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李朝と同じ改革無関心、既得権益集団が支配する社会、コロナ後の失速は確実

2020-05-18 15:40:58 | 日記
勝又壽良の経済時評

日々、内外のニュースに接していると、いろいろの感想や疑問が湧きます。それらについて、私なりの答えを探すべく、このブログを開きます。私は経済記者を30年、大学教授を16年勤めました。第一線記者と研究者の経験を生かし、内外の経済情報を立体的に分析します。


2020-05-18 05:00:00

李朝と同じ改革無関心、既得権益集団が支配する社会、コロナ後の失速は確実

テーマ:ブログ

仏革命のジャコバン派と瓜二つ

韓国2大特権集団の凄い怒髪力

低い新薬開発力で治験段階の涙

高い自営業比率が示す前近代性

韓国は、いろいろな顔を持っている。民主化運動で軍事政権を倒したという歴史が、その後の韓国に錯覚と傲慢をもたらしたことは事実だ。


この民主化運動の立て役者が、現在の文政権を支える「86世代」である。1960年代に生まれ、1980年代に学生生活を送り、民主化闘争で火焔瓶を投げまくった学生運動家である。

単に、学生運動家だからと言って批判するのではない。日本の政治家でもそういう経歴の人たちはいる。

日本の場合、社会へ出て諸々の経験と知識を積んで政治の途に入ったという経歴が大半だ。

韓国の学生運動家は、卒業後に在野の社会運動に身を投じ、系統だった政策立案の経験を積んでいない人たちが多いのである。

要するに、「86世代」は韓国の世直しに成功したという錯覚で、好き勝手な政策を行い、韓国の社会や経済を混乱させているのだ。

そのことに、国民が気付いていない点にも大きな問題がある。先の総選挙は、文政権の政策を総点検するこの上ない機会であった。

だが、コロナ禍による「国難」意識が災いして、現政権の政策継続へ「ゴー」サインを出したのである。

コロナ後の世界変革の中で、韓国は取り残される危険性が高い。それは、既得権益階級に振り回されてしまい、メスを入れてまで改革を行なう意思がないことだ。



仏革命のジャコバン派と瓜二つ

話は飛ぶが、フランス革命(1789~99年)でジャコバン派が、独裁を敷き革命の熱気に動かされメチャクチャな政策が行なわれ大混乱した。

現在の韓国は、火焔瓶闘争の最前線で活躍した「86世代」が、間違った世直し感覚で政治を行なっている。

反日と反企業という感覚的反発で、韓国の外交と経済の舵を好き勝手に動かす矛楯に気付いていないのである。

韓国に取り返しのつかない結果をもたらすが、複眼的な思考能力を失っているのだ。その韓国ジャコバン派の頭目が文在寅である。


政策立案は、深い洞察と長い経験があってこそ初めて可能になる。文政権には、そういうベテランが存在しないのだ。

これまで、政策立案に立ち会ってきた官僚機構は、無用の長物として排斥されている。

それゆえ、感情的で行き当たりばったりの政策に陥っている。

その最適例が、GSOMIA(日韓軍事情報包括的保護協定)を巡るドタバタ劇である。

素人が、感情論だけで反日米政策に舵を切り大失敗した。嗤うに笑えない素人劇である。

この文政権が、政権運営の指針にしているのは政権支持基盤の労組と市民団体の意向である。

一見、民主的に見えるが、実態は全く異なっている。韓国における最大の既得権益集団であるからだ。

この両団体は、飽くなき権益追求の点で朝鮮李朝の両班(ヤンバン)という特権階級に近い立場である。

理由もなく、政権から優遇されて当然という特権意識に支えられているからだ。

両班とは、次のような歴史的産物である。

もともと、科挙(かきょ:官僚)試験は基本的にを除いた住民に広く受験機会が開かれていた。

ただ、受験には学問や知識が必要であり、経済力のある家庭に限定された。

こうして科挙試験を合格し官僚になれたのは、両班階級が大多数を占める結果になった。

李氏朝鮮では、両班階級が事実上官僚機構を独占し、特権階級になった。李氏朝鮮末期には国民の相当多数(地区によっては7割以上)が戸籍上、両班階級だったと指摘されている。

現代の韓国人で、祖先が両班でないという人は珍しいのである。

この事実こそ、極めて重要である。両班制度は、実質的に日韓併合で追放された経緯がある。

韓国人の家庭で家系図が持ち出せば、祖先の栄耀栄華な生活を追放したのは、日本の併合となろう。

日韓併合が、韓国近代化へ道を開いたという大所高所の話は吹き飛んで、両班という支配家族を没落させた話に矮小化され、日本への恨みで「反日運動」が盛り上がるのであろう。

ここで、話しを整理しておきたい。

現代韓国における労組や市民団体の既得権益集団意識は、朝鮮李朝の両班制度に深く根ざした特権階級意識を受け継いでいる。

それゆえ、文政権はこれに反する政策決定は不可能である。

両班制度が、実質的に追放されたのは日韓併合である。

労組や市民団体の既得権益集団は、必然的に「反日」へ傾斜するDNAを持っているのだろう。祖先の敵討ちという報復論である。

そうでなければ、福島原発の汚染問題を非科学的根拠で誇大宣伝している理由が、分からないのだ。完全に、感情論の虜になっている。