Gメモリーズブログ

有限会社クリエイティブデザイン羽沢組

ソフビ制作裏話 その207

2010年10月30日 | 制作裏話


Part.3「A作戦」と「B作戦」


▲「モスゴジ 電撃B作戦バージョン」

■ゴジラのダメージの違いを表現
 皆さんご承知の通り、劇中での防衛隊の放電攻撃は2パターンありました。「A作戦」と「B作戦」です。
「A作戦」は、進撃を続けるゴジラに対して三千万ボルトの強力な電流を放射し、苦しめる作戦。A作戦地区で高圧電流を流されたゴジラは、青白い電流がゴジラの体内を流れ、ダメージを受けます。
 続いて「B作戦」。「A作戦」を振り切ったゴジラは、B作戦地区に誘導されて空から帯電ネットをゴジラにかぶせられ、強力な放電攻撃を浴びせられます。鉄塔から放射される高圧電流にゴジラはダメージを受け、全身に白い放電が走ります。

 当初、両方のイメージを掛け合わせたバージョンとして1つの種類も考えました。シーンとしては続くものですし、ゴジラの受けるダメージも近いものがあるからです。
 結果的に2つのバージョンとして区別化して制作したのですが、決め手となったのはゴジラの受けた電流の描写の違いです。劇中ではきちんと色や電気の流れる表現に違いが見られるからです。当時の光学作画の方の技術の高さがわかるものです。ファンとしてはこの違いを見過ごす訳にはいきません。
 マニアックと言われてもやはりその違いは出したいし、こういう展開をあえてしようというメーカーはきっと弊社ぐらいでしょう。お客様の反応がどう出るのかという不安はありましたが、商品ではあえて近い配色でありながらもそれぞれの表現をしつつ別のものとして商品化する事にしました。

 両商品の具体的な配色の詳細やその意図等は前に「こだわり」で書きましたので、ここでは割愛させていただきますが、続くシーンの表現である事、それぞれの放電攻撃を表現すべく一部だけの塗装で差を付ける事、モールで放電ダメージの違いの表現をする事で区別化し、違う「モスゴジ」として作った訳です。