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韓国政府が地元自治体に移転を要請 韓国メディア

2017-02-23 16:41:20 | 日記
2017.2.23

【釜山・慰安婦像設置】

韓国政府が地元自治体に移転を要請 韓国メディア

産経

【ソウル=名村隆寛】

複数の韓国メディアが23日に報じたところによると、釜山の日本総領事館前に違法に設置された慰安婦像について、

韓国外務省が今月14日、釜山市や総領事館前の道路を管理する同市東区に像の移転を求める文書を送付していたという。

 韓国外務省や釜山の自治体の話として報じたもので、同省は文書の中で像について「外国公館の保護に関する国際儀礼や慣行の面から望ましくない。

適切な場所への移転に向け知恵を集める必要がある」として、韓国政府の立場を説明したという。

 尹炳世(ユン・ビョンセ)外相は17日、ドイツのボンで行われた日韓外相会談で、慰安婦像の撤去を求めた岸田文雄外相に対し、「可能な限り、最大限の努力を引き続き行っていく」と約束した。

 日本政府は、韓国政府の具体的な対処を見極めた上で、像の設置への対抗措置として一時帰国している長嶺安政駐韓大使の帰任について検討する方針だ。

中国、「人民元不安」昨年の資本流出は過去最高「国際化後退へ」

2017-02-23 14:09:36 | 日記
2017-02-23 05:00:00

中国、「人民元不安」昨年の資本流出は過去最高「国際化後退へ」


勝又壽良の経済時評
日々、内外のニュースに接していると、いろいろの感想や疑問が湧きます。それらについて、私なりの答えを探すべく、このブログを開きます。私は経済記者を30年、大学教授を16年勤めました。第一線記者と研究者の経験を生かし、内外の経済情報を立体的に分析します。


止まらない資本流出の流れ

人民元国際化棚上げへ



「花の命は短くて苦しきことのみ多かりき」。林芙美子の名作『放浪記』の一節である。

中国経済もこれに似た面を持っている。

2010年、念願のGDPで日本を追い抜き、積年の日本への恨みを晴らした。

天下を取ったような気分に浸ったのは、わずかの5年にすぎない。

世界2位の経済大国になったものの、実相はレバレッジ(債務)をテコにした経済成長であった。

架空の成長を楽しんだが、気づいたら膨大な債務の山で寝そべっていたのだ。



林芙美子の人生は、その日を生きるに精一杯であった。

借金で地位を築いたわけでない。

中国は、土地国有化制度の中で不動産バブルを自ら生み出し、それが今や巨大な壁になって、中国の前途を遮り始めている。

地道な努力を重ねた芙美子に比べて、中国は不動産バブルという「アブク銭」に身を委ねていたのだ。



中国は、過去の膨大な債務で積み上げた外貨準備高が、人民元安とともに海外へ流出している。今やそれが加速化している。



止まらない資本流出の流れ

『ロイター』(2月3日付)は、次のように伝えた。



(1)「国際金融協会(IIF)は2月2日、中国からの資本純流出額は2016年が7250億ドルと前年からネットで500億ドル増加し、過去最高を記録したと発表した。

米企業に対し利益の本国へのリパトリエーション(注:後で説明)に向けた圧力がかかれば流出は一段と加速する可能性があるとしている。

中国の純流出額が14年は1600億ドルに過ぎなかったが、その後、人民元が対ドルで下落するとの観測が一部要因となり、国内の企業や個人の間で資金を海外に逃避させる動きが加速している」。



リパトリエーションとは、市場環境に大きな不安定要素が発生した時、リスク資産を圧縮し、海外に保有する資産を引き揚げ自国に戻す行為である。

また、経済活動で生まれた外貨資産を決算時期や年度末に本国へ送還させることでもある。

このリパトリエーションという資金引き引き上げが、これから急速に高まることが予想されている。

前記のように、すでに人民元を取り巻く市場環境は、大きな不安要因を抱えている。中国政府による資本規制が高まっており、企業による本国への送金すら事前申告という煩雑な手続きを要求されているのだ。



これが、昨年10月からIMF(国際通貨基金)のSDR(特別引き出し権)の組成通貨へ昇格した人民元の偽らざる姿である。

中国政府は今や、資本流出に怯えて規制を強める始末だ。

SDR昇格時の約束と真逆のことをやっている。

「メンツ」だけの目的でSDR化の猛運動をしてきたが、結果的に世界に迷惑を掛けている。

もともと、SDRに昇格する条件を備えていなかった。それにもかかわらず、人為的に人民元決済を増やして、SDR化の必要性を演出したに過ぎない。



IMFがまんまと中国の演出に乗せられて、SDR昇格の片棒を担ぐ結果になった。

自由変動相場制でもなく、資本自由化も実行していない人民元である。その通貨をSDRに押し上げてしまった。

私は、時期尚早としてSDR否定のコメントを書き続けていた。

結果的に、人民元にその資格がないことを証明している。一寸先も闇の中国経済が、こともあろうにSDRを狙ったことが、「悲劇」の出発点になった。



(2)「16年は流出により中国の外貨準備は3200億ドル減少し、当局による資本規制の強化につながった。

人民元相場は同年、対ドルで6.5%下落した。年間の下落としては過去最大である。

IIFは16年について、12月だけで950億ドルが流出したと推計。

『米国に本拠を置く多国籍企業が利益を中国から本国にリパトリし始めれば、流出額が17年は一段と増加する可能性がある』とし、特にトランプ政権下の米国で保護主義が高まれば流出が加速する恐れがあるとした」。



中国政府にとって不運なのは、米国にトランプ大統領が就任したことだ。

明らかに、中国を揺さぶる政治姿勢を見せている。

オバマ政権時代の8年間は、中国にとって微温的政策であったから、好き勝手に振る舞えた。

だが、これからはその反動が強まる。米国経済はすでに完全雇用状態にあるが、トランプ氏はさらに財政金融を緩めさせる方向を示唆している。

FRB(米連邦準備制度理事会)は、インフレを警戒して3月にも利上げの姿勢を見せ始めた。FRB内部でも反対論は聞かれない。



こうして、米金利高に引っ張られて中国からの資本流出は加速する。

国際金融協会(IIF)は2月2日、中国からの資本純流出額は2016年が7250億ドル。

前年からネットで500億ドル増加し、過去最高を記録したと発表した。

昨年12月だけで、950億ドルが流出したと推計されるのだ。

中国当局が、どれだけ資本規制を厳しくしても、「水漏れ」を防ぐことは不可能である。



レバレッジで保っている中国経済である。

市場条件が変われば、資本流出が加速するくらいのことは誰でも分かるはずだ。

ところが、中国当局にはそれが分からなかった。

昨年の海外M&Aは、空前の規模に膨れあがるのを放置していたのだ。2016年の対外直接投資(ODI)は、なんと44.1%増の1701億ドルにも上がっていた。

この急増ぶりは、いずれ来る資本規制を予想したものであろう。



ちなみに、今年1月のODIは、前年比35.7%減の77億7000万ドルである。

政府による資本流出規制で、海外不動産投資が落ち込んだもの。

1月の海外不動産投資は84.3%もの減少だ。

この数字を見ると、中国政府が慌てふためいている様子が手に取るように分かる。

無計画というべきか、表現のしようもないほどの恣意的な政策を行っている。

よくぞ、これで14億人の国民を束ねていけるものだとあきれ果てるのだ。全てが、行き当たりばったりである。



人民元国際化棚上げへ

『ロイター』(2月15日付)は、「人民元国際化が後退、トランプ時代のアジアに試練」と題するコラムを掲載した。



(3)「中国は、自国通貨の国際化計画を放棄してしまった。

アジア各国はこのことを悔やむ羽目に陥るかもしれない。

トランプ米政権下での『ドルショック』に対するリスク回避を強いられる可能性があるからだ。

人民元が、ドル、ユーロ、ポンドや円と並ぶ地位を確立することは確かだと思われていた。

外国人投資家は、高い国債利回りとともに、急速に拡大する大国経済を目にしてきた。

中国指導部は、米金融政策のリスクにさらされていることに対していら立っていた」。



このパラグラフは、中国経済の潜在的な成長性を過大評価した内容である。

人民元が、逆立ちしても米ドルの代替役を果たせるわけがない。

中国が、科学技術力、市場性などの面で世界覇権国家・米国を向こうに回す実力はゼロである。

ただ、規模が大きくなったというだけの話だ。ここを間違えているから、このような中国経済過大評価の議論が出てくるに違いない。

中国経済の構造的な脆弱性を無視した、単なる表面的な議論と言うほかない。



(4)「中国当局は、香港やロンドン、シンガポール、そして台湾にまで人民元のオフショア市場が発展することを支援し、人民元の取引と投資を容易にするための規制緩和を打ち出した。

その一方で、まったく新しい関連商品やサービスを販売する期待に沸いた外国の銀行は、それによっていかに利益を上げられるかについてリポートを量産した」。



口幅ったいことで申し訳ないが、私は過去一度も中国経済が米国に取って代わる実力があるなどと分析したことがない。

資本主義経済の原則に照らし合わせてみれば、これほど脆弱な経済構造を他に見ないからだ。

中国の「社会主義市場経済」が、純粋市場経済の原則をいかに歪めているか一目瞭然である。

ここまで過剰債務を許した経済システムが、正常なものとはとうてい言えない代物だ。実態は、「市場経済の顔をした統制経済」である。



中国政府の最大の失敗は、「社会主義市場経済」が普遍的な経済システムと信じたことにある。

これは、経済学の理解が不十分であった結果であり、交通信号(価格メカニズム)を欠いた時刻表で走るバスのような存在だ。

およそ、価格メカニズムの欠落した市場で、最適な資源配分など不可能である。

これを強行したのが「社会主義市場経済」である。過剰債務=過剰設備=過剰生産=過剰輸出は、価格メカニズムを欠いたなれの果ての経済である。



(5)「人民元は昨年、国際通貨基金(IMF)の特別引き出し権(SDR)構成通貨バスケットに採用された。

楽観主義者は、それによって新たな改革の波が訪れると期待していた。

しかし、その波は引いてしまった。

スタンダード・チャータード銀行によると、人民元建てで決済されたクロスボーダー貿易の割合は、昨年12月に全体の11.5%と、2013年9月以来の低水準となった。

最大のオフショア人民元市場である香港における人民元建て預金残高は、1兆元(約16兆6600億円)を突破した2014年のピーク時に比べ、半分近くにまで落ち込んでいる」。



人民元建てによる決済取引の割合は、昨年12月で全体の11.5%と、2013年9月以来の低水準となった。

当然の話だ。人民元は、自由に資金移動できない通貨である。

こんな不便な通貨を喜んで受け取る企業など多く存在するはずがない。

資金移動を大幅に制限している通貨の魅力はゼロに近い。

通貨の持つ基本的な属性に反する。米ドルが基軸通貨として貴重な存在であるのは、米国が世界一の金融市場を抱え、自由に金融取引できるからだ。



中国当局は、これまで香港やロンドン、シンガポール、そして台湾にまで人民元のオフショア市場が発展することを支援し、人民元の取引と投資を容易にするための規制緩和を打ち出してきた。

これは多分に、米ドルへの対抗心にもとづく。

だが、物事には順序がある。

自由変動相場制に移行する。資本移動規制を撤廃する。

その結果が、米ドルに対抗できる取引基盤の形成に繋がるのだ。

この途中の関門を残して、一足飛びに世界通貨になれるわけがない。

この子供じみた夢が、中国経済に自滅をもたらす。今、大慌てで広げすぎた風呂敷を畳み始めている。

これまでの外貨準備高急増を、中国経済の実力と錯覚したのだ。



もっと笑える話は将来、上海がニューヨークに代わって国際金融センターになるというアイデアである。

私はこの中国発の記事を見て大笑いして、ブログで痛烈に批判した。

中国共産党政権下で、国際金融センターになる夢は不可能である。

政治・経済・法律などの全てが完全自由でなければ、世界センターにはなれないのだ。

「共産党世界センター」になれても、世界金融センターはあり得ない非現実的な突飛な話である。



(6)「世界中どこでも取引されている米ドルとの差は明らかだ。

人民元は中国の国内市場にほぼ閉じ込められており、本土の企業間で取引され、中国政府によって厳しく規制されている。

中国政府はこうした人民元の後退に無関心に見える。

主要な外国為替市場であるロンドンで、人民元建て債券発行を増やす計画も当面ない。

中国当局は外国人投資家がオンショア資産に向かうことを歓迎している一方で、資金流出に対する監視をこれまで以上に強化している。

このため、外国人投資家に中国国内市場の株式や債券を買わせることは中途半端な策と言える。

中国人民銀行(中央銀行)のデータによれば、IMF通貨バスケットに組み入れられてから4カ月となる今年1月、外国人機関投資家による中国の国債保有額は減少した」。



ブログの冒頭で、林芙美子の「花の命は短くて苦しきとのみ多かりき」を掲げた。

読む者によって、それぞれの感慨があろう。どの解釈が良くて、どれが悪いとは言えない。

私の解釈は、中国経済が世界一になる夢を持っていたが、その夢も今は絶たれて虚しさだけが残るのだ。

ましてや、粒々辛苦の努力を重ねた経済ではない。不動産バブルと外国技術の借り物や保護主義でのし上がってきたにわか経済である。

嵐が来れば花が散って当然なのだ。再起は不可能である。



(7)「(中国経済の)問題は、米国経済が復活すると同時に表面化した。

2014年後半からドルが強くなり、人民元は10%超下落。

さらなる元安期待から、企業は元を売ってドルに替えた。このことが中国金融市場の流動性を引き締め、金利引き下げによる景気刺激策を一段と困難にさせている。

中国の外貨準備高は、2011年以来約6年ぶりに3兆ドルを割り込むなど着実に減少している。

これは、中国の未来に対して不信任案を突きつけている、と一部で受け止められている。毎月のように資金流出に対する新たな取り締まりが行われてい

る」。



中国の外貨準備高は、2014年6月に4兆ドルスレスレのところまで増えたが、それ以降は減少に転じている。

これは、中国経済への期待感がこの期を境に一転したことでもある。この認識を持つことが不可欠であろう。

今や、「人民元防衛」で必死である。中国経済への期待感が剥げ落ちた証拠なのだ。



(8)「中国など債務を抱える新興経済国にとっては、ドルに過度に依存する現状は、かつてないほど最悪な状況かもしれない。

トランプ大統領はワイルドカードと言える。

同大統領が唱える財政出動はインフレ過熱を招く可能性がある。

外交面では貿易戦争、あるいはそれより悪い事態を勃発させる恐れもある。

ドルの流動性引き締めは、十分にあり得ることだ。米国が自国のエネルギー依存度を高めたり、あるいは貿易赤字を減らす場合はなおさらそうである」。



米国の利上げは、世界の資金を米国へ還流させるテコになる。

08年以来のだぶついてきたドル資金の需給を引き締めるのだ。

中国からさらに米ドルは流出する。

すでに3兆ドルを割った中国の外貨準備高が減りつづけることは不可避だ。

各国の米ドル依存は、世界の基軸通貨が米ドルだから、良いとか悪いとかいう問題でない。

各国が自らの立場で防衛する以外にない。これまで、米ドル安で潤ってきたのがドル高で局面が変わるということである。

ドル安は良いが、ドル高は困るというレベルの判断で、世界経済を論じるわけにはいくまい。



(9)「中国が、国内の成長を守るために人民元の国際化を停滞させたことにより、もし仮に、すぐに国際化を再始動させようとしても、それは非常に困難な道となるだろう。アジアはドルを抱えて、かつてないほど立ち往生している」。



中国が、自国の都合で「人民元の国際化」をいったん止めれば、再開は難しいと指摘している。貿易決済で人民元を使わなくなるからだ。こういう不都合を考えれば、米ドルが最も安心できる通貨という話になる。

「アジアはドルを抱えて、かつてないほど立ち往生している」のは、トランプ大統領が通貨・貿易の面で「米国第一」を唱えているからだ。

しかし、この記述は問題含みである。人民元がドルの代替ができないことは自明のこと。人民元を過大評価するような記述は妥当性に欠けるからだ。



中国はこれまでに、自由変動相場制へ移行し、資本規制を撤廃していれば、今のような悩みに直面することなく、スムースな経済成長が可能であったはずだ。

「社会主義市場経済」というまやかしの経済システムが、市場による自動調節の機会を奪った。

「社会主義市場経済」システムで経済の万里の長城を築き、外敵(外国資本の支配)を防げると見たのだろう。

それは、内部の「腐食」を招くだけであった。「

社会主義市場経済」は、鄧小平のアイデアだが、難物の「レガシー」となって、中国経済に大変な苦悩を残している。



(2017年2月23日)