「私、いくつに見えますか？」

先日、閉店時間４０分前にお客様がいらっしゃいました。

「これ、良いわよね～。着てみていい？」と。
「どうぞ、試着なさってくださいませ」と、私。

２～３点持ち込んで、試着されて、私を呼びます。

「ね、変じゃない？　どう、良いかな・・・」と。

私、買って欲しい気持ち半分と、冷やかしなら、とっとと帰って欲しいきもち半分でした。

と言うのも、なかなか自分で決められない感じで、
「どう？どう、似合う？」とか、結構、しつこく聞いてくるのです。

見た感じ、私より年上で、オバサン的な格好です。

試着された洋服と顔とが・・・。
また、チュニックを試着されたんだけど、
着ていらしたパンツが、学生の体育用のハーフパンツだったので、
お世辞でも、似合うとは言いづらかったのです。

だから、「可愛いチュニックなので、スパッツかレギンスであわしてくださいね。
パンツなら細身のジーンズとかで・・・。」と、申し上げました。

３０分ぐらい接客させていただき、ようやく、３点ほどお買い上げいただくことになりました。

レジにてその方は、「ね、私、いくつに見える？」と。
私、５０歳は過ぎてると思いましたが、
一応、社交辞令と思い、「４０・・・台・・・？」と、申し上げました。

その方は、「やっぱり、そう見える？皆が、４０代と言ってくれるんよ～。
実は、５０代半ばなんだけど・・・。」と。

それは、もう、すごく嬉しそうでした・・・。

以前にパート仲間のＫさんから、
「お客さんが『私、いくつに見える？』と聞かれたら、
若く言ってあげなよ。そう、聞くのは、自分に自身があるプライドの高い人だからね。たとえ、その時、センスの欠片もない服を着ていてもね・・・。
そういう人は、何を着ていても、若く見られると、一種の勘違いをしてるからさ・・・」と、教えてもらっていました。

だから、この方も、きっと、そのタイプだと思い、
思い切り、ヨイショしておきました。


だけど、全然、スタイルがいいわけでもなく、
化粧気もなく、スッピンで、眉毛のお手入れもしていませんでした。
髪の毛も、バサバサで、どこをどう見ても、４０代なんて見えません。

なのに、どこからそんな若く見られるという自信があるのかしら・・・。

とりあえず、世の中の中高年世代は、一歳でも若く見られたい人が多いということね。

私は、年相応に見られたいわ～。