縁は学び

④縁は学び


一人さんは、こんなことも教えてくれました。

「『縁』って学びなの。

悪い縁と出会ったことを嘆き悲しんだり、苦しんだりせずに、
離れ方や避け方を学べばいいの。

これを『逆縁』っていうんだけど、
悪縁とわかっていながらも自分から離れないでいると、
いつまでも同じ問題に苦しめられるんだよ。

『いやだ。いやだ』と言い続けながら、
悪縁を手放さないでいるのは、自分だよ。

離れ方や避け方ってむずかしく感じるかもしれないけど、
本当は簡単なの。

自分自身を大切にするだけでいいんだよ。

いっぱい大切にしていると、自分を大切にしてくれる人たちが周りに集まってきてくれるの。

そうすると、自分を傷つけたり、いやな気持ちにさせたりする人が離れていく。

自分のためにも相手のためにも、早く学んで、
お互いが良縁をつかんでいい人生を送った方がいいよね」

一人さんと出会うまで、『縁』について真剣に考えたことはありませんでした。

大衆演劇を生業とする両親の元に生まれたことも、
だいたい仕事や出会った人に向き合うことも、
ごく当たり前のことだと思っていたからです。

逆にいえば一人さんに出会うまで、一つ一つの出会いに一生懸命に向き合うだけで、
巡ってきた「縁」を、ただ受け入れることしかできなかったのです。

ただ縁を受け入れるだけでなく、
それが悪いものならば断ち切ればいいだけ。

そして、自分を大切すればいいだけ。

そう聞いたぼくの心は、これから先出会うであろう、いろんな縁への対処法を知ったような安心感で満たされました。

そして、思い方1つで、自分自身が良縁を引き寄せられる体質になれることを知りました。


（「斎藤一人 良縁」恋川純弥さんより）