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北朝鮮の非核化交渉は、10月にストックホルムで米朝実務者協議が物別れに終わって以来、全く進展が見えない。
写真は6月、南北軍事境界線上の板門店に並んで立つトランプ米大統領(左)と金正恩朝鮮労働党委員長(右)(2019年 ロイター/Kevin Lamarque)
[ソウル 9日 ロイター]
- 北朝鮮の非核化交渉は、10月にストックホルムで米朝実務者協議が物別れに終わって以来、全く進展が見えない。
金正恩朝鮮労働党委員長は、米国が交渉姿勢を改める「期限」を年末に設定している。米政府はこうした期限を作為的だとして重要視していない。
一方で北朝鮮の金星国連大使は「非核化は既に交渉のテーブルから外れている」と発言した。
以下で両国の言い分が対立し、交渉の行き詰まりにつながっている事情を説明する。
<敵視政策>
ストックホルムの実務者協議が不調に終わった際に、北朝鮮の代表は米政府が「古い考えと態度」にこだわっていると非難した。
実際に双方が具体的に提示した条件などはほとんど分かっていないが、北朝鮮側はずっと核実験施設の廃棄するのと引き替えに、制裁の解除を含めた相応の「見返り」を米国に求めてきた。
2月にトランプ大統領と金正恩氏がベトナムで行った首脳会談では、北朝鮮は寧辺の核施設を廃棄する代わりに、同国に対する5つの主要な国連安全保障理事会の制裁決議を撤回するよう提案。
米国はこの施設廃棄だけでは不十分で、北朝鮮に核兵器と燃料の引き渡しを要求し、話がまとまらなかった。
当時北朝鮮は、非核化への第一歩として西海衛星発射場を廃棄したとも表明した。
ところが今月1日、この発射場を使って「非常に重要な実験」が行われた。
韓国との合同軍事演習を米国が中止し、人権侵害の批判をはじめとする「敵視政策」を見直すべきだと主張する北朝鮮の声も強まる一方だ。
<完全、検証可能かつ不可逆的>
米国は、北朝鮮の「完全、検証可能かつ不可逆的な非核化」を目指してストックホルムの協議に臨み、その第1弾として北朝鮮に実験の停止を迫ったという。
韓国のある外交筋がロイターに語った。
複数のメディアは、米国が石炭や繊維の輸出に関する制裁の一時解除を提案する方針だったと報道したが、この外交筋によると、ストックホルムの協議は細部を話し合う段階に到達しなかった。
米国と韓国は、韓国から北朝鮮への観光再開など必要ならすぐに取り消しが可能な分野の制裁緩和を検討した半面、
北朝鮮は2月の米朝首脳会談で5つの国連決議を名指ししたように、制裁解除に関する「システマティックな保証」を求めているという。
2016─17年に採択された国連決議は、主として北朝鮮の鉱物資源輸出を制限し、金融取引を禁止。
これにより同国が少なくとも年間10億ドルの外貨収入を得られなくなることが見込まれた。
ただ先の外交筋は、米国は過去に実のある非核化を達成できないまま北朝鮮に多くのメリットを与えてきた過去があるだけに、最初に制裁を緩和するリスクは冒せず、制裁しか北朝鮮に圧力を加える手段がないと指摘した。
同筋によると、ストックホルム協議打ち切りに伴って米国側は次回の協議日程を決めようとしたが、北朝鮮は協力的ではなかった。
<期限>
北朝鮮は自分たちが設定した年末の期限が近づくにつれ、緊張を醸成しようとしミサイルを発射。米国との外交交渉が不調に終われば、金正恩氏が別の道を歩むかもしれないと警告している。
トランプ氏が北朝鮮に対して必要なら軍事力を行使すると発言すると、北朝鮮軍のトップは4日、相応の行動に出ると強調。
先の外交筋は、トランプ氏が再選を目指そうとしていることや、野党・民主党から弾劾訴追されそうな事態に直面していることで金正恩氏が北朝鮮の交渉力を過大に考えているのではないかとの見方を示した。
直近の実験を受け、北朝鮮が17年以降停止していた長距離核ミサイルの発射実験を再開する恐れも出てきた。
同筋は、北朝鮮が各種実験で少しずつ米側の許容限度を広げようとしていると指摘。
米国はこうした実験のたび、大きな話ではないかのように言おうとしているが、「大丈夫な話ではない」と語る。
「年内に交渉が前進しなければ、北朝鮮は何かをする必要に迫られる。
多分それは大陸間弾道ミサイルの実験だろう。
そこで米国はより厳しい態度にならざるを得ず、最悪のシナリオなら交渉は完全にご破算となってしまう」と付け加えた。
PRESIDENT Online
輸出依存度の高い韓国経済は、世界的な貿易量減少の影響もありかなり厳しい状況を迎えている。
トランプ大統領の保護主義的な政策や中国経済の減速などを受けて、ここから先、韓国が短期間で輸出を増やして景気持ち直しを目指すことは難しいだろう。
韓国の金融・財政政策にも限りがある。政策金利は過去最低の水準にある。
利下げの余地・効果とも限定的だ。財政出動をさらに増やすと、韓国自身の信用力の低下=ソブリンリスクが高まることもあるだろう。
文政権が経済の安定と持続的な成長を目指すにあたって、構造改革の重要性は高まっている。
既得権益層に経済的な利権が集中してきた韓国にとって、経済格差を是正し、将来への希望を高めるためにも、改革案をまとめ、実行する意義は大きいはずだ。
ただ、左派の政治家として存在感を示してきた文在寅(ムン・ジェイン)大統領が、企業向けの規制緩和などを行い企業経営を支援するとは考えづらい。
反対に、同氏は労働組合などの支持を維持するために、韓国経済の成長期待を下押しするような政策を進めてしまっているように見える。
安全保障に関しても、文政権の政策は目指されるべきものとは異なる方向に向かっていると考えられる。
この状況が続けば、韓国では世論の分断が深刻化し、経済はさらなる低迷を迎える恐れがある。
足元、従来型の韓国の経済運営は行き詰まりつつあると考えられる。輸出の落ち込みがそれを示唆している。
過去の景気循環を振り返ると、世界的に需要が後退する局面において、韓国では半導体関連の企業などが設備投資を増やした。
その後、米国や中国の景気が上向き、世界の需要が高まるとともに韓国の輸出が増加した。
それによって韓国経済は成長を遂げてきた。輸出依存型の経済運営を維持するために、過去の保守派政権は、財閥企業の経営を重視してきた。
しかし、この発想で韓国経済が全体としての安定感を取り戻し、さらなる成長を目指すことは難しくなっているとみる。
一つの大きな要因として、韓国経済にとって最大の輸出先である中国経済が減速していることがある。
中国政府は財政・金融政策の両面から景気の下支えを重視している。
中国人民銀行は金融機関向けの資金供給を増やしている。
また、中国政府は減税策も導入している。にもかかわらず、成長率は低下し、債務問題が深刻化している。
中国経済が依存してきた固定資産への投資も鈍化している。
新車販売台数も落ち込んでおり、内需も低迷気味だ。「どのようにすれば景気減速を食い止めることができるかわからない」というのが中国共産党政権の本音だろう。
韓国にとって、中国の需要を当てにして景気回復を目指すことは現実的ではなくなりつつあると考えられる。
それに加え、韓国と中国の経済的な関係も大きく変化している。
韓国から調達してきた半導体などのIT関連分野において、中国は自国企業の競争力を高めようと国家総力で取り組んでいる。
その実力は無視できないと考えなければならない。
米国政府が中国のIT先端分野での覇権強化を警戒し、通信機器大手のファーウェイや、監視カメラ大手のハイクビジョンに制裁を発動したことは警戒感の裏返しだ。
中国の需要を取り込み、半導体輸出などによって成長を実現してきた韓国経済は行き詰まりというべき状況を迎えている。
この状況下、構造改革の重要性が高まっている。
韓国経済が落ち着きを取り戻して国力を高めるためには、国全体で新しい発想を実現し、半導体などの輸出に代わる経済成長の源泉を手に入れなければならない。
また市場原理に基づいて成長期待の高い分野にヒト・モノ・カネが再配分するためには、時代に合わなくなった法規制などを見直したい。
規制を緩和、あるいは新しいルールを策定することで民間の活力向上を目指すべきだ。
サムスンは5G関連の需要で業績反転か
経済運営の行き詰まり懸念に加え、韓国では格差問題も深刻だ。
文政権は、最低賃金の引き上げや、高齢者の短期雇用の増加に取り組んだ。
それは既得権益層には有利だ。
一方、就業していない若年層を中心に雇用と所得の環境は厳しさは増しており、韓国の内需を冷え込ませる一因とみられる。
韓国の小売企業の業績などを見ると、個人消費を取り巻く環境の厳しさがうかがえる。
韓国の百貨店やディスカウントストア運営企業の業績や株価は不安定に推移している。
とくにディスカウントストア業界では、業績不振が鮮明な企業もある。
価格帯の低い店舗での購入を控える人が増えるほど、韓国の経済環境は厳しさを増していると考えられる。
また、韓国経済を見わたすと、半導体に代わる付加価値創出の源泉が見当たらない。
サムスン電子では5G関連の需要によって業績反転の兆しが出つつあるようだ。
同時に、同社は有機ELパネル分野などで中国企業が仕掛ける価格競争にも対応しなければならない。
ほかの電機関連企業の業況は依然として不透明だ。
くわえて韓国の電機業界は、半導体の材料や製造装置をわが国に依存している。
新しい産業の育成などを通して、国民全体がより公平に成長を実感するために、政府が企業の賛同を取り付けつつ、改革を進めることは重要だ。
改革に背を向けたまま、韓国が経済の安定と成長を目指すことは難しいだろう。
改革を進めるためには、文大統領が経済状況を立て直しつつ、人々の多様な考えや主張を調整し、国を一つにまとめなければならない。
しかし、文氏がそうした考えを重視するとは想定しづらい。
文大統領は労働組合や市民団体を主要な支持基盤としている。
同氏にとって支持者の意向に背を向けることは、政治生命のみならず、大統領任期を終えた後の人生を脅かすことになるだろう。
韓国では政権交代の都度、歴代の大統領などが逮捕されたからだ。文氏はその展開を避けなければならない。
そのため同氏は、徹頭徹尾、“南北統一”“反日”を政策の根底に据えている。
土壇場で日韓GSOMIAの破棄は回避されたが、当初、文氏が協定破棄を重視した背景には市民団体などの強い意向があったとみられる。
一方、保守派はGSOMIAの維持を求めた。
米国からの強い働き掛けもあり、最終的に文政権は渋々、GSOMIAを延長したというべきだろう。
この状況は、韓国の世論が二分されていることを示している。
南北統一に関しても世代間で意見が分かれているようだ。
若年層には、「南北統一のために自国の負担が増えることは耐えられない」との考えが多い。
それでも構わず文氏は南北統一を目指している。
文政権下、改革の進展は期待しづらい。
文氏の経済政策には、さらに世論分断を深刻化させる側面がある。
最低賃金引き上げは、韓国の雇用を減少させた。労働争議や安全保障面への不安から、韓国から脱出する企業も増えている。
企業の海外脱出が増えれば、韓国の雇用・所得環境は一段と厳しさを増し、格差問題は深刻化するだろう。
やや長めの目線で考えると、韓国の政治家が世論をまとめ、社会全体で新しい発想の実現を目指すことは、これまで以上に難しくなる可能性がある。
文大統領の経済や安全保障などの政策は、こうした不安要素を解消するのではなく、増大させているように見える。
世界経済を支えてきた米国経済の減速や、米中貿易摩擦の激化などが鮮明化した場合、韓国の社会・経済はさらに厳しい状況を迎えることが懸念される。
2019.02.11 連載
「相馬勝の国際情勢インテリジェンス」
韓国、通貨危機への警戒感高まる…日本と米国は支援せず、北朝鮮と経済逆転も
文=相馬勝/ジャーナリスト
【この記事のキーワード】韓国, 文在寅, 通貨危機
米中貿易戦争で中国経済はおろか、徐々に日本経済への影響も懸念され始めているが、日本よりも先に韓国経済が大きなダメージを被っており、1997年に韓国を襲った通貨危機再来への警戒感が高まっている。
かつて韓国の経済危機では、米国や日本が助けの手を差し伸べたが、文在寅政権に対して日米両政府は抜きがたい不信感を抱いているという構図は、
97年の通貨危機の際の日米韓3国関係と同じ状況だけに、韓国が経済的に没落するなか、今月27、28日の米朝首脳会談の結果次第では、米国の経済支援を受けた北朝鮮が経済的に韓国を凌駕する可能性も出てきている。
悪化する日韓・米韓関係 韓国産業通商資源部が今月1日に発表した2019年1月の貿易統計(通関ベース)によると、輸出は463.5億ドルで前年同月比5.8%減となった。
輸出の20%前後を担う半導体の市況悪化に加え、米中貿易戦争のあおりを受けて総輸出の4分の1を占める中国向けの輸出額減少が大きな要因だ。
しかも、輸出の減少は2カ月連続だけに、マーケットでは再び通貨危機への懸念が高まっているようだ。
韓国は97年の通貨危機以外でも、2008年の貿易赤字の際も経済危機が囁かれたほか、11年にも輸出不振と欧州の金融危機の2つの大きな要因が重なり、通貨危機に陥りかけている。
しかし、韓国が08年と11年に通貨危機を回避できたのは、日米両国が韓国にドルを融通したことが大きい。
逆に97年の通貨危機では、「米韓関係が悪化していたため、
米国は日本にもドルを貸さないよう指示し、韓国はIMF(国際通貨基金)に救済されるという不名誉を被った」と元日本経済新聞の鈴置高史が著書『米韓同盟消滅』(新潮新書)のなかで指摘している。
今回も日米の支援は期待しにくい。
なぜならば、日韓、米韓関係が悪化しているからだ。
米国のトランプ大統領は韓国の文大統領が北朝鮮の核放棄を待たずに経済支援を急ごうとする姿勢を強く批判しており、米政権内では場合によっては米韓同盟の打ち切りを主張する声も出ているほどだ。
また、日本は米国以上に文政権に強い不信感を抱いているが、これは言わずもがなだろう。
文氏は1月の年頭の記者会見で、徴用工をめぐり韓国最高裁が日本企業に賠償を命じた判決について、「徴用工問題は韓国がつくったものではなく、不幸な歴史のため生じた問題」などと断じており、1965年の日韓請求権協定を度外視しており、まさに一国の大統領が2国間協定を無視するという極めて無責任な態度を示したからだ。
さらに、ここにきて韓国の文喜相国会議長が米メディア「ブルームバーグ通信」のインタビューで、従軍慰安婦問題に関して「日本を代表する首相か、あるいは間もなく退位する天皇が(謝罪するのが)望ましいと思う」と述べたうえで、「(天皇は)戦争犯罪の主犯の息子ではないか。
その方が一度(慰安婦だった)おばあさんたちの手を握って『心から申し訳なかった』とひとこと言えば(慰安婦問題による確執は)すっきり解消されるだろう」と指摘したのだ。
まったく日本の国民感情を理解していない暴言といえるだろう。
日本の自民党内では駐韓大使の一時帰国や訪日ビザの免除停止、韓国製品の輸入関税引き上げ、日本にある韓国企業の資産差し押さえなどの対抗措置を求める声も出ているのだが、さまざまな制限があり、実行は難しい。
現在、文政権の支持率は低迷しており、その最大の原因が景気低迷だ。
さらに先にも指摘したように、通貨危機の可能性も出ている。
だが、日本国民の対韓イメージは確実に悪化しており、韓国が通貨危機に陥ろうが、かつてのように支援の手を差し伸べようとは思わないだろう。
それはトランプ米政権も同じだ。
北朝鮮の経済成長 トランプ氏は今月27、28日にベトナムのハノイで、北朝鮮の金正恩朝鮮労働党委員長との首脳会談を行う予定で、自身のツィッターで「北朝鮮は金委員長のリーダーシップのもとで経済大国になるだろう。
北朝鮮は経済のロケットになるだろう」と書き込んだ。
これは会談が順調に進めば、米国が北朝鮮への経済支援を進める可能性を示唆したものとも受け取れよう。
そうなれば、韓国が景気低迷状態をさまよっているうちに、北朝鮮の経済成長が進展すれば、南北経済の逆転現象が現実のものとなることも考えられる。
それは、社会主義国の中国、ベトナムが急成長をした例からも否定できない。
そして、もし逆転が現実のものとなれば、北朝鮮による韓国併呑もまったく可能性がないとはいえないだろう。
(文=相馬勝/ジャーナリスト)
【ソウル聯合ニュース】
韓国国会で先ごろ可決された、2020年東京五輪・パラリンピックでの競技場への旭日旗の持ち込み禁止を求める決議案を日本側に伝達するために与野党の議員団が訪日する意思を伝えたものの、日本側がこれに応じずにいることが14日、分かった。
国会文化体育観光委員会の安敏錫(アン・ミンソク)委員長(与党・共に民主党)がこの日、国会で開かれた大韓体育会(韓国オリンピック委員会)などに対する国政監査で明らかにした。
安氏は日本側の態度について、「非常に遺憾であり、傲慢(ごうまん)な態度」とし、「わが国を無視する姿勢が続けば、両国間に外交的にも不幸な状況になるだろう。あらかじめ警告する」と述べた。
その上で、「日本側がわが国の国会代表団の面談日程を決めることを丁重に要請する」と話した。
韓国国会は先月30日の本会議で同決議案を可決した。出席した議員199人のうち196人が決議案に賛成し、3人は棄権した。