Gメモリーズブログ

有限会社クリエイティブデザイン羽沢組

ソフビ制作裏話 その87

2008年12月02日 | 制作裏話
制作裏話「デスゴジ メルトダウンバージョン」編 Part.4

■2つの「メルトダウン」をイメージしたカラーが決まったものの……

 前にも書いた事はあるのですが、当時バンダイ系列のメーカーさん以外でデスゴジソフビを作ったのは弊社が初めてだと思います。バンダイが作るイメージにとらわれずに、シチュエーションのカラーリングをデスゴジで具現化する事の前例はありませんでしたから、デスゴジのカラーリング、バリエーションを考えるのはかなり楽しい作業です。
 視野を狭めてしまう懸念もありますが、それがあえて「デスゴジ・カラバリ計画」という枠を作ったきっかけでもあるのです。
 中でも「メルトダウン」は、ある意味デスゴジの最大の見せ場ですから、より考え企画する楽しさは大きいものです。

 劇中シーンに近くしたいがために考えたのは、白に近いクリア成型に金と銀のラメを細かく入れる事でした。一見全体が白に見えてもラメによってキラキラして見えるように…、そして「カッコかわいく」から外れないように「リアルなゴジラの哀しさ」よりも「せつなくもきれいである事」を重視したいと思いました。
 成型色の白と透明の具合も成型屋さんに相談に乗っていただいて、かなり前からサンプルを用意していただきました。
 塗装に関してはそのボディこそが全体イメージですので、最低限だけを塗る事にしました。身体には基本的に塗らずに、発光を強調すべく背びれの先端とツメのみ、後はキバと目だけです。そしてその目もいつもとは変えてメルトダウンをイメージした色にしたいと思いました。
 その少ない塗装部分の色は最後まで悩みました。銀を中心にと最初は考えたのですが、試しに塗った金を中心にした場合も捨てがたいのです。
 そこで「両方やっちゃえ!!」と言う事で、2種類企画したのです。ネーミングも「メルトダウンゴールド」と「メルトダウンシルバー」として彩色サンプルを両バージョン作成。
 画像で見ると効果はイマイチ伝わらないのかもしれませんが、白に近いクリアとラメの加減がかなりメルトダウンのシーンに近くなっていると思いましたし、今までのゴジラソフビにはないイメージで「カッコかわいくきれいなゴジラ」になったと思います。
 これで2007年1月発売できると楽しみにしていました。

 ところがそううまくはいきません。
 「ゴジラは白くありません。『ゴジラVSデストロイア』でゴジラが白く見えるところはありません。」
 と言う事で東宝様からのNG。
 つまり発売はできなくなったのです。


▲これがNGの2つ。左「メルトダウンシルバー」右「メルトダウンゴールド」として予定していたものです。
NGになったものをお見せするのは本意ではありませんが、説明上今回だけ特別に。
以前にも「メルトダウン」をイメージしたカラーでNGになった事があるとここで書きました。
この2つがそれの事なのですが、その後何人かの方に「見たい」と言われており、
中には「レアなので高くてもいいので売ってほしい」と言う方もいらっしゃいました。
お言葉は嬉しいのですが、丁重ににお断りさせていただいております。
東宝様の許可のないゴジラは売る事はできないと言うのが大前提ではありますが、
生意気ながらもキャリアも短く小規模の弊社でも一応「モノ作り」としてのプライドがありまして、
NGと判断したものを売ってお金に変える事はできません。その点はご了承下さい。