は、そういう崩壊と放射を結びつける何か、
核分裂のような汚れかけたなにか、
そこにも、オリジンは宿っている気がする。

「諦めない」という現象は
物理的には何を指し示すだろうか。
引力の維持じゃないだろうか。
僕は、自分の引力を保持するために、いったい何をしているだろう?
僕は、自分の力で何かしているだろうか?
たぶん、何もしていない。
ただ、どうしようもなく何もせず、
痛みや失敗や知識に怯えながら暮らしている。

泳ぐ練習さえしていない。
水に飛び込む勇気もない。
それでいて、主張には遠慮を持たせない。
この歪みは、たぶん僕が、生の牢獄の中で、
自由を持たず、意志を持たず、すべてを拒否していく中で、
周り中から圧力を受け取っている波から来ている。

もし、僕が何かを主張することをやめ、
すべてを諦め、何の希望も理想も持たず、
何かを突き崩す事をやめたなら、
僕には、何の圧力も生じなくなるのだろうか?
あらゆる知的な現象は、閉衡し、断絶し、無痛の闇がどんよりと立ちあらわれるだろうか?

僕が光る事をやめたなら、
天空の星々は全部真っ黒に染まり、
ここはブラックホールへと変わるだろうか?

僕はそうは思わない。

やっぱり、そこいら中には迷惑なほどまばゆい光があって、
どうしようもないほど、何かをめがけて痛みは降り注ぐのだと思う。
たとえそれが夢のような淡いかたちで浮かんできたとしても
僕らはやっぱり、夢を苦痛だと感じるほどに消耗すると思うのだ。

今朝、努力できない夢を見た。
烙印を押されるような、生への不合格を差し出されるような夢を見た。
それは押しつけとは少し違って、
まるで僕が望んでいる事を隠しているかのような夢だった。
絶望のバリアで、不可能の障壁で、自分の負けを認めないような夢だった。
悔しさと悲しさと弱さの中間にあるような鈍い痛みに似ていて
触覚の気配とも幽霊の実感とも似ていた。

僕は。
まるで誰かが、不合格を僕に叩きつけてくれるのを
ずっと待っているかのような
そんな無力な牢獄にいると思う。

その、意志の薄弱障害のような奇形さは、
腐敗していく社会の中で、
まるで象徴であるかのようなもてはやされ方をする時も来るだろう。

だけど。
だけど決して。
人は人を救わない。

それだけは、知ってる。

なぜなら。
僕が、人を救わない。
そして、人を救えない。
能力も無いけれど、僕は、人を救う気が無い。
烙印を押す気も無い。
ただ、僕はみつめていると思う。
じっとそれを観察しながら、さらさらと消えゆく砂の数を数えながら
世界の形をみつめると思う。

それは、標準とか普通とか普遍とかいわれる世界からは、
きっと遠くかけ離れていて
きっと誰も触れることのできない宇宙の遙か彼方にある心だと思う。

僕は自分の死を見つめながら
死んでいく宇宙の砂を数える
その砂の残りだけをさらさらと数えながら
僕は、目を閉じてゆく

ゆっくりと、目を閉じてゆく

誰からも、罪が失くなるように。