嘘の吐き方(うそのつきかた)

人はみんな嘘をついていると思います。僕もそうです。このページが嘘を吐き突き続ける人達のヒントになれば幸いです。

遙か遠くに輝く神様を殺すための曲

2007年07月05日 11時36分05秒 | 駄文(詩とは呼べない)
強い虚数の重力を持つ者は
どんなに苦しくても、高く、誰よりも高くプライドを掲げねばならない。
例え才能に見合わない、能力に見合わない、現状に見合わないプライドであったとしても、
ほんの数%でも可能性がある限り、常に自分を誰よりも高い位置に置かなければならない。

能力に見合うだけの今日しか与えられていなかったら、
そうしたら、周り中にある全てのものを受け入れたり肯定したりしながら
なんとなくなま暖かい豊かな生の希望に浸っていられるんだろうか?
羊水と同じくらい、そこには明日への希望が溢れているんだろうか?

だとしたら、それは羨ましいという感覚に一番近いのかもしれない。

けれどたぶん、夢を見ているだけの胎児と
きっと本質は何にも変わらないんだろうな。

ただ、そこに目に映っているものを、
美しいと思えるか、楽しいと思えるか、すばらしいと思えるか、
そうした捉え方だけが違って、
例えばそこにある誰かの指を、ずっと信じてぎゅっと握っていられるような
そんな赤子のような瞳をしているんだろうな。

僕は何にも背負っていないはずなのに
いつも何か重いものを背負っているような
とてつもなく重い黒い羽が羽ばたいているような
そんな邪悪な才能の萌芽を
いつもいつも感じているのは何故なんだろうな。

だれもなにも、僕なんかには期待してないはずなのに
そして誰の存在も、僕は認めていないはずなのに
それでもまだ、
未練がましく一歩一歩、自殺の頂点へ
高い高いうてなの階段を
僕は何かを積み上げて

ずっと無駄な事だけを、
何の役にも立たないはったりのような虚構だけを
質のない空っぽな人道を
わらじをはいたゆきうさぎのように

白い綿毛をふるわせて
孤独がまだなにかを知らないかのような声で
黙って鳴いて。

きぃきぃと風を揺らして
そうやってふるえて

またありもしない明日へ一歩一歩。
矛盾の拡大を。

すべての矛盾を整合させたとき、
首がずれてぽたりと。

白い毛がしたたるように。

きゅぅっととぎれて。

かちんカチンかちん。

ぎっぎっぎっ


なんでなんだろうな。
すこしかなしい。

ぼくはすこし哀しいよ。

なんでなんだろうな。

ぼくはずっと悲しいよ。

たぶん、きっと、想像に過ぎないけれど
きっと、たぶん、みんなが言うような、
当たり前の悲しさと同じ。

きっと僕の最後の悲しさは、
みんながふだん、なんとなく思ってるような
なんとなく感じてるような
しょうもない、ちっぽけな哀しみと同じ。

泣きたいときに、泣けないから苦しいのかな。

触れたいときに、そばに何もないから悲しいのかな。

生まれる前に、そこに意志が何もないから悲しいのかな。

生はどうして、いつもこんなにも抜け殻の魂を圧縮したような形なのかな。

わからないよ。

みんなみんな、ぼくにはわからないよ。


愛のない家が壊れて
みんな瓦礫に埋まって燃え尽きても
黒い炎に包まれて燻され焦げても

たぶん僕は悲しまない。

魂の無い人形が、生きてるフリしてぜんまいで動いていても
たぶん、僕は話しかける。
ずっとひとりでおしゃべりしてる。

それがふたりだとかひとりだとか、
そんなことは話してる間は関係ない。

【話し終わった後で】

「話が途絶えた後で」

話が消えた後で。

あぁ,そうか、やっぱりひとりなんだな、って。

ずっと僕は、鏡と会話してたんだなぁあ、って。

きみはいつも、やっぱり僕の空想した未来のしもべで。

だからきみは。ぼくのことを、僕って言うんだろうな。
未来の僕。

うてなの景色はどうだい?

そこで吹く風はきれい?

生きているフリの僕はどう見える?

きみには、生きている生き物が見えるかい?

きみはいま、そこに何かと一緒にいるかい?

僕はやっぱり、君の空想のまま、自分で僕を忘れるよ。

ひとしきりしゃべったあとで、
かぜに消えるのが音の定めで
それが声の形で

声が音になって 音が風になって 風はやがてやんでしまう。

それでいいんじゃないのかな。

窓からなにか見えますか?

その窓を開く手は、いまの君の腕の先に、肩の先に、きちんと繋がっていますか?
誰かと握手をするとき、その手の先には、空想と違いすぎる
絶望的に美しい風景が広がっていますか?


帰ろう。

愛のない家に帰ろう。

あの場所へ帰ろう。

僕は最初からそこにいた。

手をぎゅっと開いたり閉じたりして
まだ何か、繋がってるのかもしれないって
そんな夢を見てる。

痛みの鈍い夢も、痛みの強烈な夢も、
その夢もこの夢も、みんないっしょのおっきな夢。

いつもみんなが眠ってる
いつもリアルは眠ってる。
誰かが起きるまで、この世界はずっと眠ってる。

もしも今。
君が僕を記憶の中で殺すことが出来たなら。

ずっと過去に溯って。
僕の首をきみがぎゅっと絞めたなら

僕はまるで君を、
この世界に輝く本物のリアルのように。

刻むことが出来たのかな。


約束はいつもずっと遠い過去と未来にあるね。
誰も触れられない星の瞬きのように
いつもずっと遠くにあるね。

永遠の誓いの中で
僕はただ、自分が産まれる夢を見た。

神話が生まれる前にも誰かが居た。

2007年07月05日 07時58分59秒 | 駄文(詩とは呼べない)
がらんどう からっぽ
僕の後ろ足を誘うために

けむくじゃら こくとういろ
僕の質を高めるために

スポンジ 殻で吸い込んで出来た
僕の、骨の色をした、スポンジ

輪郭のない、色だけのお化けがやってきて
僕の肉をむしゃむしゃ食べる
僕のお化けがやってきて、
僕の耳の「色」を囓る。
耳から色がぬけて みみ にぬける

みみがくわれる。
ぼくがくわれる
おとがくわれる

がらんどう からっぽ
僕の後ろ足を踏むために

がらんどう からっぽ
僕の影を舐めるために

がらっぽ からっぽがらっぽ
抜け殻の、せむしの格好をしたお化けが僕を食べる

からからから。
けらけらけら。
がらがらがら。
げらげらげら。

やめないで。

やめて!

やめないで

やめて

止めないで!

止めて。

やめてやめてやめて。

がらがらがら。

がらがらがら。

ガラガラガラ

僕の輪郭が食われる

僕が壊れる 僕が壊れる!

たすけて。
助けて助けて助けて

だれもいないのに
ここには誰もいないのに!

がらがらがら。
がらがらがら。

本当は、知ってるんだろう?
なにもないって。
最初からなにもないって。

がらがらがら。
笑い声の音。

がらがらがら。
けむくじゃらの音。

がらがらがら。
せむしのあるく音。

がらがらがら。
僕をピーマンに変える。

がらがらがら。

たべないでくれよ。

がらがらがら。

ピーマンを食べないでくれよ。

がらがらがら。
ぼくをたべないでくれよ。

がらがらがら。
ぼくはすでにいない。


そういえば。
思い出した。
小さい頃、僕は死んだ。

そういえば。
思い出した日があった。
ずっと前から続いてる
未来を思い出した日があった。

がらがらがら。

変な音が聞こえる。

たすけなんて、聞こえない。

がらがらがら。

こすもとぼくと、きみのこえ。

がらがらがら。

ぼくらの墓が消える音。

けらけらけら。

幽霊はそこで笑う

ぼくはどっち。

ぼくはどっち。

僕は本当はどっち?―?―?

首を絞めて殺したい。

僕の首を絞めて、僕の幽霊を殺したい。

ぼくはどっち?

ぼくはどっち?

答えて!ぼくはどっち?

煙を吸い込んで、砂利がざりざり駆け回る。
時の砂を飲んで、悪魔が人間の数を数える。

壊れる、死ぬ、全部僕の姿。
全部僕の形、全部全部、僕の生まれ変わった形。

げらげらげら。
指を指して笑うのも僕。

怖い。
ここはどこ。

すきま風が吹いて、僕の身体から魂がこぼれる。
しっかりと思い込んだはずなのに。
重力を信じたはずなのに。

からからから。

風の吹くような耳声がする。


もっと張り付いた声で
もっと粘りつく高音で
もっとどうしようもない金切り声だったはずだ。

縛り付けるような高い耳鳴りで
激痛が走るような存在感だったはずだ。

こわい。
僕が透明になりかけている。

たすけてもらうことは無理だ。

外からじゃ、僕を引っ張れない。

内側はどこへいった?
内側はどこへいった?
内側の中身はどこへいった?

僕の引力はどこへ?
僕の重力はどこへ?
僕の始まりの無宙はどこへ???

無視することはできた。
どんな悪意も、背景も、色も、輪郭も、形も、
無視する事はできた。

僕の失敗だ。
僕のミスだ。
僕が生命をしくじった。

誰も責めない
誰も恨まない
だけど誰も生まれない。

どうしよう。
もう駄目だ。
どうしよう。

もういちど、ブラックホールを造り直さなくちゃいけない。
全員殺して、僕は居ないフリをし続けなくちゃいけない。
何億年も、何億年も、僕は空っぽで居ないフリをしなくちゃいけない。

神。
そうか。
忘れてた。

神を作るのを、最初から、忘れていた。