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価値があるから欲が出る

2017-01-17 13:56:50 | お話
🌸🌸価値があるから、欲が出る🌸🌸


世界をアレとコレとに分けて捉える「解釈の世界」には、

常に軋轢(あつれき)や競争心がつきまとう。

それは、切り分けた事物の対象それぞれに、

固有の価値を与えてしまうからなんだ。

それぞれに異なった価値があるから、

そこに「優劣」が生まれる。

優れたものと、劣ったものがあるのなら、

より優れたものを選びたくなるのが人情だよね。


だから、世間が頭のいい人ばかりをありがたがれば、

やれ資格だ学歴だと、必死に競争しあう世の中になってしまう。

誰よりも秀でた何かを持った自分になろうと、あくせくしてしまったり、

自分と誰かを比べて「私には何の価値もない」と、自己嫌悪に陥ってしまうこともある。

だからね、

そもそもの「賢い者ばかりをありがたがる」という物差しがなければ、

人は「競う」という世界から自由になれるんだ。

同じように、皆が皆、

希少価値を重んずるから、それらを奪い合い、しまいには「泥棒だ! 強盗だ!」という騒ぎになる。


世の中が、「あいつが偉い」「これは素晴らしい」と、やたらに煽り立てるほど、

余計に心がかき乱されるけど、

本来は「事物そのもの」に価値が内在してるワケじゃない。

人間がその対象に、概念的な価値を後付けしているんでしているだけなんだ。

「欲が出る」ということは、その対象にそれだけの「価値」を与えているからだよ。

だからもし、あるがままを生きる「妙の国」があったなら、

そこの国王は、あらゆるものの価値や優劣を剥ぐだろうね。

民の心を、からっぽにすることで、みんなの腹を満たしてやり、

競争心を弱めることで、丈夫な骨を作るのさ。

価値に振り回されない社会なら、

「よりよい人生」を求めて暗中模索することもないし、

欲に駆られることもない。

もしも、

「王様! さらに国益を向上する新しいプランができました!」

なんて野心家が現れたら、

「ほほう。ところで、その益を得る『国』とは、いったい、どこにその実体があるんだい?」

なんて言って、あえてご退陣願うのさ。

がむしゃらに自己実現を目指さなくても、

あるがままの流れに任せていれば、人は自然と適材適所に収まるんだけどなぁ。

ま、とにかく勝ち組になろうと躍起になっている今の世の中とは、まるっきり真逆の話だね。


(「ラブ、安堵、ピース」黒澤一樹さんより)


自分の自然な状態が一番の価値だと思います。(^_^)