日本の公共事業は1円たりとも許さないマスコミは、中国の公共事業を「さすが発展著しい中国ですね」なとと言う。
s20111002b 引用:http://www.zenshin-s.org/zenshin-s/sokuhou/2011/photo/s20111002b.jpg
 
無敗の中国経済の秘密
中国経済は過去20年で20回以上は経済危機が叫ばれてきたが、全て乗り切って成長してきた。
今回の危機もまた乗り越えるだろうと思えるが、にも関わらず中国経済の将来には悲観論しか出てこない。
今回の経済危機を語る前に過去20年ほど中国で起きた経済危機を振り返ってみる。

 
中国は共産主義国だが資本主義国と同じように好景気と不況がある。
だが旧ソ連と同じで国の教義として「不況は無い」事になっている。
ややこしいが共産主義が20世紀に始まったときの理由が、共産主義になれば不況が無くなるというものだった。
 
ソ連は不況になったのに認めず対処出来ずに滅んだが、中国では効果的な対処法を編み出し成功した。
それは巨額の公共事業で不況をなくし、同時に高度経済成長するというもので、元は日本の高度成長からヒントを得たようです。
中国の投資依存度は現在は50%程度のようだが、以前は80%以上ありGDPの殆どを公共事業が占めていた。
 
ここでいう投資とはその国の政府投資と民間投資を合計したもので、中国の場合は政府投資が多く民間投資は少なかった。
「国は道路建設に投資した」「建設業者はダンプカーなどに投資した」のように政府投資に比例して民間投資も増えるわけです。
中国の公共事業の規模は人類最大かつ空前絶後で、現在は年間300兆円から400兆円に達しているとみられる。
「みられる」というのは中国の国家予算は非公開だからで、間接的な数字から推測したからです。
例えば中国の鉄道路線の新規建設費は50兆円を超え、しかも北京オリンピック以降毎年こうなっている。
2010年代以降は日本の全ての地下鉄を合計したより長い地下鉄が中国で開通し、日本の鉄道総距離より長い距離が毎年開通しました。
道路や橋、発電所、軍事施設、港湾建設などあらゆる分野でこの調子で公共事業を行っています。
「年間300兆円以上の公共事業」は誇張では無く、実際に行われています。

中国の借金のゆくえ
中国は年7%近い経済成長をして年間60兆円以上、経済が拡大したと主張していました。
中国のGDPと成長率は中国が「主張している」だけで何の根拠も無く、実際は発表の1/2や1/3かも知れないのですが、本題ではないので今回は触れません。
300兆円以上の公共事業をして経済成長はたったの60兆円なので、どう計算しても公共事業で使ったお金は借金になります。
北京オリンピック以降の中国は、経済成長した金額の数倍の借金をする事で成長を持続しました。
中国の公的債務は公式発表ではGDPの20%以下、つまり200兆円以下でしか在りません。
欧米の経済誌ブルームバーク、フィナンシャルタイムズ、ウォールストリートジャーナルなどに何度も報道された数字では、既にGDPの200%を上回り3000兆円以上に達している。
因みに日本の借金はGDPの200%の1000兆円とされています。
この20年間の中国経済は借金で公共事業を行い、借金は隠しておいて経済成長だけを(誇大に)発表し外国から投資を集めた。
今後の中国の経済危機も、また数百兆円の借金をして借金は隠し、経済成長だけを発表する筈です。
中国は現在不況ですが2019年は6%の経済成長をしています。
不況なのに何故6%も高度成長するのか?答えは政府が数百兆円を投資して数十兆円の成長を得ているからです。
この中国の借金は、これ以上借金を増やせなくなったらどうなるのでしょうか?
中国は公式に認めた外国からの借金の他にも多額の対外債務があると指摘されています。
実質的には既に対外資産を対外債務が上回る、「純債務国」に転落した可能性が高い。
日本の借金は自国の中だけで止まっているので「日銀が買い取る」などで実質ゼロ円にできるが、中国の借金は対外債務が超過しているので、ある日支払いが滞ったら国が破綻します。
旧ソ連は大した借金ではなかったが、外国への債務支払いが滞ったのがきっかけで崩壊した。
ローマ帝国やソ連を上回る膨大な負債なので予測困難ですが、尋常な終わり方ではないのは確かでしょう。