嘘の吐き方(うそのつきかた)

人はみんな嘘をついていると思います。僕もそうです。このページが嘘を吐き突き続ける人達のヒントになれば幸いです。

服の色、部屋の色、ボクの色

2007年04月14日 17時18分50秒 | 駄文(詩とは呼べない)
服を脱ごうとして、裸になることにためらいを感じ、靴下だけ脱いだ。
圧迫されていた何かが、少しだけ解放されたようで
晴れてすっきりとした空に近い感情が込み上げた。

うでのすそにあるボタンを外し
やわらかさを想像してみた
リラックスはできなかった。

両手を挙げて、犬のような背のびをしてみた
窮屈そうな、それでいてのびのびとした。
偶然、ボタンが落ちたような気がした。

カーテンを締めて、赤く通り抜けた陽光で部屋を照らした
雲を見ることは出来ないが、今日を見ることができるように思えた。
そういえば、ここに誰もいない。

ほんの少し、いつもよりいっぽよぶんにふみだせば
足が、その足がすくんで、心の中で一歩踏み出す
だけど多分、踏み出したのは頭の中の一歩だった。

青い空を、みぎ目とひだり目でみた
昼の空から受け取った写真なのに
その遠近感には、まるで夜が映し出されているような気がする
上や下の世界で、僕の隣がきりきりと痛んだ。

わすれていた。

誰かと出会うことの喜びさえも

むげにひろげた宇宙は、ただもう闇ばかりが大きくて 黒ばかりが広かった
よこしまな感情を抱きながら、今日の空を眺めようとした。
僕たちと呼んで。それを、ぼくたちとよんで。

君を取り囲む世界は、僕と同じでずっとひとりだった。
ただ激しく、誰かを求めた分だけ、君が代わりに傷ついた。
同じ痛みを持っている気がして、僕は君を手に入れようとした。

それが、最初の間違い。

赤いカーテンは今日も揺れる
風もないのに
僕の部屋で今日を揺らしている
ボクの部屋に、現実を投げかける赤いカーテン
写真と一緒に手紙を届ける、赤いカーテン
ベッドも揺れた。

だけど、なんの音もしなかった。

廊下を挟んで向こう側にある旧校舎は、
ずっとボクが待ち焦がれている記憶で
その記憶の階段を一段ずつのぼって、
ボクは首を吊る場所を君の景色から探す
ありそうもない場所から
茶色く染み渡った閑静な住宅街の夕日の匂いがする

その赤い光が茶色い写真からこぼれてひいて、
ボクのカーテンをゆらす

結局ボクは、この部屋にいる
明日もたぶん泣いている
今日も多分ないていた
それを慰めもしない、僕らの間にある赤いカーテン

せめて、歴史が本当にあったのなら、
僕は君たちの事を忘れられる

それが恋しくて
それが悲しくて
僕は、部屋をどうしても四角く切らずには居られない。

もし、景色が僕の遠くから過ぎ去って
記憶も忘れないほど近くにあって
現実も、触れることができるほど、この世界にあったのなら

僕のこの部屋は、だれのために、存在を許される?
ただ、そのカーテンをゆらすために、ぼくの部屋があるのか?

NOは言わない。YESも言わない。
だれも答えを言わない。

それが、僕らの世界にある約束。

胸の奥で、新しい景色が、今をほしがるように
それにふれたくてあがくように、うごめいていた。

だれもいない部屋からの景色を
なにもない外の風景を
待ち焦がれて、嘘の景色はそこを包んでいた

目が、覚めたのなら
ぼくの部屋で死んでいけ。

赤いカーテン
         赤いカーテン
 ぼくの部屋で

真っ赤に染まれ。