朝鮮戦争の英雄、ペク・ソンヨプ将軍、国家功労者の入る墓への埋葬を拒絶される……その理由は「親日派」だったから
2020年05月29日
6・25戦争の英雄に顕忠院の土地1坪も出してやれないだなんて…(朝鮮日報)
韓国の国家報勲処が最近、6・25戦争の英雄であるペク・ソンヨプ予備役陸軍大将(写真)側を訪ね、「国立墓地法が改正されたら、ペク将軍が顕忠院に埋葬されてもまた移すということが起こるのではと心配している」という趣旨の発言を行ったことが26日までに分かった。
今年で満100歳を迎えるペク将軍は最近、体を動かすのが不自由になったと伝えられている。
報勲処は「ペク将軍の健康が良くないというニュースを聞き、将軍の正確な健康状態を尋ねようとして行った」と説明したが、ペク将軍側は「家族全員、最悪の事態まで考えている」とコメントした。 (中略)
ペク将軍側は「報勲処の職員らは、もしペク将軍が亡くなられたら大田の国立顕忠院に葬るしかない、と言った」と伝えた。
韓国政府はもともと、6・25戦争の英雄であるペク将軍の象徴性は大きいだけに、死去した場合には大田顕忠院ではなくソウル顕忠院に埋葬する案を検討していた。
現在、ソウル顕忠院の「将軍墓域」は場所がないが、「国家有功者墓域(1坪=約3.3平方メートル)」を活用する案が考慮されたという。
ところが政権が変わった後、報勲処側から「ソウル顕忠院に将軍の墓域はない」という立場を伝えてきたのだ。
さらに大きな問題は、その後の発言だった。
ペク将軍側は「報勲処の職員が、
『光復会の金元雄(キム・ウォンウン)会長が総選挙前に国立墓地法改正関連のアンケートを行い、
改正法案を(一部与党議員に)推進しており、この法案が通過したら将軍が顕忠院に埋葬されてもまた移すということが生じるのではと心配』という趣旨の発言を行った」と明かした。
光復会は4・15総選挙の直前、各候補者を対象に「国立顕忠院に埋葬された親日反民族関係者を移して親日行跡碑を設置する」という内容の国立墓地法改正案への賛否を問うアンケート調査を行った。
当時、政界では「総選挙の期間中は弱い立場にあることが避けられない候補者に対し、『親日』という名目のくぎを打つ法案の選択を強要している」との懸念が生じていた。
報勲処の職員はこの改正法案に言及し、ペク将軍には親日の行いがあって、顕忠院に埋葬されても追い出されかねないと示唆したのだ。
これについて報勲処は「また移すことがあり得るという発言を行ったことはなく、光復会が国立墓地法改正を推進したいとしている状況を共有する観点から話をしたもの」と釈明した。
だがペク将軍側は「家族もそれならと、最悪のケースを考えている」と伝えた。
韓国政府内外では、このところ与党側から出ている国立墓地法改正の動きはペク将軍など一部の人物を念頭に置いたものではないか-という声が上がった。
与党「共に民主党」の金炳基(キム・ビョンギ)議員と李寿珍(イ・スジン)当選人は24日、ソウル顕忠院で「親日派の墓を破墓(墓を掘り起こすこと)しよう」と主張した。
韓国軍関係者は「6・25戦争の英雄であるペク将軍が顕忠院に埋葬されるのは当然のことで、これを論争にすること自体が懸念すべきこと」と語った。
(引用ここまで)
ペク・ソンヨプ将軍といえば、朝鮮戦争で釜山を死守した韓国では数少ない本当の本物の英雄と呼べる人物。
当時の韓国軍は、軍とは名ばかりの寄せ集めで戦車なし、戦闘機なし。
そりゃ大統領だって自国民を騙してソウルの漢江にかかった橋を落として逃げ出すわなっていう状況。
アメリカ軍の将官すらも北朝鮮の捕虜になる中、多富洞の戦いで准将自ら先頭に立って戦ったという人物です。
多富洞の戦いで負ければ釜山まで危なかった=韓国全土が占領される寸前だった、という状況でしたからその後の反攻まで考えれば「韓国を救った救国の英雄」と言っても過言ではない。全然過言ではない。
正直、朝鮮戦争に関する戦記や本人の回顧録を読むとなんで生きているのかよく分からない人物だったりします。
そんな英雄がソウルの顕忠院 ── 国家への功労者が入る墓地 ── に埋葬されることを妨げられようとしている。
それどころか大田にあるもうひとつの顕忠院に埋葬されたとしても、墓が暴かれて移葬されかねないという状況。
ペク将軍はかつて「親日派リスト」に掲載されたことがあるのですね。
戦前に満洲国軍に属していたことから、朴正煕と同じ扱いをされているわけです。
こうして虐げられている原因はムン・ジェイン政権であり、総選挙で177議席という大勝利を遂げた共に民主党。
もはややりたい放題。なんでもできる。
韓国与党議員「顕忠院で親日派の墓を掘り起こせ」…野党「剖棺斬屍するのか」(朝鮮日報)
「親日派の墓を破墓(墓を暴くこと)するぞ」と気勢をあげているとのこと。
ペク・ソンヨプ将軍は朝鮮戦争で戦果を挙げた英雄であり、共産ゲリラを掃討していたという経歴もあるのでその存在自体が気に入らないのでしょう。
例の親日財産還収法を適用されそうになったこともありましたっけ。
自国の比類ない英雄に対してすらこうして事後法で裁こうというのですから、日本との条約なんて無視しても当然ということでしょう。
若き将軍の朝鮮戦争 (草思社文庫)
善〓, 白
草思社
2013-04-01