八潮市の住宅街に名店爆誕「麺屋 いちょう」
東武線・草加駅の東口から東へ歩いて25分ほど。綾瀬川を渡り、産業道路を越えた先。草加と八潮の市境そば、八潮井草団地1号棟の北側の住宅街に2022年12月12日にオープンした「麺屋 いちょう」へ。店のSNSを見ると、ご主人の古屋翼氏は川口市にある人気店「おとなの塩Soba」と関係が深いようだ。出身店だろうか?
いちょうの花言葉は「長寿」。この地で長く店を続けられるように屋号に冠したそうだ。貼り紙によると、混雑時はまず軒先に並び、スタッフに案内されてから食券を購入するシステムだ。ちなみに訪れた日は店舗建物が修繕工事中。足場と防音シートで外観全景は見られず。店内はカウンター5席と4人掛けテーブル1卓の計9席。
なおオープンから日が浅いからか、訪れた日は「提供の都合上、メニューを絞って営業」と。麺メニューは「白醤油らぁめん」のみの提供で、券売機にある「黒醤油らぁめん」は準備中。なお「和え玉」はオーダー可能だ。一方のご飯モノは「ネギチャーシューごはん」一択で、「炙りチャーシューごはん」「八潮スパイスカレー」は提供無し。
今回は「白醤油らぁめん」の特製(1000円)を注文した。澄んだスープは動物系、和風出汁、海鮮出汁の3種を重ねている。動物系は匠の大山鶏、丸鶏、豚の清湯。和風出汁は昆布や煮干し、鯵、鯖、アゴ、椎茸からひいている。そして海鮮は昆布、アサリ、ムール貝、蛤、渡り蟹、海老、ゲソなどから旨味を抽出。
そこに昆布やイタヤ貝を中心に3種の塩と白醤油で仕上げたカエシを加えている。POPには「ガツンとパンチのあるスープではありません」の文字。確かにそうかもしれないが、前面に押し出された鶏の香り、三大旨味成分が詰まった和風出汁、温度が下がってから現れる貝出汁が幾重もの旨味を織りなし、物足りなさは微塵もない。
カエシの塩味も強すぎず、出汁の旨味を存分に楽しめる仕上がりだ。合わせる麺は、店入口脇の製麺室で打った自家製。内麦にロースト胚芽を加えており香りが良く、しなやかさもあって、スープとの相性も抜群だ。チャーシューは軽く炙った脂身トロトロの豚バラ肉、レアな仕上がりの豚肩ロース、低温調理の鶏胸肉が1枚ずつ乗る。
いずれも非常に良い味だ。味玉は黄身トロリ。ほか、生姜が効いてコリコリ食感の鶏ツミレが2つ、出汁香る柔らかな穂先メンマ、バラ海苔、カイワレ、白髪ネギがトッピングされる。卓上にはリンゴのフルーツ酢と胡椒があるのでお好みで。手抜かりない見事な一杯、あっという間に完食した。腹具合で今回遠慮した和え玉は次こそ!
<店舗データ>
【店名】 麺屋 いちょう
【住所】 埼玉県八潮市伊草417-9
【最寄】 東武スカイツリー線「草加駅」徒歩25分(2.1km)