昔々、ある所にお爺ちゃんとお婆ちゃんが住んでいました。
朝起きの上手なお爺ちゃんは、毎日散歩に出かけました。ある日、夜露に濡れた草で足元がびっしょりと濡れてしまいました。「あぁ~!この前まで暑かったのにのぉ~!? もう秋が来たんかのぉ~!!」とつぶやきました。
次の日も朝早くから散歩に出かけました。いつもと違い、竹筒を手に持っていました。お爺ちゃんは、草の上の朝露を一生懸命集めて回りました。なかなか集まりません。それでも一生懸命集めました。
少したまった竹筒の朝露をうれしそうに大事に持って帰りました。お婆ちゃんが小さな小さな鉄瓶で朝露を沸かしました。お爺ちゃんがこれまた小さな小さな急須にお茶を入れ、朝露のお湯を注いでお茶を注しました。
季節の変化を感じながら過ごす、長い長い1日の始まりです。