Part.3 全体の配色について(1)
■デスゴジ風にしないために
この「ビオゴジ 三原山出現バージョン」は、その名の通り劇中のゴジラが爆発する三原山から出現するシーンをテーマとした配色で企画したものです。
そのため三原山火口の爆発の炎や爆風、塵等の中から現れる様子の表現が必要と考えました。
最初に考えたのは、全体のイメージを赤系、オレンジ系の印象になる配色です。爆発の炎を中心とした表現にするためです。成型色を暗めの色にして、炎の照り返しで反射している部分だけを赤やオレンジで塗装するパターンです。さらに一部や細部で爆風や塵等の汚れた部分を表現しようと思いました。
今でも決して間違った表現にはならないと思いましたし、テーマからも外れないものだと思います。
が、いったんそれを白紙に戻しました。
デスゴジに似ていると思われる可能性があるからです。
ご承知の通り、平成VSシリーズのゴジラはすべて造形が似ています。デスゴジには全身の各所に見られる赤やオレンジのファイアーパターンが見られますので、最初の配色案をビオゴジで表現するとデスゴジに近くなってしまう恐れがあるからです。
これまで他社さんのゴジラソフビ商品でも、ビオゴジをはじめとする他のゴジラで赤系、オレンジ系の配色、デスゴジ風にして発売されていたものが多くありました。レトロタイプでは今でもよく見られます。それぞれのゴジラの造形に合っていたり、シチュエーションを彷彿とさせられている物は赤いゴジラでもアリだと思いますし、これらを全否定する訳ではないのです。が、あきらかにデスゴジを意識しているだろう、赤系だから売れるだろう意図だけで作られているなぁと感じてしまうものは、コレクターやゴジラファンの気持ちになると「どうだろう?」と疑問視してしまいます。
弊社のビオゴジで、シチュエーションテーマを明確にしているにも関わらず、赤系、オレンジ系の配色にしてしまうと、「デスゴジを意識している」と勘違いされたり、イメージダウンになってしまう可能性が大きいと思うのです。
ましてやこの頃、「流行なの?」と思えるほど、レトロソフビメーカー各社でそういったいろんなゴジラで赤系の商品がたくさん発売されていました。
ですから、この時期に近い色のビオゴジを発売するとなるとその中に埋もれてしまうようで、こういった配色を避けたいと考え、別の案を改めて考えたのです。