布教活動を始めた日蓮上人ゆかりの安国論寺をまず訪れ,世界遺産候補地・名越の切通しを辿り,まんだら堂やぐら群跡を訪ねました。この辺りは逗子市による周辺遺構の補強・整備・保存の工事中で,2015年の完成を目指して歴史公園として公開範囲の拡大 が期待されています。
奈良時代の創建と言われる坂東三十三観音二番札所の岩殿寺も巡りました。
【 妙法華経山 安国論寺 】
境内一円は松葉ケ谷なので一般には,松葉ケ谷安国論寺と言います。
本堂の向かいは「御法窟」(または「日蓮岩屋」)と呼ばれる岩窟があり,ここで「立証安国論」が書かれました。
上記仏像の目線の先に 「師孝第一」と言われた愛弟子の日朗上人の御茶毘所があります。
【 名越切通(世界遺産候補地) 】
この切通しは鶴岡八幡宮から南東約2 kmに位置し,鎌倉の南東から逗子を経て三浦半島へ通じる当時の要路であり,道が険しく難路であったため「難越」から「なごえ」の名がついたと言われています
【 まんだら堂跡 】
✿まんだら堂やぐら群
名越切通しは三浦へ抜ける街道が通るところであると同時に,そこに設けられた防衛の施設跡と更に葬送遺構が残っています。やぐら群は標高約80mの尾根から南西に傾斜する斜面をほぼ垂直に切落として造成された崖面に,三段から四段の列をなし,約1〇〇mに亘って造営されています。確認されたやぐらは150基を超え鎌倉で最大規模のやぐら群となっています。
【 岩殿寺 】
当寺は徳道上人・行基菩薩のお二人によって創建されたと伝わっています。鎌倉杉本寺に次ぐ坂東観音二番札所になります。
鎌倉時代には 源頼朝・御台所・大姫・実朝などがことあるごとに参拝しており,将軍家の信仰の深さが伺えます。
又 明治のころ逗子に滞在した泉鏡花は観音菩薩を信仰し再三参詣しており,句碑や瓢箪池を寄進しています。