Gメモリーズブログ

有限会社クリエイティブデザイン羽沢組

ソフビ制作裏話 その147

2009年10月14日 | 制作裏話
制作裏話
キングギドラ シャイニングゴールド 編
PART.1

 今日から昨年11月に発売を開始した「キングギドラ シャイニングゴールド」の制作裏話を何回かに分けて書きます。
 商品の詳細につきましては、2008年10月4日の記事、同年10月23~27日掲載の「こだわり」をご覧下さい。
 商品は発売中ですので、ご希望の方はお電話にてお申し込み下さい。残りの数は少なくなっておりますのでご注意下さい。
 
■クリアに不向きな怪獣

 弊社「キングギドラ」の第4弾カラーとして企画したのがこの「シャイニングゴールド」ですが、前3作とは違いクリア(半透明)成型で商品化したものです。
 このクリア成型は、早い時期から「ぜひギドラをクリアで」というリクエストをたくさんいただいていましたので、それに応えた形です。

 これまで弊社の各ゴジラソフビではいくつかクリアでの成型商品も発売してきましたが、この「キングギドラ」では躊躇していました。「こだわり」でも書きましたが、どうしても成型上クリアの場合は気泡が目立ってしまうのです。
 前にも書いた事がありますが、「キングギドラ」はGメモリーズセレクションのサイズでは、どちらかと言うとソフビには不向きな怪獣なのです。ましてやクリア成型では難しさはよりアップしてしまいます。
 理由は形状です。頭のパーツ等は成型時の抜き方向に逆らった突起や凹凸が多いため、スムーズに抜けてきちんと正しい方向に角や突起等をつける場合は、それぞれ1本ずつ別パーツにして接着すれば良いのでしょう。しかしそれではそれらのパーツが小さくなるため破損しやすくなるし、パーツ数が増えると言う事は価格も上げざるを得ません。しかもギドラの場合は頭が3つありますから。
 破損をなくするためと価格をできるだけ押さえたい……そのため1つの頭はできる限り1つのパーツで作るしかありません。
 そうなると当然、成型に無理が出てしまうわけです。通常の原料(クリアではないもの)ですと、色が濃いためと透けていないため内部の気泡はほとんど見えませんし、彩色もあって外側からは見えないのです。逆に透けてしまうクリアでは、彩色しないとそれが見えてしまうし、耐久性と言う点でもクリアは柔らかいので時には穴になってしまうケースもあるのです。

 私個人でもキングギドラは大好きですし、皆さんと同様にクリア成型の「キングギドラ」を欲しいし作りたい気持ちはありました。が、そう言った事情で半ば諦めかけていたのは事実です。
 しかしリクエストをして下さる方々の熱意に負けてしまいました。イベントの度に言い続けて下さった方もいらっしゃったぐらいです。そこで何とか実現できないかと、いつもお願いしている成型屋さんに相談。最初は実験的に色のついていない透明で抜いていただいたりもしました。クリアで可能なのか、可能だとしてもどの辺に多く気泡が発生しやすいのかを知るためです。
 ぶっちゃけちゃいますと、一番気泡が多かったのは頭のパーツの首への付け根の近く、ちょうど毛の辺りです。突起は気泡が出たりでなかったり……。
 ここから解決方法の模索が始まりました。

 続きはまた明日。

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