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韓国経済の2大支柱の倒産相次ぐ、「原因は中国」と韓国メディア

2019-01-28 17:27:32 | 日記
韓国経済の2大支柱の倒産相次ぐ、「原因は中国」と韓国メディア

Record china

配信日時:2018年6月2日(土) 9時10分

31日、観察者網は、韓国・群山市のゼネラルモーターズ工場が閉鎖したことについて、韓国メディアが「中国のせいだ」としたことを報じた。

2018年5月31日、観察者網は、韓国・群山市のゼネラルモーターズ(GM)工場が閉鎖したことについて、韓国メディアが「中国のせいだ」としたことを報じた。

群山市の同社工場は5月31日に閉鎖した。

記事によると、閉鎖によって1万5000人が失業し、同市人口の6分の1にあたる約5万人の生計に影響が出るという。

韓国メディア・ニューシスは31日「群山市の経済は長きにわたり造船と自動車の2大産業で支えられてきた。

しかし、昨年7月に現代傘下の群山造船所が閉鎖したのに加え、

稼働率がわずか20%程度だったGMの工場も今日閉鎖してしまった。


良質な働き口が減り、同市の商業圏は衰退が始まっている。

人口は減り、都市の空洞化も日増しに深刻化。地価の上昇率も韓国平均の5分の1にとどまっている」と伝えた。

そのうえで「一切の原因は中国にある。

導火線は2008年に米国で起きた金融危機だ。

危機は世界に波及し、世界の海運業の業績は急落、韓国の造船業も危機に立たされた。

それを尻目に中国の造船業は大規模な投資を始めて過剰生産を行い、群山の造船所に打撃を与えたのだ」としている。

さらに、自動車業界についても「上海GMがGM世界戦略の中軸的ポジションに昇格したことで、

韓国のGM工場の地位が下がり、生産も萎縮していった。そしてついに、生産開始から22年間で群山工場も生産を停止した」と指摘した。

記事によると、群山市は日本の植民統治時代に朝鮮半島のコメを日本本土へ送る港として栄え、

韓国西海岸の重要な港湾都市に成長した。

GMの群山工場は最も多い時期で年間1万2000人を雇用していたが、昨年から稼働率が20%に落ち込むと、深刻な経営危機に陥っていたという。

(翻訳・編集/川尻)

「経済制裁論」が単純ではない理由

2019-01-28 17:12:32 | 日記
新宿会計士

※目次 [非表示]

1 「経済制裁論」が単純ではない理由

2 現場レベルで影響が出始めた?

3 日韓は「敵対関係に進まない」?甘い!

4 日韓関係悪化で得をするのは北朝鮮だが…

5 日本は「費用対効果」で「決断」を!

「経済制裁論」が単純ではない理由

昨年12月20日に発生したとされる韓国海軍駆逐艦による火器管制レーダー照射事件を巡っては、韓国政府はいまだにレーダー照射の事実を認めていないどころか、確たる証拠も出さずに「日本の自衛隊機が低空威嚇飛行を行った」とわめいています。

こうした状況について、私は週末の『対韓経済制裁が難しい理由と、日本に求められている「覚悟」』のなかで、

文在寅(ぶん・ざいいん)韓国大統領自身がむしろ積極的に日韓関係を破壊しようとしているのではないか、とする仮説を提示しました。

もしこの仮説が実情を正確に反映していると見るならば、これは非常に深刻な問題です。

なぜなら、レーダー照射事件にしても、昨年10月以降相次いでいる「徴用工判決」にしても、

韓国側の目的が「日韓関係を混乱させ、あわよくば破綻に追い込むこと」にあるならば、日本もそれに対処しなければならないからです。

「日本が韓国にレーダー照射の事実を認めさせて謝罪を引き出すために経済制裁をすれば良い」、という単純な話ではありません。

日本が「国としての意思」を「日韓関係維持」に持って行きたいのか、それとも「最悪の場合、日韓断交やむなし」と覚悟を決められるのか。

その意思によって、日本が韓国にどう対処するかが決まってくるのです。

現場レベルで影響が出始めた?

ところで、レーダー照射事件を巡っては、日本側は先週月曜日に公表した『最終見解』をもって、公式には韓国との協議を打ち切ったことになっています。

しかし、韓国側はその後、「日本の自衛隊機が韓国海軍艦艇に複数回、低空威嚇飛行を行った」などと「逆ギレ」していますし

(『ウソでも良いからとにかく主張する 韓国の飽和攻撃を侮るな』)、韓国国内ではほぼ完全に「レーダー照射」は「威嚇飛行」問題にすり替えられてしまったようです。

こうした混乱が、日韓防衛協力に影響を与えないはずはありません。

昨日も紹介したとおり、日本政府関係者は今春予定されていた海自護衛艦「いずも」の韓国への派遣を見送る方向で検討しているとの報道もあります(次の産経ニュースの記事参照)。

護衛艦「いずも」韓国派遣中止へ レーダー照射問題受け協力縮小(2019.1.26 05:00付 産経ニュースより)

これに加えて、韓国メディア『聯合ニュース』(日本語版)は昨日夕方、韓国海軍司令官の日本訪問が取りやめとなったと報じています。

韓国海軍司令官の日本訪問取りやめ レーダー問題で(2019.01.27 17:32付 聯合ニュース日本語版より)

聯合ニュースによれば、

海上自衛隊と韓国海軍は毎年、司令官級の指揮官が交互に相手国を訪れる交流を行っていたそうですが、

韓国海軍は来月初めに予定していた第1艦隊司令官の京都府・舞鶴海自基地訪問を見送ったそうです。

これについて韓国の「政府筋」は


「現在の状況で司令官が訪日するのは適切ではない/しばらく冷却期間を置く必要がある」(※下線部は引用者による加工)

などと述べたそうです。

余談ですが、この「冷却期間」という言葉は、先ほどの産経ニュースの記事にあった「日本政府関係者」の発言にも含まれていましたが、いっそのこと「冷却期間」といわず「凍結」と称した方が分かりやすい気がするのは私だけではないでしょう。

日韓は「敵対関係に進まない」?甘い!

ところで、レーダー照射事件を契機に日韓防衛協力が滞り始めていることを巡って、行き着く果てが懸念されるところです。

こうしたなか、韓国メディア『中央日報』(日本語版)に本日掲載された記事によると、韓国国内の「安保専門家」が「日韓は敵対関係には進まない」とする見解を述べたのだそうです。

韓国安保専門家「日本の哨戒機事件でも韓国と敵対関係には進まない」(2019年01月28日11時15分付 中央日報日本語版より)

ただ、この手の記事を読めば読むほど、残念ながら、「日韓の亀裂は深まっている」と感じざるを得ません。

というのも、中央日報によると、「峨山政策研究院」の「安保統一センター長」は、レーダー照射事件を巡る日韓対立の要因を「日本側の支持層結集の意図」と述べたからです。

早い話が、「安倍政権は韓国によるレーダー照射事件を政権支持率浮揚に利用しようとしている」、という決めつけ(あるいは言い掛かり)ですね。

そのうえで、この「安保センター長」は


「日本は国内政治的な必要からこの問題を拡大しているが、韓国と敵対的な関係に進もうという考えはないはず」

などと述べているのですが、なかなか凄い分析です(※誉め言葉ではありません)。

そもそも論として、分析を誤れば処方箋も誤ります。

日本がレーダー照射を問題視した理由は、第一に「危ないから」であって、「政治利用」のためではありません。

それなのに、この問題を「自衛隊機の低空飛行」と「国内の政治利用」に矮小化すれば、韓国自身の立場を危うくしかねません。

なぜなら、韓国側が日本に対する敵対行為を続けるならば、日本も韓国を「仮想敵国」と見なさなければならなくなるからです。

日韓関係悪化で得をするのは北朝鮮だが…

日韓軍事協力には、北朝鮮などの軍事的脅威にともに対処するという強い意味がありました。

地政学的に見て、韓国を抑えていれば、

北朝鮮の脅威、中国の脅威、さらにはロシアの脅威にも備えることができる、という側面があることは間違いありませんし、仮に韓国が日本の敵対国となれば、

日本は防衛コストも上昇しますし、社会の様々な面で悪影響が生じます。

もっとも、こうした事情は韓国の側もまったく同じです。日韓関係が悪化すれば、その分、北朝鮮や中国からの圧迫は強くなるからです。

つまり、日韓関係が悪化し、防衛協力が進まなくなることで、いちばん喜ぶのは北朝鮮であり、次に中国が喜ぶ、ということでしょう。


「したがって、日韓関係を破綻させてはならない。」

これが、「日韓関係至上主義者」の発想です。

日本は「費用対効果」で「決断」を!


ただ、ここでもう1つ、強く意識しなければならないことがあります。

それは、「日韓防衛協力」によって日本の脅威が根本から取り除かれるわけではない、という事実です。

日韓は敵対するよりも協力した方が良いことは間違いありませんが、防衛面で韓国と協力することで、

北朝鮮の瀬取りの監視ができるわけでもなければ、北朝鮮に拉致された日本国民を取り返すことができるわけでもない、という点については、無視できません。

このように考えていくと、

日韓防衛協力とは、結局のところ、韓国が日本に対して主張してくる「無理難題」という「費用」を負担しつつ、

中国や北朝鮮を牽制するという「便益」を享受するという意味で、「費用対効果」で考えるべきなのです。

私に言わせれば、確かに日韓軍事協力にはそれなりの意味もあったかもしれませんが、友軍相手に火器管制レーダーを当てて来たうえに、低空威嚇飛行を行ったなどとウソをついて逆ギレするような国を相手にして

「協力関係」が成り立つとも思えません。

「日韓関係悪化で北朝鮮が得をする」?

それはそのとおりでしょう。

ですが、一時的に北朝鮮を喜ばせることになったとしても、やはり、日本が一番に考えなければならないのは「長期的な日本の国益」であって、「日韓友好」ではないのです。

もちろん、「日韓断交」などと軽々しく口にしてはならないことは事実ですが、少なくとも韓国は「友好国」ではなく、

「仮想敵国」に位置付けるべきです。その判断と決断こそが、現在の日本に求められているのではないでしょうか?

韓国の産業が中国に抜かれるという予言はおそらく現実のものになるだろう」と評している。

2019-01-28 16:59:19 | 日記
韓国の支柱産業を中国企業がどんどん「侵食」、憂慮の声やまず―中国メディア

Record China / 2018年12月28日 7時10分


27日、参考消息は、これまで韓国が強みを持っていた支柱産業で中国企業が徐々に力をつけており、韓国国内からは憂慮の声が絶えず出ていると報じた。

2018年12月27日、参考消息は、これまで韓国が強みを持っていた支柱産業で中国企業が徐々に力をつけており、韓国国内からは憂慮の声が絶えず出ていると報じた。

記事はまず、朝鮮日報の26日付報道を紹介。

世界のスマートフォン市場でファーウェイ、小米(シャオミ)、OPPOの中国3大ブランドが躍進し、

今年第3四半期に計1億1600万台を売り上げてサムスン電子の7230万台を大きく上回ったとした。

また、電気自動車用バッテリー市場でも、

中国の寧徳時代がシェア2位、BYDが3位に躍進して1位のパナソニックを猛追している状況で、

今後7~8年後に市場規模が840億ドル(約9300億円)に達するとみられる同業界において

LG化学やサムスンSDIといった韓国企業は二流ブランドに転落する可能性が非常に大きいと紹介したほか、

サムスンやSKのグループ企業が強みを持つ半導体市場やOLEDパネル市場でも、

中国企業が巨額の資金を投じて生産体制を整えており、業界トップの座を保つのが容易ではなくなりつつあると伝えている。

記事はそのうえで、韓国・経済日報の25日付報道を引用。

韓国経済研究院が2017年に行った鉄鋼、石油化学、機械、自動車、造船、半導体、ディスプレイ、スマートフォンの8大輸出品の将来に関する調査で、

中国は無線通信、パネル分野で韓国を超え、鉄鋼と石油では韓国と肩を並べ、韓国の強みは船舶しか残らないという見込みを示していたことを紹介した。

報道によると、このほか韓国の民間シンクタンク・現代経済研究院も今年4月に

「韓国支柱産業の危機と活路」という報告書を出し、工業競争力がすでに中国に抜かれており、

効率と技術力を示す指標の低下が韓国の潜在的な経済成長率を引き下げる主要因との見解を示したという。


記事は「韓国はこれまで財閥を利用して目覚ましい経済発展の成果を短期間で実現してきたが、その一方でリスクも残してきた。

もし韓国が各方面での改革を断行し、市場の活力を渙発するとともに生産効率を高めなければ、韓国の産業が中国に抜かれるという予言はおそらく現実のものになるだろう」と評している。

(翻訳・編集/川尻)

たそがれる韓国自動車産業

2019-01-28 15:54:09 | 日記
2018年12月28日


たそがれる韓国自動車産業

宇佐美 喜昭

(一財)国際貿易投資研究所 客員研究員

韓国の自動車産業に暗雲が垂れ込めている。

世界の自動車生産台数が増加している中、韓国国内での生産台数は2015年の456万台から2016年は423万台、2017年は411万台まで減少した。

当初、韓国自動車工業協会は2018年の展望を前年並みの410万台としていたが、自動車部品メ-カーを束ねる韓国自動車産業協同組合の幹部は400万台割れもありえるとし、苦境を吐露している。

四面楚歌に直面する自動車産業

韓国での自動車生産は、2011年の466万台をピークに、暫くはほぼ横ばいで推移していたが、ここ3年は減少速度が加速している(表1)。

韓国の自動車産業は、現在、四面楚歌に直面している。

海外では通商問題、国内では輸入車との競合、完成車メーカーは活動的な労働組合を抱え、部品メーカーには最低賃金の急激な引き上げという政策圧力が加わっている。

韓国車の国内販売は2015年159万台、2016年160万台、2017年156万台とほぼ横ばいだが、輸出は2015年の297万台から2017年には253万台に減少した。



先ず、通商問題を見てみよう。

中国との関係では2016年に、米国のミサイル迎撃システムTHAADの韓国配備計画を端緒として中国政府による韓国への冷遇が起きた。

これは中国の消費者行動にも影響し、自動車だけでなく広く韓国産品や韓国ブランドの中国での販売に大きな影響が出た。

対中関係は未だ改善せず、韓国車(中国での生産分を含む)の販売台数は、2015年比で半減以下のペースとなっている。

2017年には米国とも通商摩擦が生じた。

米国は米韓自由貿易協定(米韓FTA)について改定交渉の申し入れを行い、結果、2018年9月25日に、両首脳による文書への調印で妥結に至った。

自動車分野では、韓国製ピックアップトラックの非関税化を2021年から2041年に延期した他、米国仕様車の韓国への輸出枠を2万台から5万台に引き上げた。

これらは米国に工場を持つ日系自動車メーカーにとっては朗報だろう。

米国では、ピックアップトラックは自動車販売台数の過半を占め、今後も販売の増加が見込まれる車種だ。非関税化先送りが決まった後、現代・起亜グループは米国向け新型ピックアップトラックをアラバマ工場で生産する方向で検討に入ったことを明らかにした。

国自動車業界がさらに懸念しているのは、日EU経済連携協定の影響だ。

発効すると現行の日本車の関税10%が段階的に引き下げられ、8年後には撤廃される。


このため、日本車の価格競争力向上により韓国車の欧州輸出に陰りが出ることが見込まれている。

韓国の国内市場は輸入車が韓国車の市場をじわじわと蚕食している。

韓国での輸入自動車販売台数は、2017年は23万台で国内市場の13%を占める。

10年前と比較するとシェアは倍増した。

日本の輸入車販売台数のシェアが5.9%であることと比較すると、韓国の完成車メーカーへの影響の大きさが推察できる。

ひきずる労働組合問題

韓国最大の完成車メーカーである現代・起亜グループは、労働争議が多いことでも知られる。

相次ぐ賃上げ闘争により、正規社員の平均年収は円価換算で900万円を超え、日本や欧米メーカーを凌ぐ世界のトップクラスにあるとされる。

労働組合専従者は500人超。

2013年の賃上げでは実質的な年収倍増を要求した。

2018年の要求には、基本給の5.3%アップ、純利益の30%を原資とした成果給支給などが並ぶ。

一方で従業員一人当たりの自動車生産台数は、自社の海外工場を下回るとされる。

経営側としては、韓国での生産を抑制して海外で生産した方が利に適う状況だ。

事実、現代自動車は国内工場を20年間増設せず、その間に米国、中国、インド、チェコ、ロシア、トルコ、ブラジルに生産拠点を立ち上げてきた。

2017年の海外生産台数は284万台と、国内の165万台を大きく上回る。

韓国GMでも労働争議が相次ぐ。

韓国GMは2002年にGMが政府系の韓国産業銀行から83%の株式買収で得た大宇自動車を前身とする。

韓国産業銀行は17%の株を保有、金融危機でGMが破綻したのを機に、2010年から2017年まで特別決議拒否権を保持していた。

ロイターによると、GMは韓国リスク(政策、労組、コスト)の低減が不可避との判断を踏まえ、2013年頃から韓国事業の縮小に踏み切ったとされる。

それでも労働組合の賃上げ闘争は経営側を圧倒し、韓国GMの平均給与も現代・起亜グループに続く水準にあった。

韓国GMの2016年までの3年間の純損失累計は2,000億円前後にのぼった。

さらに2017年には欧州市場を丸ごと失った。

GM本社が欧州市場からの撤退を決め、傘下のオペルをプジョー・シトロエンに売却したためだ。主要輸出先を欧州とし、オペルに欧州における販売網を依存していた韓国GMは、経営に大きな打撃を受けた。

それでも労組は基本給の7.2%アップ、成果給の5カ月分支給などを求め、交渉は2018年に越年して決着した。

結局、2017年の純損失は1,000億円を超え、韓国GMは2018年2月に4か所の生産拠点のひとつ、群山工場の閉鎖を決めた。これに労組は激しく抵抗した。

4月に経営側が成果給の支給見送りを表明すると労使対立がさらに先鋭化した。

そして一部の労組員が社長室を占拠した直後、GM本社はグループ会社の役員や従業員の韓国出張を事実上禁じた。

群山工場閉鎖に伴う配置転換や退職者の処遇、成果給見送りなどをめぐる労使交渉は、経営側が法定管理も厭わない姿勢で臨んだことから4月末に妥結した。

5月には韓国政府が、韓国GMが新たに発行する優先株のうち約1,300億円分を韓国産業銀行が引き受けることを認めた。

GMも保有株比率に応じた優先株との交換で、韓国GMに資金を供給する。

これにより資金繰りは一時的な改善を見たが、根本的な再建策は不透明なままだ。

部品メーカーの困窮もアキレス腱に

韓国GM騒動が決着をみた後、今度は一次ベンダーの経営破たんが複数続いた。

資金繰りに余裕がないため部品のリコールに対応できず、破たんを選択した企業もある。

一次ベンダーの資金繰り悪化の要因は複合的だ。

先ず、完成車メーカーの生産拡大を支えるために借りた設備投資資金の返済が、生産台数の減少の影響で滞りかねなくなった。

完成車メーカーによる部品の買い叩きも深刻だ。

これは、完成車メーカーが、自社のコスト上昇分を部品企業に転嫁して輸入車と競争する価格を維持してきた悪弊だ。

さらに部品メーカーが窮したのは、最低賃金の急激な上昇だ。

韓国では最低賃金は全国一律だ。2013年以降、最低賃金は物価上昇率を大きく上回る6.0%~8.1%で推移してきた。

これが文在寅大統領自らの肝いりで、2018年1月1日に16.4%引き上げられ、1時間あたりの最低賃金は7,530ウォン(2018年1月1日の為替レートで約794円)となった。

これにより韓国の最低賃金は、日本の東北6県、群馬、山梨、新潟、石川、福井、奈良、和歌山、中国4県(広島以外)、四国4県、九州・沖縄8県を上回る水準となった。

その後、ウォン安で円換算の韓国の最低賃金は750円を割り込み、10月初旬の日本の最低賃金改定後は全ての都道府県を下回ることとなった。

しかし韓国では2019年も1月1日に8,350ウォンへ、率にして10.9%の引き上げを予定している。

ルノー・日産アライアンスの軋みも不安要因に

韓国では、日産でのゴーン会長解任にも関心が寄せられている。

三星グループの自動車部門として創業したサムスン自動車は、日産の協力を得て1998年から自動車生産を開始した。

バブル崩壊で自動車需要が落ち込む中、サムスンからの技術指導の受託は、日産に好都合だったとされる。

この折、日産はサムスン自動車への出資には踏み込まなかった。

しかし、日産は1999年にルノーの出資を仰ぎ、サムスン自動車も生産開始から2年という速さで、2000年に経営破たんした。

サムスン自動車はその後、ルノーが株式の8割を取得しルノー・サムスン自動車となった。

経営再建に当たりルノー・サムスンは車種の独自開発をやめ、ルノーや日産の車種をベースにした共同開発に切り替えた。

さらにルノー・日産アライアンスは、米国日産が2013年からテネシーの工場で生産し北米向けに投入した小型SUV「ローグ」を、2014年からルノー・サムスンにも生産委託した。

これは米韓FTAの締結も踏まえたものとされる。

2017年のルノー・サムスンによるローグの生産は12万台余りで、同社の生産台数の45%を占める。

この事業の中心人物こそ、ルノー・日産アライアンスのゴーン会長だった。

一方、日産は、12カ国がTPPに署名した2016年から九州工場でもローグの生産を開始し、年間10万台程を北米に輸出している。ローグのルノー・サムスンへの委託生産契約は2019年9月までだ。またルノーとサムスンの合弁契約は2020年6月に期限を迎える。

日産とルノー・サムスンの間では現在も直接の資本関係はない。

ゴーン会長逮捕を受けて韓国のベンダー企業の間では、ルノー・日産アライアンスが軋み、ルノー・サムスンの経営を直撃しかねないという懸念が出た。

結局、11月30日、ルノー関係者はローグの生産委託を延長しない旨を明かした。

ルノーは別の車種の委託生産を検討中としているが、新車種の生産を受託できたとしても、ローグの穴を埋めることは難しいとみられている。

危機感を募らせる自動車部品業界

一次ベンダー約800社を対象に資金需要調査を行った韓国自動車産業組合は、10月22日、産業通商資源部に対して、3兆1,000億ウォン(約3,000億円)相当の緊急資金支援を要請したことを明らかにした。

内訳は、銀行からの借入金の満期一括返済分が1兆7,000億ウォン、設備投資が1兆ウォン、研究開発費が4,000億ウォンとされている。

満期一括返済への支援要請は、現在の自動車部品業界の事業環境を鑑みて、銀行からの借入金の満期借り換えが難しいことを織り込んだものだ。

韓国自動車産業協同組合の幹部は韓国経済新聞のインタビューに対し、

2018年上半期の上場部品メ-カーの利益率は2%に落ち込み、年間の生産台数は395万台にとどまるだろうとし、

資金繰り支援に加えて、最低賃金引き上げについての対応や週52時間労働制限の柔軟な運用も求める必要があるとしている。

週52時間労働制限は2018年7月から罰則付きで導入された政策だが、部品の納期厳守を困難にしていると評されている。

最低賃金引き上げも週52時間労働制限も、雇用拡大と労働者の収入増を図る文在寅政権の目玉政策だが、かえって経済情勢を悪化させるという指摘が政策立案当初からあった。

政府系シンクタンクの韓国開発研究院は10月23日、

「2014年以降の失業率上昇についての要因分析」というレポートを公表、

2014年から2017年までの失業率上昇は産業間での人材の需要・供給のミスマッチの影響が強いとしつつ、

2018年の失業率上昇については最低賃金の大幅引き上げに伴う企業の構造調整で、労働需要が全般的に縮小していると指摘した。

政府系シンクタンクが政府の政策を正面から批判したことは異例のことだ。

果たして韓国の自動車業界は四面楚歌を乗り切れるか。

業界関係者の間で危機感が共有される中、識者の間では、経済に疎く労働組合に親和的な現政権の下では、

自動車業界も金融支援で延命している造船業界の二の舞になりかねないという雰囲気が広がりつつある。