ネイチャー・コンタクト ~ 自然とディープにふれあおう ~

アフターや休日にふれあう、いろいろな自然。ネイチャーコンタクト・フォトブログです。

2012年5月の鹿児島旅行 2日目

2012年06月07日 | 旅行記

部分月食と金星の太陽面通過の話が終わりましたので、
話を5月の鹿児島旅行にもどします。



開聞岳への憧れ

初めて屋久島に行ったのは2009年の7月。皆既日食を見るためでした。
その時フェリーに乗ったのですが、同行してくれた地元鹿児島の方の
説明で、指宿には薩摩富士という別名を持つ開聞岳という山があり、
富士山に似た姿をした美しい山だという話を聞きました。

しかしこの時も、その後2度に渡って屋久島を訪れた時も、雲が出て
いて開聞岳を見ることができずにいたのです。

そのうち、いつか必ず開聞岳の姿を見たい。そしてぜひ登頂して、
頂上からの景観を眺めてみたいと思うようになっていました。



前日に無理がありました

前日の夜はホタルを撮影するために、夜10時近くまで現地で粘って
いました。
翌日に響くから早めに帰ろうということも考えましたが、来た以上
は納得できる写真が撮れるまで帰れない…と、翌日に登山を控えて
いるという事情があるにも関わらず、少し無理してしまったと思い
ます。

そのためホテルに到着したのは11時過ぎ。
翌日は朝4時に起き、4時台の始発に乗って登山口のある駅に向かい、
6時半過ぎから登山を開始するという予定を決行しました。

パンフレットのガイドには2~3時間で登れると書いてありましたが、
全然そんな時間では登れませんでした。
アップダウンがなく、ただ延々と続く上り坂。そして人1人が通れる
くらいしかなく、岩のゴツゴツした悪路…。私から見た開聞岳は、
そういう山でした。


駅前看板(1)


駅前看板(2)





準備も不足していたと後になって思いました

なんとか登頂し、目標どおり山頂からの写真も撮影しました。
とても素晴らしい眺めでした。

しかし登頂した時には1リットル持っていた水も全て飲み干し、昼ごろ
までには下山している予定でいたので、昼食も持っていませんでした。
しかも睡眠不足のせいか食欲もなく、朝食はおにぎり1個しか食べて
いなかったのです。

他の優しい登山客が、おにぎりを1つ分けてくれました。
「もう1ついかが?」と言ってくれたのですが、食欲がありませんでした。


山頂からの風景(1)


山頂からの風景(2)



貧血で下山途中に倒れてしまいました

山頂でしばらく休み、下山しようと立ち上がった時、クラクラッと
立ちくらみがしたので、マズイかな…とは思っていました。

そしてとうとう、まだ半分下山していないというところで私は貧血を
起こし、登山(下山)道の右側、下り斜面に頭からバタッと倒れてし
まったのです。

この状態のままで下山してはまた倒れて危ないと思ったので、体調が
整うまで休むことにしました。



下山途中の団体の人たちに助けられました


休憩しはじめて30分くらいたっても心臓はドキドキし、息もハーハーした
ままです。
このままでは救助を呼ばなければならなくなるだろうかとか、地元の
新聞に載ることになるだろうかとかいうことが頭をよぎりました。

そこを通りがかりの下山途中の団体の人たちが助けてくれたのです。

水を分けてくれ、糖分補給のための菓子を分けてくれ、私の重たい
荷物を代わりに背負い、ステッキを貸してくれたのです。

頭に十分な血が回っていないためか、立ち上がって歩こうとしても
始めのうちは体調がおかしかったのですが、次第に体力が回復して
きて、無事に下山することができました。

名も知らぬ、登山仲間の方々のおかげです。



開聞岳全景(1)


開聞岳全景(2)



その後地元指宿の方から聞いた話です。

地元では、開聞岳に1度も登ったことのない人はバカと言われている
そうです。それは、見てこんなに美しい山なのに一度も登ったことが
ないなんてバカだという意味なのだそうです。

だけど2度登った人もバカなんだそうです。それは開聞岳は見て美し
い山だけど登るのにはキツイ山なので、1度登れば十分。2度も登る
なんてバカだという意味なのだそうです。

では3度登った人は何かというと、大バカなんだそうです。

開聞岳をはじめとした山の厳しさや、それでもそういう山にまた登る
人を皮肉っぽくも愛情を込めて表した言葉だと思いました。