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文在寅外交の危険性、根本は全体主義で中朝へ深い愛着、日米へ敵愾心

2019-12-12 20:49:09 | 日記

勝又壽良の経済時評

日々、内外のニュースに接していると、いろいろの感想や疑問が湧きます。それらについて、私なりの答えを探すべく、このブログを開きます。私は経済記者を30年、大学教授を16年勤めました。第一線記者と研究者の経験を生かし、内外の経済情報を立体的に分析

2019-12-12 05:00:02

文在寅外交の危険性、根本は全体主義で中朝へ深い愛着、日米へ敵愾心

テーマ:ブログ

中国から外交的揺さぶり

米軍撤退で中国の核の傘

文政権の本質は全体主義

英誌が証明する李朝極貧

 

韓国は、米国の強い圧力によってGSOMIA(日韓軍事情報包括的保護協定)の「休止一時撤回」以後、中国からも強い圧力がかかっている。韓国を巡る米中の綱引きが始まったのだ。中国は、韓国が設置したTHAAD(超高高度ミサイル網)の撤去を要求している。THAADについては、レーダー照射範囲は北朝鮮領土に限定している。中国本土に何らの影響もないことは、中国が重々承知のはず。ただ、「ごねている」のだ。

 

中国から外交的揺さぶり

中国は、明らかにTHAADを取引材料にして、韓国を外交的に揺さぶっている。このように韓国が、中国から外交的な標的にされているのは、次のような理由が考えられる。

 

1.韓国は、日清戦争(1894~95年)直前まで、中国の支配を受けてきた。中国が、旧宗主国にあたる。中国の言い分には、盲目的に従う「事大主義」がはびこっている。

2.韓国は、儒教国家であり価値観が中国と酷似している。

3.韓国進歩派は南北統一が宿願であり、中国の支援を受けざるを得ないと思い込んでいる。

4.韓国進歩派は、朝鮮戦争を「民族解放戦争」と位置づけており、中朝に寛容である。

 

中国は、韓国を外交的に揺さぶり続ければ、いずれ米韓同盟の枠から飛び出し、中朝陣営に加わるのでないかという期待を持っていることは疑いない。

 

中国の王毅外相は12月4日、訪韓して韓国へ「クセ玉」を投げ込んだ。中国の習近平国家主席の訪韓を、THAAD撤去と交換条件にすることを示唆したのだ。在韓中国大使は、はっきりと習近平訪韓=THAAD撤去を要求した。THAADは安全保障問題である。国家主権に関わる重大事だ。THAAD問題が、習近平国家主席の訪韓条件にされることは、韓国の国家主権を踏みにじられること。中国が、韓国に対しこういう越権行為を要求するのは、中韓が対等な外交関係にない証拠である。

 

韓国は、米国の軍事同盟国である。その韓国に対して、米韓同盟をひび割れさせる前提でTHAAD撤廃を要求するのは異常である。米中貿易戦争で緊張関係を強いられている中国が、韓国へ嫌がらせして米国へ一矢報いていると見るほかない。

 

中国は、同じ米国の軍事同盟国である日本に対して、このような国家主権を蹂躙する愚かな要求を出すことはない。仮に出したとすれば、日本がたちどころに拒否することを知っているからだろう。とすれば、中国は韓国を「小国扱い」した無礼な態度と言える。

 

米軍撤退で中国の核の傘

韓国が、中国から「小国扱い」されるような振る舞いしていることも事実だ。民主主義国の韓国が、独裁政治国の中国へ外交的に依存する。そういう異常な言動が、韓国大統領府高官から飛び出して話題になっている。それは、次のような内容である。

 

文正仁(ムン・ジョンイン)大統領統一外交安保特別補佐官は12月4日、国立外交院の外交安保研究所が開催した国際会議で、「もし北朝鮮の非核化が行われていない状態で、在韓米軍が撤退したら、中国が韓国に『核の傘』を提供し、その状態で北朝鮮との交渉をする案はどうだろうか」と述べたのだ『朝鮮日報』(12月5日付)。

 

文特別補佐官は、この会議で司会を務めている際、このような突発的な質問を中国側の参加者に投げかけた。大統領安保特別補佐官たる者が、在韓米軍の撤退を仮定して、中国に韓国の安保を任せればどうかと尋ねること自体が禁句である。こういう微妙な問題が、ためらいもなく口からさっと飛び出てきたことは、大統領府で日常的に話合われていることを伺わせているのだ。

 

韓国は、「自由と民主主義」を国是としている。文政権は、この国是から勝手に「自由」を外して、「民主主義」だけにしてしまった。これは、北朝鮮との統一を前提にした結果と見られている。北朝鮮にも「人民民主主義」という言葉がある。韓国も、これに併せて「民主主義」だけにしたと見られている。