Part.3 造形のディフォルメについて(2)
今日は「メカゴジラ」の造形上の細部のディフォルメ部分について。各部分のアレンジした所を説明します。
▲写真は原型です。
■「かわいさ」重視のディフォルメアレンジ
実物の頭部は共演のゴジラに比べればやや小さめ、面長ですっきりした顔になっていますが、弊社商品では5頭身のため、やや大きめの印象になるように作っています。
比率的には全体的に前後の幅を縮め、かわいくなるように圧縮したイメージにアレンジしました。一番強調したのは目の部分のサイズで、実物の率に比べて約1.5倍ぐらいになるように大きめにしております。
ボディ部分は全体的に、横の比率を維持したまま、縦だけを縮めるようにアレンジしました。細部の立体箇所は強調する部分と抑えて小さめにする部分と分けて、違和感のないように調節しました。形状が複雑な所もありますが、可能な限り省略する事のないように心がけました。
背びれの形状もイメージからはなれない程度に、実物よりやや丸みを加えてかわいくなるようにアレンジしています。
尻尾は実物の約70~80%ぐらいに縮めた長さにしています。他社さんのメカゴジラソフビの多くは尻尾が短いのですが、実物はそれなりの長さがあります。尻尾の長さで印象はずいぶん変わるものです。ゴジラ同様、長い尻尾の怪獣は、ソフビでもできるだけ長くありたいものです。
手足はさらに実物の比率より下げて、より短くなりました。かわいく見せるためです。手も足も実物と比較してほぼ60%ぐらいの長さにしています。手首から先だけは小さく見えないよう80%ぐらいの比率です。
手足が短く作ってあるため、細部の立体箇所はボディのそれよりもさらに極端に強調する部分と抑える部分とを極端に造形しました。特に腕のMGマークは比率的には逆に大きく作ってあります。
手足の関節部分にはそれぞれ蛇腹になっているところがありますが、実物はいずれも鋭角で薄いものが重なった形状になっています。弊社商品でこれを再現するとリアルな方向になってしまう恐れがありますので、それを一切やめて鋭角部分は作らず丸みを帯びたやや厚めの形状にアレンジしました。
また足はあえてガニまたになるように作ってあります。弊社商品のゴジラと並べた時に、ゴジラと戦う時の構えをイメージしたのもありますが、かわいく見せるためでもあります。この辺のポーズの話はまた後日。