もしも二者択一だとして
- 目の前で法律違反があっても「見なかった」とする中国
- 「法は破る為にある」とまで豪語する人がいる法治国家
このどちらかを選ばなければならないとしたら、皆様はどちらを選びますか?
どちらも困ったことで、マシなのはどちらかというレベルの低い話で大変恐縮です(笑)。
わかりやすくするため日本でのたとえ話で中国の仕組みを説明すると
- 総選挙ではなく自民党員だけによる選挙で日本全体の国政が運営される。←とんでもないことですね。自民党を信頼している人がどれほどいるか。
- 末端の行政機関の行政の首を選ぶのに、自民党員だけではなく住民一般から選ばれる選挙制度が取られることは、かつてあったようですが極めて例外扱い。ご存じの通りある地域で行政の長を選ぶ選挙でも、自民党が認めないと立候補さえできない仕組みなので、これに異を唱えている人たちがデモで抵抗しました。←考えられないことですか。
- 自民党員になるには、それなりの資格と袖の下が必要です。←きっとそうでしょう。
- 自民党員になれる人は、自民党を支持する人の中でも、一部の人に限られているのです。←一体誰が望むのでしょう。そうです甘い汁を知った人だけなんでしょう(笑)。
- 若手の自民党員には2世3世がいるようで、3バン(地盤・看板・鞄)が必要。←自民党さえ利権をむさぼるだけの利益団体に成り下がりました。
上記で「自民党」を「中国共産党」に置き換えると分りやすいかと思います。
いくら選ばれたとは言っても、しょせん中国共産党内での不透明な選挙で選ばれただけであり、まったく中国人を代表する中国共産党幹部ではないのでした。
私が従来から言い続けている、「中国共産党が崩壊して中国人全員が参加する総選挙が実施されない限り、中国を信用することはできない」、というのは、ここにあるのでした。この信用度合いは、決して内政干渉ではなく、私自身の素朴な印象であり、これを主張する権利が内政干渉に当たるとは思っていません。
そもそも中国は自分では他国に様々な内政干渉をしておきながら、自分たちが否定されると顔を引きつらせて「内政干渉だ」と怒り狂うという愚を演じております。異論を許さない社会制度の怖さですね。
しかし
- 韓国では、選挙で選ばれた大統領朴槿恵の辞任を要求し「私たちの大統領ではない」と抗議デモ。これは選挙後の国政運営に不満をもった人が、支持から豹変して、排除に走ったからでしょう。←この問題についてはほかでも触れていますが。
- 米国では、まだ就任しておりませんが選挙で選ばれたトランプを排斥し「私たちの大統領ではない」とする抗議デモがあります。ヨーロッパでも似たような偽悪者トランプを排除しようとしています〔「偽善者」は分りますが「偽悪者」とは?〕。あきらかにこれは、自国民同士の対立でしょう。ある選挙民が「反感をもつ選挙民に直接抗議する」のではなくて、「選ばれた人を否定することで、間接的にその人を選んだ選挙民を否定する」という仕組みです。銃を携帯する自由が銃の国を作りあげていますが、銃規制はするべきだと考える人たちと深刻な対立があります。
韓国・米国などには、このように自らが選んだ大統領を排除しようとする似た動きがあるのですが・・・・・・
中国では
- 昨年2015年までは、反米、親韓
- 今年2016年からは、反米、反韓
へと豹変しており、言論・人権・報道を弾圧する点では何も変わりがない国家です。
まとめますと
米国や韓国で見られるように、選挙で選んだ大統領でさえ、選挙民がその大統領を排除しようとしている
のですが
中国はそれにさえ至っていない国であり、選んでいない首脳の辞任要求など、まず不可能
なのでした。
ところがイギリスでは
国民投票によって「EU離脱」が決まったのですが、イギリスの裁判所が、「行政がEUに対して離脱を通告するのに、立法府の承認が必要」との認識を示したようです。
政府が国民投票を実施しその結果が出たのに、政府がその結果をEUへ通告することができず、事前に議会の承認が必要だと言うのです。
法治国家とされる国でさえ、その多くの人たちが選挙で選ばれたにもかかわらず、国民投票・立法・行政・司法の優先順序を設定していないようなのです!
行政府が決めた国民投票の結果ですが、司法の判断では「EUへの離脱通告には、立法府の承認が必要」だというのですが、もしも立法府が行政の判断を否定したらどうするのでしょうか。再度、立法や行政の選挙をやり直すのでしょうか。それとも国民投票を再度行なうのでしょうか。そこで再び対立すればどうするつもりなんでしょう。
「選挙によって選ばれた人たちを互いにけん制させる」慎重さ、はいいとしても、これでは永遠に何も決まらない制度なのではありませんか。それとも想定外の事態なので、これから法整備が必要なのでしょうか。
対策として考えられるのは・・・・・・
- 法整備をしてこの矛盾をなくす。
- 軍関係者がしゃしゃり出る(クーデター)。
- 王がしゃしゃり出る(王政)。
今年2016年には
国民が選んだ大統領や行政府を国民が信用しない
という事態が起ったのです。もちろんこの「国民」が、まったく同じとは言えないでしょうが・・・・・・。
悩み多き時代ですが、その悩みさえ共有していない中国なども見られますね。
最後に、冒頭に示した2つの選択に戻りますが
目の前で法律違反があっても「見なかった」とする中国
非法治国家にみられる最悪の状態で、これを放置し続ける限り、非効率な国家運営が続き、やがて一党独裁は破綻するでしょう
「法は破る為にある」とまで豪語する人がいる法治国家
法治国家の「法」が機能していない最悪の状態で、これを放置し続ける限り、国民の不満は高まり、自らが選挙で選んだはずの行政や議会さえ信頼できなくなるでしょう。現在の状況です。
常に今を俯瞰する必要がありそうですね。
さてさて、皆様はどう思われますか。