2.ゴジラの破壊シーン
■名古屋城破壊シーンのエピソード
『モスラ対ゴジラ』でゴジラが名古屋城を破壊するシーンは、リハーサルにない予定外の撮影エピソードがあったのはファンの間でも知られています。
ゴジラ(中島春雄さん)と操演とのタイミングが悪く、ゴジラが寄りかかるように名古屋城の天守にぶつかってしまったのは劇中シーンでも見られます。足を滑らせるシーンとゴジラが暴れるように天守を破壊するシーンは別に撮り、それを編集で上手くつなぎあわせた円谷監督の演出で一連の流れに見せているのです。このエピソードは中島さんの自伝「怪獣人生」でも書かれています。
イレギュラーであってもゴジラ映画の名場面として今でも語られるのですから、円谷特撮の面白さと素晴らしさがよくわかります。
劇中でゴジラは名古屋市内を蹂躙した後に名古屋城に向かいます。エキストラによる避難シーンも登場しますから、いくつか名古屋城やその付近での撮影ロケをしている事がわかります。
ゴジラが名古屋城付近に現れ、近づいて、足を掘りに滑らせて天守にぶつかる…。
カットのつなぎで自然に見えていても、ゴジラの進む方向が不自然に見えました。これは先日のイメージ画像を作るためにいくつか名古屋城の写真や配置を調べてみて感じた事です。名古屋城の天守の近くにゴジラの頭が見えるカット(本物の名古屋城とゴジラ合成)から、足を滑らせて倒れるカット(ミニチュア)につなぐとしたらわざわざゴジラは回り込んでからそうした事になるのではないでしょうか? 建物の配置、城全体の配置を考えても「あれ?」と思ってしまいました。
すでに気がつかれていたゴジラマニアの方や当時の名古屋城をよく知る方々はいらっしゃるかもしれませんが、私は長年何度も作品を見てきて初めて気がついた事でした。
知ったかぶっていくつか書いておりますが、私は城には詳しくはありませんし、名古屋城にも行った事はありません。だから私のような名古屋城に行った事のない者にとっては編集の上手さで気がつかなかったのでしょう。
また、方向のおかしさを指摘するのは私の間違いかもしれません。
現在の名古屋城と当時の名古屋城の各建物の違いや見え方、風景に詳しい方がいらっしゃいましたらぜひ教えて下さいませ。