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“コロナ解雇”の切り札…メディアも報じない「雇用調整助成金」ってどんな制度?

2020-04-11 17:43:11 | 日記
“コロナ解雇”の切り札…メディアも報じない「雇用調整助成金」ってどんな制度?


4/11(土) 16:56配信

夕刊フジ

 新型コロナウイルスの感染拡大阻止のため、政府は総額108兆円の「緊急経済対策」を打ち出した。

減収世帯に30万円を給付する制度については、「対象が狭い」「手続きが面倒」などと批判が噴出している。

一方で、新型コロナで影響を受けた企業向けの「雇用調整助成金」は注目されている。雇用維持の「切り札」というが、一体どんな制度なのか。

 「全国の労働局の窓口の電話が鳴りやみません。すごい反響だ」

 厚労省雇用開発企画課の担当者は語った。

 新型コロナの影響で、日本の企業の多くは「売り上げ減少」に直面している。

自粛措置として「臨時休業」する企業も多いが、労働基準法第26条では、企業は従業員に「休業手当」として、賃金の最低6割以上を支払わねばならない。

 
追い込まれた企業が、従業員の解雇に踏み切ることを避けるため、休業手当の一部を国が支給するのが「雇用調整助成金」制度である。

 今回のコロナ対策では、全企業数の99%を占める中小企業で休業手当の9割、大企業で4分の3を国から受け取ることができる。

さらに、助成の要件が緩和され、雇用保険に入っていないアルバイトやパート従業員も適用対象になった。

 
例えば、月に30万円、1日1万円の給与をもらう人の場合、休業手当を1日8000円とすれば、この9割の7200円を国が補償する。1日あたりの上限は8330円だ。

 新型コロナ対策担当の西村康稔経済再生担当相は、緊急経済対策を発表した7日夜の記者会見で「一番の狙いは雇用を守り、中小企業をはじめ、事業をしっかり継続してもらうことだ」と強調した。

 ただ、メディアでは前出の「30万円給付」ばかりが報道され、「雇用調整助成金」は、ほぼ取り上げられない。

 冒頭の厚労省担当者は「雇用の維持が、人々の生活安定の『一丁目一番地』だ。

(なぜかメディアは静かだが)企業の注目は極めて大きい。今後も制度の充実を図りたい」と語っている。

コロナで韓国企業が崖っぷちに追い込まれる

2020-04-11 17:24:01 | 日記
コロナで韓国企業が崖っぷちに追い込まれる

自動車、航空などを直撃、経済停滞は不可避に


韓国「中央日報エコノミスト」


2020/04/07 5:40


新型ウイルス肺炎が韓国でも拡大し、航空需要が激減している。写真は旅行客のいない韓国仁川空港

新型コロナウイルスが韓国の産業全般に深刻な被害を与えている。

製造業、サービス業を問わず、韓国国内産業のすべてに及んでいる。

今回の事態は、「2020年はV字型の景気回復」という年初の政府の期待を見事にへし折った。

延世大学経済学部のソン・テウン教授は「景気全般が悪化しているうえに、コロナウイルスで韓国の景気はさらに落ち込み始めた。

特に海外市場への依存度が高く、国際的なサプライチェーンにつながっている企業は厳しい。

雇用も悪化し、景気はさらに落ち込むだろう」と心配する。

自動車のサプライチェーンを寸断

今回の被害の代表例は、現代自動車グループだ。コロナの感染が広がり、世界的な供給網が崩壊したことで大打撃を受けている。今後は、自動車への需要減少も予想されている。

2020年3月19日、現代自動車の株価は終値で6万5900ウォン(約5780円)まで下落した。

これは、リーマンショック後、国際市場で本格的な成長を始めた2009年5月の水準に戻ったことになる。

起亜自動車、現代モービスなど、同グループの主力企業の株価も大きく下落している。

現代自動車の世界販売台数は10年ぶりの最低水準となった。

2020年2月の世界販売台数は23万5745台と、前年同期比10.2%減。

特に中国での販売が急減し、2月の販売台数は1007台にとどまった。

2019年2月は3万8017台だった。同期間、起亜自動車の販売台数も2万2031台から972台と減少。中国の現地工場の稼働は中断し、営業店舗も休業している。

世界の供給網が中断した影響はさらに広がっている。

車体に多様な電子部品を連結する「ワイヤリングハーネス」などを中国の工場から調達していたが、工場の稼働が数日間中断した。

これは現代自動車と起亜自動車だけでなく、ルノーサムスン、韓国GM、サンヨン(双龍)自動車も同じような影響を受けている。国際的な供給網の寸断が産業に悪影響を与えた代表例となった

幸いにも、中国の感染状況は収束段階に入ったようだ。韓国でもピークは過ぎたと見られている。

しかし、もう1つ別の問題が始まった。コロナウイルスの感染者が、これら企業にとって最大の輸出市場であるアメリカとヨーロッパに広がり、現地での需要が減少しそうなのだ。



2020年1~3月は中国市場の沈滞とサプライチェーンの崩壊で厳しい結果だった。4~6月はアメリカとヨーロッパにおける販売に赤信号が灯り始めた。

欧米の需要減退は避けられない

2020年2月の現代自動車の販売実績は、北米とヨーロッパで持ちこたえ、大幅な業績悪化を避けることができた。

2017年にTHAAD(地上配備型ミサイル迎撃システム)配備に中国が反発し、韓国に対して報復措置を行ってから、同社は欧米での販売に注力した。

その結果、2019年の現代自動車グループ全体の売上高で北米とヨーロッパが占める割合は51.7%に達した。

韓国投資証券のキム・ジンウ研究員は、「世界の主要自動車メーカーが欧米に持つ工場の稼働が相次いで止まっている。その分、景気も悪化し、需要減退は避けられない」と分析する。

アメリカにある現代自動車のアラバマ工場では、従業員1人が新型コロナウイルス感染症の陽性と診断され、3月18日午前から稼働を停止している。

ヨーロッパでも工場の稼働が中断する可能性がある。同社のチェコ工場の労働組合は14日間の操業中断と防疫の徹底を要求しているという。

完成車メーカーの危機は、そのまま自動車部品業界にとっての危機でもある。

韓国2位の自動車部品メーカーであるマンド社は最近、製造職社員を対象に希望退職を募った。

さらに社内のジョブシェアリング(循環休業、雇用者を解雇させることなく、雇用者が順番に休業すること)を推進するという。自動車販売の不振が続けば、工場の稼働率はさらに下がると考えた末の決定だ。

同社が製造職で希望退職に踏み切ったのは2008年以来のことだ。

バッテリーメーカーや鉄鋼メーカーの危機感は大きい。世界的な自動車の販売不振が広がり、2020年の上半期の業績悪化は避けられないという。

SKイノベーションとLG化学、サムスンSDIなど韓国のバッテリーシェル生産企業3社は、欧米などに生産拠点を置いており、工場の稼働中断というリスクも抱えるようになった。

この数年間、業績悪化に苦しんできた造船業界もまた、先行きが暗くなった。韓国造船海洋は最近、「世界経済の影響を直接受けており、最悪の状況に備えるほかない。年初に立案した2020年の受注や事業目標と経営計画を全面的に再検討する必要がある」と社員に訴えた。

韓国経済の主軸である半導体産業は、販売といった直接的な被害よりは、市況の回復局面が鈍ることを心配している。

急激な下降局面が続いた2019年の状況から抜け出し、2020年は年初から回復すると思われていたが、その回復時期はさらに遅くなる可能性が出てきた。

旅行需要はほぼ消えてなくなった

旅行業界と航空業界は需要がほぼなくなったと言っても過言ではない。

韓国航空協会は2020年上半期の韓国航空会社8社の売上高が、少なくとも5兆0875億ウォン(約4500億円)減少すると見ている。2月の国際線旅客数は前年同月比で47%減少し、3月はこれよりさらに悪化するのは確実だ。

仁川国際空港によると、3月1日~15日の間に同空港を利用した乗客は41万7009人(出入国合計)で、前年同期比で85.2%も減少した。3月11日の利用客数は1万0522人に落ち込み、1万人割れが目前となっている。

同空港の利用客数がもっとも少なかったのは、SARS(重症急性呼吸器症候群)の感染拡大がピークとなった2003年5月20日の2万6773人だった。

2017年はTHAADによる中韓対立のあおりを受けて旅客数が減少。

2019年は日韓貿易対立の影響を受けていた。

航空業界は今回、コロナウイルスにより最悪の危機を迎え、現状は「生き残りをかけて耐える時期」と言われている。営業活動が事実上中断した状況で、固定費の支出に耐え、事態の収束を待つほかない状態だ。

航空会社は職員らの有給・無給休職を実施した。大韓航空は客室乗務員を対象に無給休職を呼びかけ、アシアナ航空も全職員が10日間の無給休職を実施した。

LCC(格安航空会社)6社もまた、有給・無給休職か短縮勤務を実施している。

航空業界の全職員約4万人の20%ほどが休職しているとされている。さらに、これまで慢性的な人不足に悩んでいたパイロット(約300人)を対象に、無給休暇の申請を受け付けている。例えばイースター航空のパイロット労働組合は、経営危機の克服と苦痛の分担を目的に、賃金の25%を自主返却すると会社側に提案した。

旅行業界では倒産企業が続出

最大の問題は、この先いつまで我慢すればよいのかわからないということだ。2003年のSARSや2015年のMERS(中東呼吸器症候群)のときを振り返れば、感染症は2~3カ月間は航空需要に大打撃を与え、その後需要回復までに最長6カ月が必要だった。

今回の新型コロナウイルスが小康状態に入ったと言っても、少なくとも2020年の上半期までは現在の状況が続く可能性が高い。

そのため、2020年いっぱいは耐える必要がありそうだ。世宗大学経営学部のファン・ヨンシク教授は、「無給休職などで固定費を圧縮しても、その金額は航空機のリースと追加費用より少ない。

グループ内の親会社から現金支援を受けられない航空会社は、危機を乗り越えることは簡単ではないだろう」と言う。

旅行業界は、航空業界よりもさらに深刻だ。

休業どころかすでに倒産する企業も続出している。1月20日から3月13日までに廃業した韓国内外の一般旅行会社は56社との調査結果もある。

ソウル市内中心部の大型ホテルが相次いで臨時休業に入り、外国人の団体観光客が主な顧客だったこれらホテルは、最長で4月末まで営業を中断する。

一方で、石油化学業界は原油価格の下落に苦しんでいる

。韓国最大手のエスオイル社は1976年の創業以降としては初めて、希望退職者の募集を検討している。

新型コロナウイルスの影響ではないが、すでにこれまでの経営難で体力が落ちている企業も、今回の事態で崖っぷちに追い込まれている。

例えば韓国5位の海運業である興亜(フンア)海運が、ついに債権者団の共同管理を申請した。

申請に追い込まれたのはコロナウイルスが主な理由ではない。同社はこれまで、東南アジア航路の船舶過剰供給でコンテナ市況が悪化し、2016年以降の業績が悪化していた。

これまで資産売却などを繰り返していたが、改善効果は得られずにいた。

売り上げ減少が続いていた斗山(ドゥサン)重工業も窮地に追いやられた。

同社は2月に希望退職者を募集。全社休業を検討するほどまで経営状態が悪化している。

同社が2020年に償還すべき社債は1兆2435億ウォン(約1100億円)で、4月の6000億ウォン(約530億円)を皮切りに6月までに保有資金の大部分を差し出さなければならない。

同社のキャッシュフロー創出能力を考えると、手に余る規模だ。

(韓国『中央日報エコノミスト』2020年3月30日号)


韓国与党「共に民主党」は、15日の総選挙を前にした失業者の急増に危機感を強めている

2020-04-11 17:07:53 | 日記
勝又壽良のワールドビュー

好評を頂いている「勝又壽良の経済時評」の姉妹版。勝又壽良が日々の世界経済ニュースをより平易に、かつ鋭くタイムリーに解説します。中国、韓国、日本、米国など世界の経済時評を、時宜に合わせ取り上げます。


韓国、「総選挙」失業者1日当り6100人、与党は危機感持ち国民全てに「支援金要求」

2020年04月07日

韓国経済ニュース時評アジア経済ニュース時評
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韓国与党「共に民主党」は、15日の総選挙を前にした失業者の急増に危機感を強めている。

与党は、これまで新型コロナウイルスの感染者数が減少に転じたことで、総選挙に有利と踏んでいた。

だが、世論調査結果で有権者が最も重視するのは経済状況である。新型コロナウイルスは、二番目のテーマということが判明。

肝心の経済は、失業者が1日平均6100名に及び、最悪事態へ向かっている。与党は大慌てである。いくら「反日」を煽っても、効果は薄れるばかりであろう。

『中央日報』(4月6日付)は、「総選挙に最も影響を与える懸案、民生経済43.1%、新型肺炎21.5%」と題する記事を掲載した。

(1)

「中央日報が世論調査会社エムブレイン・パブリックに依頼して3、4日両日間全国満18歳以上男女1000人を対象に「今回の総選挙で最も影響を及ぼす懸案」を質問し、次のような結果が出た。

① 雇用など民生経済 43.1%

② 新型コロナウイルス感染症 21.5%

③ 検察改革 12.7%

④ 災難支援金 4.6%

⑤ 外交 4.0%

⑥ 南北関係 3.1%

⑦ 比例代表用衛星政党 2.1%」


これを見ると、経済問題が1位である。日々の生活に影響する経済問題を解決できない政権を支持する国民はいない。

経済問題が、総選挙の争点になることは、各国とも同じである。

韓国与党は、「韓日戦」と称して、反日を前面に上げているが、外交は5位に止まっている。情勢判断を誤った。

肝心の経済問題では、失業問題が焦眉の急となっている。


『中央日報』(4月7日付)は、「韓国、1日の失業者6100人、毎日大企業1社分の雇用が消える」と題する記事を掲載した。

新型コロナウイルスが実体経済を襲い失業の高波が押し寄せてきた。1日6000人以上の労働者が失業している。

毎日アモーレパシフィック(従業員6002人)やSKテレコム(従業員5377人)に相当する労働者がいなくなる計算だ。

過去最悪の失業規模だ。それでもまだ最悪ではない。4~5月ごろ失業がピークに達するだろうという見通しだ。

(2)

「雇用労働部が3月失業し失業給与を新たに申請した人を暫定集計した結果、19万1000人であることがわかった。

これは前年同期より6万6000人増えた数値だ。実に53%増加した。2009年に関連統計の作成を始めてから増加人数と増加率とも過去最高値だ。

これまでは最低賃金が16.4%急騰して雇用市場が直撃弾を受けた2018年1月に前年同期より3万7000人増加したのが最高値だった。当時より2倍近い規模で失業者が増えた」

3月の失業給付金を申請した人たちは、前年比53%増と過去最高になった。4~5月にはさらに増えそう。現在の失業者は1日当り6100人と計算されている。まさに、未曾有の「失業時代」が到来する。

これに驚いた韓国与党は、コロナ支援金を所得に関係なく、全国民へ支給すべきという大盤振る舞いを提案する事態となっている。

『中央日報』(4月6日付)は、「韓国与党代表『緊急災難支援金、所得関係なく全国民を保護すべき』」と題する記事を掲載した。

韓国政府が新型コロナ事態で明らかにした緊急災難支援金をめぐり、あいまいな基準が論争を呼んで不満世論が強まるため、与党からも給付対象を拡大すべきだという趣旨の見解が出ている。

(3)

「与党・共に民主党の李海チャン(イ・ヘチャン)代表は6日午前、釜山(プサン)の民主党釜山市党で開かれた民主党・共に市民党合同選挙対策委員会会議に出席し、冒頭発言を通じて「緊急災難対策では地域に関係なく、所得に関係なく、すべての国民を国家が保護していることを見せることが重要だ。

総選挙が終わった後、すべての問題を党が綿密に検討し、国民全員を国家が保護しているという確信を持てるようにする」と述べた。

政府は所得下位70%の世帯に緊急災難支援金を給付することにしたが、李代表は「すべての国民」に言及して給付対象を拡大すべきという趣旨の発言をしたと分析される」

与党は、総選挙対策で国民全員に支援金を分配するように主張している。大盤振る舞いである。

政府は、所得下位70%の世帯に支援金を給付することにしているが、これを上回るものだ。

ただ、冒頭の総選挙に当り関心を持つテーマで、「災難支援金」は4位に過ぎない。

これでは、与党の得票に結びつかないであろう。以上のような状況を見ると、与党には厳しい選挙情勢に見えるが、総選挙の結果はどうなるか。

「わが国は小中華」韓国が日本をずっと下に見続け恨む理由

2020-04-11 16:50:30 | 日記
「わが国は小中華」韓国が日本をずっと下に見続け恨む理由


4/11(土) 11:15配信

プレジデントオンライン

■日中2つの超大国に挟まれた国の末路

中国に隣接する朝鮮半島は、常に大陸からのプレッシャーにさらされる歴史をたどってきました。

それにもかかわらず、強大な中国に呑み込まれず、自分たちのアイデンティティを保ってきたことは、奇跡的とも言えます。

逆に言えば、生き残るためにはきれいごとを言ってはいられず、いろいろな手を尽くしてきました。

長年にわたり、その歴史が刷り込まれているのが現在の北朝鮮・韓国だということです。

そこを理解せず、現在の両国だけを見ていると、判断を誤るかもしれません。

1392年に建国され、日本に併合されるまで約500年続いた朝鮮王朝も、建国当初から中国の明朝と深いつながりがありました。

中国に呑み込まれることは避けたい。しかし、自分たちの力量もよくわかっているので、下手な抵抗をしても無駄である。

そこで、明朝中国の秩序体系をいわば丸ごと受け入れ、その中で自己主張をしていく形を早くから取るようになります。

明朝の対外秩序とは、どのようなものだったのか。

まず周辺の国々は、儒教の中心学派である朱子学に基づき、明朝の皇帝を天下の中心たる中華に君臨する天子と見なします。

そのため明朝皇帝に対する服属のあかしとして、その地の産物を貢ぎ物として天子のもとに持参(朝貢)し臣礼をとる、明朝皇帝は返礼としてその国の君長たることを認可する、というコンセプト・パフォーマンスです。
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朝鮮王朝は、以上を受け入れ、明朝に対して朝貢関係を結びました。

この関係を、大国に事(つか)えるという意味で「事大」と呼びます。

さらに朝鮮王朝は朱子学を国家イデオロギーとし、明朝の官僚システムを積極的に取り入れました。

そうすることで、自分たちを「小中華」、すなわち中国に次ぐナンバー2、日本などその他の周辺国を野蛮な「夷狄(いてき)」と見なしたのです。

ただし、明朝は朝鮮を含めた周辺国をすべて同列の朝貢国と見なしていました。そのため、朝鮮は日本などを内心では見下しながらも、表向きは対等に交わる関係「交隣」を続けました。


■三国間のパワーバランスが変わる

朝鮮はこうした独自の対外関係を築いていましたが、16世紀後半、日本が急速な経済成長と国内統一を果たしたことによって、三国間のパワーバランスが変わります。

元寇の際は一方的に攻められて反撃できなかった日本が、その後約300年を経て強国化し、豊臣秀吉が朝鮮出兵に打って出ました。

これを機に朝鮮は、日本を「何を考えているかわからない、暴力的な脅威」と認識すると同時に、「中国に守ってもらおう」という意識が強くなります。

この朝鮮出兵は、朝鮮半島を舞台にした日本と明朝との戦争でした。

さらに300年後の日清戦争、その60年後の朝鮮戦争も、同様の構図です。

いずれも、日本やアメリカといった海洋のパワーと大陸のパワーとのぶつかり合いで、その接点が朝鮮半島だったわけです。


そのなかでどう生き延びていくか、朝鮮は考えていくことになります。

その後の中国では、明朝が日本との戦争によって衰退し、清朝が建国されました。

明朝は漢人の中華王朝でしたが、清朝は満洲人。朝鮮にとって夷狄の国であり、明朝とは比較になりません。

しかし、清朝を蔑みながらも服従し、徳川幕府が成立した日本とも対等の付き合いを行うようになりました。

朝鮮としては、軍事的には清朝にも日本にもかないません。

そのため、清朝とは「事大」、日本とは「交隣」の関係を保ち続けます。

一方、清朝は前代にいわゆる「倭寇」が沿岸部に盛んにやってきて、軍事的な脅威を与えたという認識で、日本とは関わりたくないという姿勢でした。

また、江戸時代の日本は「鎖国」の体制でしたから、その後の300年は三国間の均衡が保たれました。

この均衡を破ったのは、西洋列強の影響を受けた日本です。

西洋諸国は交易を求めてアジア各国に条約締結を迫り、清朝や朝鮮が大きくは変わらないなか、唯一突出して変わったのが日本でした。

明治維新を経て西洋化を推し進め軍事強国になりつつある日本を、清朝は強く警戒します。

「倭寇」や朝鮮出兵という「前科」があったからです。

その予想は当たり、1879年には清朝の属国だった琉球を一方的に日本に組み込む琉球処分を断行し、朝鮮とは1876年に、朝鮮を独立国と見なす江華島条約を結びました。