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地方自治の危機(追記60)空虚な議員報告

2020-04-06 11:25:14 | 地方自治
 たまたま、市議会の議会報告と、国会議員の議会報告が新聞の折込みに入っていた。両者とも、光沢のある上質紙にカラー印刷されていて、思わず手に取りたくなるような印象を与える。しかし肝心の中身は、歯が浮くような言葉が並んでいる。具体的記述を避けて、上位の抽象的概念のみを述べているからである。

市議会の例では、「安心・安全な道路整備について」という議会の質問に対し、市の回答は「高齢者が車に乗らなくなって歩行者の増加が見込まれ歩道の需要が増えることが予想されるので、情勢の変化に注視しながら施策を考えてまいりたい。」

 国会議員の例では、「責任ある政治で国民の信頼回復を。パワーアクション」という大見出しに続いて、「“襟を正して国民の信頼回復を図る。” 政治は真摯に説明責任を果たし、謙虚に丁寧に議論することで、国民の信頼回復を図らねばなりません。一方で、感染症対応、災害復旧、経済対策、北朝鮮ミサイル問題、地方創生等の重要な政策課題に責任をもって取り組み、結果を出すことが重要です。」と誰かがよく言われているような内容の報告書。

 この代議士さんの行動日程は、地元新聞に掲載される。国会のないときは、分刻みの訪問や会議が並び、夫々に難しい問題があると想像されるのに、こんなに多くのことを駆け足のようによくこなせるものだと訝しく思っていた。上記国会報告書には、会議や行事の写真だけがたくさん掲載されている。各写真には行事名があるだけなのに、華々しく活躍しているという印象を与える。

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